【2023年1月更新】
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、愛媛県・佐田岬半島の車中泊事情&車中泊スポットに関する記述です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
愛媛県・佐田岬半島は国道九四フェリーで九州に渡る人向きの車中泊エリア
本来の「佐田岬」は、愛媛県にある四国最西端の岬を指すが、慣習上は岬にいたる尖った剣のようなエリアを「佐田岬」と呼ぶことが多いようだ。
ただここでは半島全体の車中泊スポットを取り上げているので、あえて正確に「佐田岬半島」と表記している。
また鹿児島県の大隅半島にある九州最南端の佐多岬(さたみさき)と、字や読みが似ているため、混同されることが多いのだが、漢字の違いだけでなく、「佐田岬」の発音は、“さだみさき”と濁音になる。
さて。
普通はここから「佐田岬半島」の見どころの話をお届けしたいところだが、そこから始めると話が長くなりすぎるので、観光情報は以下で確認いただければ幸いだ。
当サイトのテーマである「車中泊クルマ旅」の観点からすると、「佐田岬半島」でもっとも大事なのはロケーションになる。
日本にはいくら風光明媚でも、アクセスが悪いがために、旅先に盛り込みにくい場所がたくさんある。
上の観光サイトのように、ネット上でそれを観ている段には関わりないが、リアルにそれを訪ねまわるとなると、凡人は時間と体力、そして何よりコスパを照らし合わせて考える必要がある。
事実「佐田岬灯台」は、松山市内の「道後温泉本館」から約113キロ、順調に進んでも2時間30分はかかる。
また日本100名城のひとつで、築城の名手で名高い藤堂高虎ゆかりの「宇和島城」からも、約90キロ・2時間弱と離れている。
松山と宇和島は、高速道路を使えば約90キロ・1時間30分で行き来できるだけに、途中で佐田岬に寄ることがどれだけロスになるかは、このマップを見れば一目瞭然。
ゆえに「佐田岬半島」に「わざわざ」行くことは勧めない。
「四国最西端」程度の誘惑にそそのかされてはいけない(笑)。
賢者なら、その前に「日本列島の東西南北端」を制覇するべきだ。
だが、「ついで」に行くことには賛成だ。
「ついで」とは、佐田岬半島にある三崎港から、九州の佐賀関にフェリーで渡ることにリンクする。
すまわち、三崎港まで行くなら「ついで」に先端の「佐田岬灯台」まで足を伸ばす計画を立て、時間に余裕が持てる車中泊を盛り込むのがベストな選択になる。
佐田岬半島の車中泊事情&車中泊スポット
佐田岬の車中泊スポットは、付け根にあたる「道の駅 八幡浜みなっと」を入れた3つの道の駅と、国道九四フェリーが運行する三崎港の前にある「佐田岬はなはな」の4つが挙げられる。
道の駅の中で利便性が高いのは、スーパーや日帰り温泉などの生活施設に近い「道の駅 八幡浜みなっと」だ。
ただ、そこから「佐田岬灯台」までは、約54キロ・1時間15分ほどかかる。
ゆえに「道の駅 八幡浜みなっと」で「前泊」する場合、佐田岬半島を観光すると、佐賀関行きのフェリーに乗れるのは、午後からというプランになるだろう。
ロスが少なく行動にゆとりが持てるのは、前日の昼頃に八幡浜に到着し、そこでランチと買い出しと入浴を済ませた後、佐田岬半島を観光しながら「佐田岬灯台」まで進み、日没前に「佐田岬はなはな」に到着するプランだ。
そのままフェリーで佐賀関まで渡ってしまってもかまわないが、車中泊環境は「佐田岬はなはな」のほうがいいと思うので、翌朝早めの便に乗られることをお勧めする。
せっかくなので、残りの2つの道の駅についても記載しておこう。
道の駅 伊方きらら館
駐車場に傾斜があるのと、飲食施設がないのは残念だが、「佐田岬メロディーライン」の中間に位置しており、休憩で立ち寄るのは悪くない。
館内1Fには「ふれあい水槽」があって癒される。
売店には、特産品のみかん類と加工品がふんだんに並んでいる。
〒796-0421
愛媛県西宇和郡伊方町九町越3番耕地179-1
☎0894-39-0230
9時~17時30分・定休日なし
普通車43台
ウォシュレットあり
可燃物のゴミ箱は館内にも場外にも見当たらず。
最寄りのコンビニまでは約6キロ、
日帰り温泉の「伊方町健康交流施設 亀ヶ池温泉」までは約5キロ。
道の駅 瀬戸農業公園
三崎港にもっとも近い「道の駅 瀬戸農業公園」は、2023年1月現在、改装工事中でトイレは仮設しか使えなかった。
工事は2023年3月末までの予定で、道の駅機能を有した「地域博物館」が建設されるようだ。
こちらは改装工事前の、2018年5月に撮影した写真。
ただ改修後も駐車場の位置は変わらないようで、24時間トイレは階段の上にあるため、中高年の車中泊にはあまり適してはいないと思う。