「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。

それは市街地から遠く離れたところにある。
この地図を見れば分かる通り、指宿市は実に広く、さまざまなロケーションに富んでいる。
池田湖や開聞岳、さらに南の先端部にある長崎鼻も、すべて指宿市に含まれるわけだが、これらを公共交通機関でめぐるのは骨が折れると思う。
しかし、クルマがあれば1泊2日で事足りる。そのうえ車中泊ができるのなら、さらに自由度は増すばかりだ。
そこで、筆者なりの車中泊旅行者にお勧めしたい指宿の見どころと、モデル周遊プランを用意してみた。
車中泊旅行者にお勧めしたい指宿の見どころと、モデル周遊プラン
前泊
霧島や鹿児島タウン&桜島、あるいは大隅半島の観光を終えて指宿に移動し、翌日に備えて車中泊。

初日
「砂むし」や共同浴場めぐりを含めて、朝から「摺ヶ浜エリア」を観光。その後に食材や飲み物の買い出しを済ませ、山川エリアへ移動。
2日目
山川から海沿いに長崎鼻、開聞岳を観光して池田湖へ。

ここから先は、エリア別の見どころを紹介していく。
指宿の見どころ①
山川エリア
指宿の見どころ②
長崎鼻

指宿の見どころ②
開聞岳&池田湖
筆者は「開聞岳山麓ふれあい公園」まで足を運んでいるのだが、登山は別として、開聞岳は近くまで行ってもきれいに見えるわけではない。
この山は富士山と同じで、遠くから見るほうが美しい。
ただ「開聞岳山麓ふれあい公園」には、登山道入口の他に食事施設やミニゴルフ場・温泉・さらにはオートキャンプ場まであるので、のんびりするにはいい。
利便性の良いここで泊まって、翌朝池田湖に出向く手もある。
なお筆者は未踏だが、開聞岳の登山情報はこちら。
いっぽう池田湖は、季節の花と開聞岳のインスタ映えする写真が撮れるフォトスポットとして知られている。
レストハウスとトイレのある無料駐車場があるので、車中泊は可能。

さて。ここまでの内容を読まれて、例えば「フラワーパークかごしま」がないとか、「唐船峡そうめん流し」がないなど、不満を覚える地元の人があるかもしれない。
しかし筆者の目には、今の指宿は時代に取り残された観光地にしか見えない。
そもそも、「砂むし」目当てに都会から来る旅人は、指宿に世俗的なアミューズメントなど期待してない。「天然砂むし」がそうであるように、指宿ならではのコンテンツを欲している。

天然の観光資源が何もないに等しい黒川温泉に比べれば、圧倒的に持ちネタのいい指宿に、立ち直る術がないとは思えない。
感じたのは「一体感」とか「共存」のような、町ぐるみの意識の希薄さだ。それが改善されない限り、筆者の指宿への期待は膨らみそうにない。
