この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 四万十大正」は、今も当時のまま残る「日本最古の道の駅」のひとつ。
「道の駅 四万十大正」のロケーション
「道の駅 四万十大正」は、国道381号と439号の合流地点に近い、四万十町の真ん中に位置する古い道の駅。
窪川方面から来ると、ここが最初の道の駅にあたるせいか、「道の駅 四万十大正」で車中泊をした人が、その経験と感想をブログにアップしているが、筆者の印象とはずいぶん違いがあるようだ。
そもそも「道の駅 四万十大正」は、1993年4月22日の「道の駅第1回登録日」に認定された、全国にある103ヶ所の道の駅のひとつで、いわゆる「日本で一番古い道の駅」になる。
それから30年近い歳月が流れた現在、「日本で一番古い道の駅」の多くは既にリニューアルされているのだが、「道の駅 四万十大正」は今なお昔のままだ。
当初の道の駅が、どんな感じだったかを知るサンプルとしては貴重だと思うが、それは画像と映像で記録しておけばいい話(笑)。
大半の旅行者は、そういう価値観を共有してはいないだろう。
かといって、四万十川の一番の見どころとも云える沈下橋は、もう少し下流域に揃っているため、「道の駅 四万十大正」で車中泊をするどころか、立ち寄る理由さえも、なかなか見いだせないのが実情だ。
ただ「もう普通の旅には飽きた」という人に、お勧めしたいマニアックな場所は近くにある。
そのひとつは、向かいにある「四万十ヤイロチョウの森ネイチャーセンター」だ。ここでは高知県の県鳥であるヤイロチョウのほか、様々な野鳥について学ぶことができる。
ヤイロチョウはスズメ目ヤイロチョウ科に属する、体長約20センチの美しい野鳥で、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧1B類に指定されている。
5月から9月に子育てをするため、ボルネオ島や台湾から高知県に渡ってくるが、野生ではめったに見ることができない幻の鳥とも云われていて、筆者もまだナマでは見たことがない。
「道の駅 四万十大正」の施設
50台が停められるという駐車場は、やや変則的なレイアウトだが、フラットで車中泊に支障はなかった。
ただし中は面白い。囲炉裏がある板間の休憩室は、初めて見たというか、未だここでしか見たことがない。
ちなみにグリーンシーズンの朝は7時30分から開いていて、うどんと鰻が自慢の田舎食堂「であいの里」も、その時間から利用できるようだ。
なお、駅舎の裏にあるテーブルとイスが置かれたデッキの横には炊事場もあるのが、これは川遊びや釣りをする利用者を想定しているのかもしれない。
残念ながら、可燃物のゴミ箱はなかった。
「道の駅 四万十大正」の車中泊好適度
「道の駅 四万十大正」の最寄りの温泉
十和温泉
約18キロ・クルマで20分ほど
☎0880-28-4811
大人900円
12時~20時・無休
「道の駅 四万十大正」周辺の買い物施設
20キロ圏内にコンビニは見当たらない。
スーパーマーケットは、約6キロのところに「ショッピングみたに」がある。