【2022年10月更新】
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、「ハウステンボス」の車中泊に関する記述です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
ハウステンボスの駐車場でも車中泊はできるが、30分以内に行ける道の駅は3つある。
ハウステンボス【目次】
プロローグ~
還暦過ぎて「ハウステンボス」に行く価値あり?
ネット検索から来られた方のために、最初に記しておこう(笑)。
この記事は若い人の参考にもなるとは思うが、書いているのは、とっくに還暦を過ぎてまもなく年金受給が可能になろうかという「おじいちゃん」だ(笑)。
筆者は家内とクリスマスに「ハウステンボス」のゲートをくぐったのだが、皆さんの予想通りアトラクションに興味はなく、パーク全体に漂う異国情緒をのんびり歩いて楽しんできた。
「テーマパーク」の真骨頂は、どれだけ「別世界」に誘ってくれるか…
それは年令に関係なく味わえるものだし、たぶん現地でもそれほど浮いた存在ではなかったと思う(笑)。
結論としては、それなりに楽しめた。
ただそれは、長崎とオランダの深い関わりや、「ハウステンボス」の経歴を知っていたことも、無関係ではなかったと思う。
「ハウステンボス」の経歴
オランダ語で「森の家」を意味する「ハウステンボス」(Huis Ten Bosch)は、
長崎県佐世保市にある、オランダの街並みを再現し、ヨーロッパ全体を題材にしているテーマパークだ。
ご承知の通り長崎は、1550年に平戸にポルトガル船が入港して以降、ヨーロッパとの交流の歴史が長く、中でもオランダは鎖国以降も「出島」で貿易が許された唯一の国として、日本の近代化に大きな役割を果たしている。
その歴史を考えると、「ハウステンボス」が平戸と長崎の中間地点にあたる、佐世保にあることに違和感はない。
さて。
「ハウステンボス」が開業したのは1992年で、当初は既存の長崎オランダ村を発展的に拡大したものだったが、2003年に破綻し、会社更生法の適用を受けた苦い経験を持っている。
その後は紆余曲折を経て、2010年4月からエイチ・アイ・エス(H.I.S.)を中心とする新たな経営再建によって黒字化にこぎつけたが、業績は2015年をピークに伸び悩み、2022年9月30日、エイチ・アイ・エス(HIS)は、子会社化していたハウステンボスの全持ち株を、香港の投資会社PAG (投資会社)に666億6000万円で売却することを発表した。
日本で25年以上の投資実績があるPAGは、2013年に「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を運営するユー・エス・ジェイにも出資した経験を持っており、今度「ハウステンボス」をどう活性化していくのかが楽しみだ。
なお「ハウステンボス」の見どころについては、オフィシャルサイトで確認を。
ここから先は、車中泊と中高年向きの利用法の話に進もう。
「ハウステンボス」の駐車場は車中泊OK?
ハウステンボスの駐車場料金は、「当日の営業時間内において、入庫~出庫までの1回につきの料金(駐車が午後24時を超える場合、翌日料金を徴収)」となっているので、車中泊はOKだ。
ただ1回800円で利用できる「第一駐車場」には、車高2.3メートルまでの高さ制限があるため、キャンピングカーはまず入庫できない。
そのためハイルーフ車は、隣にある2500円の大型車用に用意された「第二駐車場」にクルマを駐めることになるのだが、パークに入場する前に駐車券と車検証を持って入国インフォメーションへ行けば、1000円の割引が受けられる。
食事の施設はハウステンボスの中に揃っているし、駐車場の近くにはトイレとコンビニ、そして歩くと多少遠いが、敷地の一画には「ハウステンボス天然温泉」があるので、車中泊環境としては悪くない。
ハウステンボス天然温泉
☎0956-27-4126
大人 600円
平日・日曜日 11時~22時(受付最終21時)
土曜日 11時~23時(最終受付22時)
※毎月第3水曜日のみ18時~22時(受付最終21時)
年中無休
「ハウステンボス」の入場料と、中高年向きの利用法
まず2022年10月現在、「ハウステンボス」の入場料金は、大きく1DAY:7000円・アフター3:5000円・アフター5:4000円の3種類に分かれている。
ただし、それ以外にも様々な徳用パスポートがあるので、以下のページであなたのニーズに合うものを、よく吟味しておこう。
しかも中高年には嬉しい、シルバー割引に該当する「おもいやり」料金設定というものもある。
残念ながら若い筆者たちには、「おもいやり」は施されなかったのだが(笑)、ちょうど家内の誕生日と時期が重なったため、こちらの制度を利用させていただいた。
バースデー割
お誕生日のご本人様とお連れ様(5名様まで)一律500円割引
■対象者:来場日がお誕生日前後3日間の方
例)3月25日が誕生日の方の場合3月22~28日が対象
実際に購入したチケットは、午後3時以降から入場できるアフター3パスポート5000円で、そこから夫婦で1000円が割り引かれ、駐車場料金の1500円と合わせて合計9500円を支払った。
滞在時間は約5時間。
最終的には、クリスマスのダンスショーとイルミネーションを見たあと、軽くお腹を満たして、諭吉くんプラスアルファの支出になったが、「死ぬまでに一度くらいは行けたらいい」と思っていた筆者たちには、このくらいでちょうどよかった(笑)。
「ハウステンボス」周辺の車中泊スポット
翌日、佐世保から平戸の観光を予定していた筆者は、「ハウステンボス」を出た後、「ハウステンボス天然温泉」で疲れを癒やし、そこから高速道路で約20キロ・クルマで20分ほどで行ける「道の駅させぼっくす99」で車中泊をした。
いっぽう、翌日に長崎方面を観光するなら「道の駅 さいかい」が、同じく高速道路で約13キロ・15分ほどのところにある。
いずれも高速料金は数100円で済むので、夜の運転が辛い中高年は、高速道路利用をするほうが楽だと思う(笑)。
なお、実はRVパークを併設している「道の駅 彼杵の荘」が約20キロ・クルマで30分ほどのところにある。
電話で確認したところ、2022年9月で道の駅自体の改修は完了しており、車中泊はできるようだが、駐車場の一部の工事がまだ終わっていないため、2022年10月現在もRVパークは利用できず、完成の予定もはっきりしていない。