車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年4月現在の「道の駅 多々羅しまなみ公園」の車中泊に関する情報です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 多々羅しまなみ公園」は、しまなみ海道の尾道に近い「大三島」にある風光明媚な道の駅だが、その前に大事なことは…
道の駅 多々羅しまなみ公園 DATA
道の駅 多々羅しまなみ公園
〒794-1402
愛媛県今治市上浦町大字井口9180-2
☎0897-87-3866
営業時間
9時~17時
休館日
年中無休(ただし12/1~3/15の期間は毎週木曜定休)
「道の駅 多々羅しまなみ公園」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第15回
登録日/1999年8月27日
「道の駅 多々羅しまなみ公園」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2007年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2007.11.12
2010.07.07
2011.01.23
2022.04.27
※「道の駅 多々羅しまなみ公園」での現地調査は2022年4月が最新になります。
道の駅多々羅しまなみ公園【目次】
「道の駅 多々羅しまなみ公園」のロケーション
「道の駅 多々羅しまなみ公園」がある「大三島」は、「しまなみ海道」で繋がる6つの島の中でもっとも大きく、広島県の尾道に一番近い島だ。
ただ瀬戸内湾岸の名所をめぐりたいという車中泊の旅人にとって、わざわざ立ち寄るだけの価値がある島か?
そう問われたら、筆者は「しまなみ海道」を見下ろす展望台のある、「大島」のほうをお勧めする。
2024年3月31日まで、サイクリングフリー期間で無料となっている自転車と違い、クルマは高速料金が発生するため、「しまなみ海道」で”各島停車”をしていたら、コストも時間もかかるばかり…
スタンプラリーに燃える「道の駅マニア」や、SNSに情報を発信して小銭を稼ぎたい「車中泊マニア」を除けば(笑)、
車中泊の旅人といえども、「大三島」にある道の駅のことよりも、まずは「大三島」にはどんな観光名所があるのかを最初に知りたいはずだ。
その意味からすると、「大三島」の有名な観光スポットの筆頭は、日本建国の神と伝わる大山積大神(おおやまづみのおおかみ)を祀る「大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)」になるのだろう。
とはいえ…
ここが日本歴代の武将・武人が、戦勝を祈るために参拝した神社であることも知らずに行くのはどうかと(笑)。
パワースポットにあやかりたいのなら、まずは近所にある「神宮」と名のつく史跡を訪ね、そこで自らの霊感を試してからのほうがいい。
また「大山祇神社」の前には、昔はこの海鮮丼が380円と驚くほど安かった「大漁」という食事処が今でもあるにはある。
さすがに値段は480円になっているようだが、どんぶりのサイズは小ぶりで女性や中高年向きであることは変わらない。20~30代の男子なら2杯食べてちょうどくらいだ。
これは10年前の2012年に、テレビ朝日の報道番組をコーディネイトした際の写真だが、ディレクターの手を見れば大きさがよくわかると思う。
「大漁」は女将さんと大将の人柄もよく、その当時は何度かマスコミにも紹介をしたことがあり、下のような事態を招くことに一役買っているのだが(笑)、
我に返って冷静に店の外から傍観してみれば、「ワンコインの海鮮丼にそこまで並ばなくても…」という気がする(笑)。
以前は夜も営業していて、居酒屋になる時間帯が楽しかったのだが、現在はランチタイムにしか店を開けていない。
並んでいる人たちの背景には、”わざわざ「大三島」にきた限りは…”という想いがあるのだろうが、それゆえになおさらここでは、「自分にとって、わざわざ行くだけの価値の有無」が重要だろう。
なお「大三島」には、「大山祇神社」の近くに「道の駅 しまなみの駅御島」もある。
内陸部にあるため景色は望めないが、隣にスーパーがあり、路面は平坦で、ウォシュレット付きのトイレとコインシャワー(1回200円)を備えていることから、「旅の宿」としての使い勝手は悪くない。
さらに「道の駅 しまなみの駅御島」の向かいにある、無料の「市営藤公園前駐車場」でも車中泊が可能だ。
「大三島」をがっつり観光した人には、「道の駅 多々羅しまなみ公園」より、島のこちら側のほうがいいかもしれない。
「道の駅 多々羅しまなみ公園」の施設
まず公式サイトに”収容数300台”と書かれている「道の駅 多々羅しまなみ公園」の駐車場は、大きく3ヶ所に分かれている。
そのうち、もっとも大きな「第2駐車場」は、道の駅の施設とは国道317号を挟んだ場所にあり、トイレにも遠く車中泊には適していない。
こちらが「第1駐車場」。
マップでは「第1駐車場」になっているものの、駅舎から離れており、現地に行くとこちらが「第2駐車場」のように感じる。
それもあって、駅舎の真正面にある「第2駐車場」で車中泊をする人が多いようだ。
路面はどちらもフラットで、車中泊に支障はない。
24時間トイレは、「第1駐車場」と「第2駐車場」の間にある。
ただウォシュレットは用意されていない。
今はほとんどの道の駅に完備されているため、ないだけで著しく古さを感じる。
加えて「道の駅 多々羅しまなみ公園」には、可燃物のゴミ箱も用意されておらず、ダブルで旅人の心証を悪くしている。
ネット全盛、SNS全盛の現代において、それがこのようなカタチで拡散されていくことを思えば、損失は計り知れない…
改修するのにいくら費用がかかるのか。
たぶんプラスマイナスの計算は、子供にでもできるはずだ。
責任者には、大阪に昔からある「損して得取れ」という格言を教えてあげたい(笑)。
それはさておき、
24時間トイレの左はレンタサイクルの店舗になっているのだが、「しまなみ海道」は世界でも有名な「サイクリストの聖地」で、全長約75キロにわたるサイクリングロードが整備されている。
ただ、車中泊旅行者に注目してほしいのは、クルマが停まっている写真の左側。
ここは「潮風の広場」と呼ばれる場所で、「道の駅 多々羅しまなみ公園」の穴場と云える車中泊スポットだ。トイレには海沿いの遊歩道を歩いて行ける。
いっぽう観光バスが来るだけあって、特産品売り場の品揃えは充実している。ただ、どこの道の駅でも見かける弁当や惣菜類は見当たらず、土産物が大半だ。
代わりに、「ふれあい屋台市」で地元で採れた新鮮な野菜や果物を販売しており、12月から3月にかけては、瀬戸内らしく様々な柑橘類が手に入る。
またテイクアウトには、ユニークなソウルフードが用意されていた。
そんな中で筆者の目を引いたのは、水槽の中を泳ぐ「マハタ」だ。
マハタに限らずクエを含むハタ科マハタ属は、漁獲量が少なく市場にほとんど流通しない魚だが、グルメと釣りをする人間は、その旨さをよく心得ている。
「道の駅 多々羅しまなみ公園」のレストランでは、そのマハタを使った料理が食べられる。ただし営業時間は16時まで。
最後に。
「道の駅 多々羅しまなみ公園」をガイドしている数多の記事を見ると、底の浅い褒め言葉だけを羅列しているものばかりが目につくが、本当に初めて行く人の立場になって書いているなら、合わせてデメリット要素が記されているのが当然だ。ましてマスコミやスポンサー絡みでもないのだから…
ブログの記事はGoogleロボットに読ませるものではなく、本気で情報を探している旅人のためにある。
文字数稼ぎに、当たり障りのない文章をいくら載せても、評価される日は来ない。
同じダラダラと書くなら、公式サイトに書いてあることや、同じことを繰り返したりするのではなく、リアルな自らの体験と取材に基づく、他には出ていないオリジナルの情報を数多く掲載していただきたい。
「道の駅 多々羅しまなみ公園」の車中泊好適度
「道の駅 多々羅しまなみ公園」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:自動販売機の横に設置
「道の駅多々羅しまなみ公園」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
多々羅しまなみドーム・三島の湯
☎0897-87-2114
おとな420円
10時~21時
火曜 定休
コンビニ
ファミリーマートまで約650メートル。
スーパーマーケット
約2.4キロのところに「Aコープ かみうら」がある。
「道の駅多々羅しまなみ公園」のアクセスマップ