「記紀」に書かれた日本神話のあらすじ/日本の古代史ダイジェスト 2022年12月更新

3.日本史ダイジェスト/九州編

【2022年12月更新】
日本の史跡をめぐる車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、古事記に記された「日本神話」のあらすじを、手短に分かりやすくご紹介しています。

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「記紀」は史実と創作が絡まり合った、古代日本の壮大な歴史書

古事記

まず、以下の内容は筆者のオリジナルではなく、「オカルトオンライン」というサイトに掲載されている、夏藤涼太氏の「民俗学とメタ視点で読み解く古代日本史」という記事を、要約し加筆したものになる。

原文のままだと、さすがにここではちょっと長いうえに、本題から逸れるところもあるので、関連するところのみを抜粋させていただき、筆者がこれまで撮影してきた画像とともに編集した。

※この色の文章が主な筆者の加筆

日本神話のあらすじ

日本神話

「記紀」と呼ばれる「古事記」と「日本書紀」は、いずれも前半は神話だが、後半に史実が盛り込まれている歴史書だ。

たとえば「古事記」は上巻が神代、中・下巻は史書、「日本書紀」は1・2巻が神代、3~30巻は史書となっており、どちらも神代にあたる部分を一般的に「日本神話」と呼んでいる。

「日本神話」は創世神話から始まるが、中でもイザナギとイザナミの「国生み神話」は有名だろう。

国生み神話

伊弉諾神宮

伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉冊尊(いざなみのみこと)の二神が、天上の「天の浮橋」に立って、「天の沼(ぬぼこ)」で青海原をかきまわし、その矛を引き上げた時に、先から滴り落ちる潮(しお)が凝り固まってひとつの島になったという。

それが「おのころ島(淡路島)」で、二神はその島に降りて夫婦の契りを結び、国生みを行った。

「日本人の常識」としては、ここまでの話で十分だろう(笑)。

次が根の国(死者の国)や高天原(たかまがはら=神々が住む天上世界)の話で、天照大御神(アマテラス)や素戔嗚命(スサノオ)が登場し、「天岩戸神話」はここに含まれている。

天岩戸神話

高千穂

アマテラスが治めていた高天原で、弟のスサノオは乱暴な事件を起こしては神々を困らせていた。

最初はスサノオをかばっていたアマテラスだったが、とうとう我慢しきれなくなり、天の岩屋戸の中に隠れてしまう。そのため高天原は、夜のように暗くなった。

そこで八百万(やおよろず)の神々は、天安川原(あまのやすがわら)に集まって相談をした結果、天の岩屋戸の前で賑やかに祭りをすることになった。

その時にアメノウズメノミコトがおもしろく舞い踊ったので、大勢の神々は声を出して喜んだ。

この騒ぎを聞き、アマテラスは岩屋戸を少し開けて外を見ようとした。

その瞬間を逃さず、アメノタチカラオノミコトが岩の戸を押し開き、アマテラスを外に出すことに成功し、高天原は元のように明るくなった。

国つくり神話

ヤマタノオロチ公園

「国生み神話」の次に登場するのは、「ヤマタノオロチ退治」で有名なスサノオや大国主命(オオクニヌシ)の「国造り神話」で、芦原中国の具体的な舞台として、島根県の出雲が登場する。

国譲り神話

出雲大社

「古事記」では、その後アマテラスが遣わす天津神(高天原の神々)が芦原中国に現れ、オオクニヌシは芦原中国の統治権を天津神に渡す代わりとして、壮大な御殿(出雲大社)の建立を願い出る。

それが「国譲り神話」だ。

かくしてアマテラスによる芦原中国の統治が始まり、孫の邇邇芸命(ニニギ)が九州に降臨する。

天孫降臨神話

高千穂

アマテラスの命で、当初はアメノオシホミミが天降ることになっていたのだが、アメノオシホミミに、ニニギという名の子どもが誕生する。

そこでアメノオシホミミに代わり、ニニギを降臨させることになった。

ニニギが地上に降り立つ際にアマテラスが手渡したのが、「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」「八尺の勾玉(やさかのまがたま)」「八咫鏡(やたのかがみ)」。

そう、現在でも天皇の証とされているあの「三種の神器」だ。

ニニギは三種の神器をたずさえ、天児屋命(アマノコヤネノミコト)などの神々を連れて、高天原から地上へと向かう。

道中を猿田毘古神(サルタヒコノカミ)が案内し、ニニギは筑紫の日向(ひむか)の高千穂に降り立ったという、

ちなみに「天孫降臨神話」は、アマテラスの子孫を「天孫(てんそん)」と呼ぶことに起因している。

ニニギノミコトの墓

「日本神話」はここからしばらく九州が舞台になるが、ニニギノのひ孫である磐余彦尊(カムヤマトイワレビコ)の誕生により、神代は終了する。

「日本神話」によれば、カムヤマトイワレビコは神ではなく人間だかららしいが(笑)、いずれにしてもアマテラスから数えて5代後の子孫である彼が、後に「神武天皇」に即位し、日本の初代天皇となる。

そしてそれが、戦前戦中まで天皇陛下を「現人神(あらひとがみ)」と呼んでいた理由の根拠らしい…

さすがにここまで話が飛躍すると、誰も解説し切れなくなるのだろう(大笑)。

中世以降の日本では、菅原道真を筆頭に徳川家康や吉田松陰など、人から神様に昇格するのだが、この時代では神様から人になっている!

そもそも、神様のニニギにお墓が残っているというのも、微笑ましい(笑)。

それはともかくとして…

大半の「日本神話」に関する話は、ここで終わってしまうのだが、実はここから先はもっとおもしろく、いよいよ神話は大詰めを迎え、リアルに史実と交錯していく…

ただ、高千穂からはどんどん話が遠のいていくので、いったんここで打ち切ろう。

高千穂の記事からここへジャンプしてきた人は、以下の記事をクリックすると元に戻れる。

そしてその先では、なぜ「天孫降臨」の舞台が「出雲」や「奈良」ではなく、「九州」なのかについてふれている。

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