九州の名湯「別府温泉郷」の、”車中泊クルマ旅ならでは”と云える楽しみ方を、25年のキャリアを誇る車中泊旅行家が、詳しくガイドしています。
「クルマ旅のプロ」がお届けする、車中泊で訪ねた名湯レポート
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国の温泉地の車中泊事情や温泉情緒、観光・グルメにいたる魅力を再評価し、「車中泊旅行者目線」から紹介しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
別府温泉郷は、源泉数・温泉湧出量ともに国内ナンバーワンを誇る温泉旅の「聖地」
「別府温泉」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2011.04.27
2013.02.09
2013.10.22
2015.01.02
2017.05.07
2019.02.14
2020.12.26
2022.06.17
※「別府温泉郷」での現地調査は2022年6月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2025年3月に更新しています。
別府温泉郷の概要と車中泊事情

車中泊で行く別府温泉郷
居心地度・総合評価 5.0
1.車中泊好適地度:○
2.滞在好適度:○
3.湯めぐりサービス度:○
4.温泉情緒度:○
5.名湯・秘湯度:○
総合:5.0 ○○○○○
ワンポイント・アドバイス
●通称「別府温泉」は、正確には8つの温泉地ならなる「別府温泉郷」で、100円の共同湯から温泉館の名湯まで、日帰りで利用できる温泉の数はゆうに100を超える。
●別府温泉郷の詳細マップと、無料&割引クーポン券、さらに別府八湯の基礎知識からグルメ情報などを盛り込んだハンドブック「別府八湯温泉本」が、温泉施設またはコンビニで入手できる。
●メインの鉄輪(かんなわ)温泉には、レトロな温泉情緒が残る温泉街がある。
●近郊で水揚げされる「関あじ・関さば」のほかに、「とり天」や「地獄蒸し」など特徴のあるグルメが楽しめる店が多い。
●道の駅、無料・有料の駐車場、サービスエリア、キャンプ場と車中泊スポットのバリエーションが充実している。
これが別府温泉郷の”実力”。
古今東西を問わず、一度別府を訪ねて以来、その魅力に取り憑かれてしまったという温泉ファンの数は計り知れない。
おそらく、その一番の理由は「飽きない」ことにあると思う。
地元で「別府八湯」と呼ばれる通り、別府温泉郷は8つの温泉地の総称だ。
その「別府八湯」は、クルマなら約30分で周回できる狭いエリアに集中し、日帰りで利用できる温泉施設の数は、ゆうに100軒を超える。
しかも中には、価格、泉質、入湯方法、ロケーション等における様々な個性を持つところが数多くあり、一度や二度の訪問ではとてもすべてを知るには至らない。
というわけで、とりあえずテキストでその実力の一端を紹介しよう。
世界に誇れる温泉力
まず、別府温泉郷には世界で確認された11種類の泉質のうち、放射能泉を除く
10種類の温泉が湧いている。
日本最多の「源泉数」
別府温泉郷にある源泉の数は2508ヶ所。この数はなんと日本国内の源泉総数の約10%に相当し、日本はもちろん、世界でもナンバーワンだ。
「温泉湧出量」日本一
国内で湧出量が多いとされる、奥飛騨温泉郷と草津温泉の湯量を足しても、まだ別府温泉に敵わない。
着いたら最初に、「別府八湯温泉本」を手に入れよう。
別府温泉に到着したら、まずはコンビニに立ち寄り、この「別府八湯温泉本」660円を手に入れることをお勧めする。
「別府八湯温泉本」は、別府温泉郷の詳細マップと、無料&割引クーポン券、さらに別府八湯の基礎知識からグルメ情報などが盛り込まれた、スペシャルなガイドブックで、無料クーポン券を使えば元が取れる。
ただし無料クーポン券はひとりしか使えないので、夫婦なら2冊が必要だ。
なお買ったら駐車場でサクッと目を通し、それから次の行動に移るといい。
というのは、別府温泉市街地には無料駐車場が「上人ヶ浜公園」の1ヶ所しかない。
キャンピングカーなら、コンビニでお弁当も一緒に買ってそこまで移動し、食べながらゆっくり見てもかまわないが、それが難しければ、買った店の駐車場か、どこかの店で食事をするついでに見るのが良策だ。
ナナメ読みすれば、15分ほどで概要はつかめる。
別府温泉の情緒は、旅人も利用できる「百円温泉」にあり。
「湯布院」と違い、「別府」は”庶民の温泉地”というイメージが強く、とりわけそれが感じられるのが、いわゆる100円温泉だ。
別府には今でも100円で入湯できる市営温泉が何件かあり、地元のご年配達の憩いの場所になっている。
しかも嬉しいことに、ここでは他府県から来た旅行者にもその値段が適用される。
なお長くなるので、名湯・秘湯を含めた「別府温泉郷」の個別温泉情報は、こちらのページに収録している。
自慢の「湯けむり」を愉しむ
「別府の湯けむり」は、2001年にNHKが全国の視聴者から一般公募した「21世紀に残したい風景百選」で、富士山に次ぐ第2位に選ばれ、国の重要文化的景観にも指定されている。
確かに別府温泉郷では、行く先々でその「湯けむり」と出会うことができるが、のんびりと温泉情緒を味わいたい人には、特に「鉄輪温泉」がお勧めだ。
石畳の「鉄輪銀座通り」には、ほかの温泉地ではあまり見ない「足蒸し」や、旅芸人の芝居が楽しめる大衆劇場が今も残り、散歩する人の心を和ませている。
またお腹が空けば、手ぶらで名物料理の「地獄蒸し」も食べられる。
「地獄蒸し」を含めた、別府温泉のお勧めランチスポットはこちら。
「鉄輪温泉」には、それに加えてクルマ旅の客人に、さらなる特等席が用意されているのをご存知だろうか。
温泉街の高台に位置する「湯けむり展望台」から一望する景観は、昭和の初めに「山は富士 海は瀬戸内 湯は別府」と詠んだ、別府観光の父「油屋熊八」が夢見た風景そのものだ。
別府温泉 車中泊旅行ガイド
車中泊でクルマ旅 総合案内
クルマ旅を愉しむための車中泊入門

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