この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
足摺岬から戻るか、先に進むかが思案のしどころ
土佐清水 車中泊コースガイドの概要
この記事は、『ミシュラン・グリーンガイド・ジャパンで★★の評価を得た「足摺岬」が、いったいどのくらい僻地にあるのか』という話から始めたい(笑)。
まず「高知城」から「四万十町中央インター」までは、高知自動車道を利用して約60キロ・1時間。
見どころが登場するのはもっと先になるので、ここまでは移動と割り切り、素直に高速道路を利用したほうが身のためだ。
そこから「中村」までは、国道56号を走って約50キロ・1時間。しかし、海はまだほとんど見えない。
「中村」からさらに「足摺サニーロード」と呼ばれる国道321号に乗り換え、土佐清水市に入ると、ようやく観光地らしくなってくる。
そして「足摺岬」の麓で今度は「椿の道(旧:足摺スカイライン)」に乗り換え、ジョン万次郎の銅像が立つ「足摺岬の先端」まで約45キロ・1時間。
土佐清水のベストビュースポットは、竜串海岸
おおかたの予想に反して、このコースの最大の見どころは、先ほどの「足摺岬」ではなく、「竜串海岸とその一帯」になる。
弘法大師が名付けたという「見残し海岸」には、今でも道は通っていない。
改めて、土佐清水までは瀬戸大橋から高知市内経由で片道約300キロ。大阪在住の筆者でも、自宅からは約450キロあり、東に走れば横浜まで行ける。
さすがにここまで行くには、お金も体力も気合も必要。ゆえにアタマを捻って、ベストコースを弾き出す必要があった。
ただし土佐清水には、甲乙つけがたい2つのベストコースが考えられる。そこで、ここからはそれを紹介するとしよう。
車中泊で行く土佐清水コース❶
竜串海岸から高知市内へ折り返す
もちろん、そのまま同じ道を帰ってしまったのでは能がない(笑)。
車中泊で行く土佐清水コース❷
竜串海岸から柏島経由で宿毛へ
「足摺サニーロード」は、国道321号の土佐清水市から叶崎(かなえざき)を超えて宿毛へと続く「日本百名道」のひとつで、基本的にはこの道を進むのだが、途中で天気が良ければ、ダイバーや釣り人から絶賛されている「柏島」に立ち寄るといい。
「柏島」は豊後水道と黒潮がぶつかる海域に面しているため、日本の海の1/3の魚種が生息しているとも云われている。
筆者は2度訪ねているが、いずれも春の霞に遮られて、ここまでの色がでた写真は撮れておらず、まだリベンジが果たせていない。
なお島内や周辺地域には店がほとんどないので、行く時は弁当などを持参するといい。マップや最新情報は以下のサイトで確認を。
車中泊は「道の駅大月」でも、「道の駅すくも」でも可能だが、景色が良くて車中泊に適しているのは「道の駅すくも」だ。運が良ければ、道の駅からでも有名な「だるま夕日」が見られる。
最後は帰路についてだが、宿毛から北上していけば「しまなみ海道」にも、「瀬戸大橋」にも出ることができるが、国道56号で中村に戻り、コース❶同様に「四万十川の沈下橋をめぐる旅」を加えることも可能だ。