「やまなみハイウェイ」 ドライブ&車中泊ガイド【クルマ旅のプロが解説】

やまなみハイウェイ ドライブ&車中泊

25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、大分県から熊本県に通じる絶景のドライブルート「やまなみハイウェイ」に関する詳しい情報です。

「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド



この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。

車中泊のクルマ旅は、新しい日本の「旅のカタチ」
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、車中泊で旅する魅力をご紹介しています。
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~ここから本編が始まります。~

「やまなみハイウェイ」は、湯布院と阿蘇を結ぶ、絶景ドライブルート

やまなみハイウェイ

「やまなみハイウェイ」の筆者の歴訪記録

※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。

2009.05.03
2010.05.01
2013.02.12
2013.10.24
2017.05.04
2020.12.27
2022.06.17

「やまなみハイウェイ」での現地調査は2022年6月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2025年4月に更新しています。

やまなみハイウェイ 目次

やなまみハイウェイの概要

観光の秘訣は「やまなみハイウェイ」を5つのエリアに分けて周ること。

メインは、「阿蘇くじゅう国立公園」

やまなみハイウェイ 車中泊ガイド 

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やなまみハイウェイの概要

「日本百名道」のひとつで、通称「やまなみハイウェイ」の名で親しまれている「大分県道・熊本県道11号<別府一の宮線>」は、湯布院に近い「水分峠」から熊本県にある阿蘇神社の「一の宮」に至る、全長約50キロの観光道路だ。

出典:Bikejin

かつては有料だったが、東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)に、日本道路公団の管理する「別府阿蘇道路」として供用開始され、1994年(平成6年)の料金徴収期間満了に伴い、現在は無料開放されている。

由布岳や九重連山が間近に迫る日本離れした雄大な景観は、まさに「九州屈指」と呼ぶに相応しい。

やまなみハイウェイ

ただし道中は「山あり谷あり」。連続する起伏とカーブのおかげで、ドライブ中に睡魔に襲われる暇はない(笑)。

やまなみハイウェイは、九州横断道路の一部

別府

「九州横断道路」は、大分県別府市と長崎県長崎市を結ぶ、一連の道路の通称で、別府・湯布院・くじゅう・阿蘇・熊本・雲仙・長崎と、途中に海を挟んで多くの観光地を経由している。

中には「やまなみハイウェイの別名」と紹介しているサイトもあるが、正しくは「やまなみハイウェイ」は「九州横断道路」の一部にすぎず、普通に走ればわずか2時間ほどで走破できてしまう。

やまなみハイウェイ

ゆえに大半の旅行者は、ひとつかふたつ休憩所に立ち寄るだけで、あとは車窓から景色を見て走り抜けていく。

しかし、車中泊の旅は「普通じゃつまらない」(笑)。

宿がなくても困らない我々には、幅の広い楽しみ方がある。

そこでここからは、「やまなみハイウェイ」をうまくクルマで旅する方法をガイドしていきたいと思う。

観光の秘訣は「やまなみハイウェイ」を5つのエリアに分けて周ること。

「やまなみハイウェイ」を本気で楽しむつもりなら、最低でも3日は用意したい。

メインは、「阿蘇くじゅう国立公園」

「阿蘇くじゅう国立公園」は、熊本県と大分県にまたがる、九州中央部に位置する国立公園で、1934年12月に阿寒国立公園・大雪山国立公園・日光国立公園・中部山岳国立公園とともに誕生した歴史を持つ。

当初は「阿蘇国立公園」とされていたが、1986年に現在の「阿蘇くじゅう国立公園」に改称された。

ちなみに「くじゅう」が平仮名表記なのは、九重と久住の2つのエリアが混在するためだが、旅行者に両者の正確な使い分けはまずできないし、分からなくても特には困らない(笑)。

しかし、東西に広い「くじゅう」は旅行者を悩ませる。

「くじゅう」をうまく攻略する秘訣は、「西」と「東」に分け、日をずらして周ることにある。

やまなみハイウェイ 車中泊ガイド 

車中泊① 別府温泉郷

まずは「やまなみハイウェイ」の玄関とも云える、別府温泉郷から。

ここは時間があるなら2泊3泊しても飽きることのない国内屈指の温泉地だけに、長くなりすぎるので詳細を以下の記事にまとめている。

寄り道❶ 狭霧台

狭霧台の朝霧

「やまなみハイウェイ」の別府と湯布院の間にある休憩所を兼ねた展望地で、湯布院の田園風景が眺望できる。

車中泊② 湯布院

湯布院

別府温泉郷とはまったく異なる雰囲気の温泉町。ただ中高年の車中泊旅行者がゆっくり寛ぐには、自分たちにマッチする観光情報が必要だと思う。

寄り道❷ 蛇越展望所

蛇越展望所

知る人ぞ知る、「やまなみハイウェイ」の湯布院から阿蘇方面に向かう途中にある雲海&朝霧スポット。

ここは事前に情報を持っていないと、たぶん気づかずに通過してしまうと思う。

車中泊③ くじゅう西地区

くじゅう

「くじゅう西地区」では、「やまなみハイウェイ」沿いに点在する「九重”夢”温泉郷」を紡ぎながら、車中泊地の「長者原(ちょうじゃばる)」を目指すことになる。

走る距離は短いが、個性的な温泉が多く、思った以上に時間はかかる。

寄り道❸ 九重”夢”温泉郷

壁湯温泉

「九重”夢”温泉郷(ここのえゆめおんせんきょう)」は、かつて「九重九湯(ここのえきゅうとう)」と呼ばれた、大分県九重町にある温泉地の総称で、大半は「やまなみハイウェイ」の由布院から長者原の間に分散している。

つまり、この温泉郷は各温泉地間の距離が離れているため、マイカーがなければ簡単には周れない。

ゆえにクルマで旅する人の「独壇場」というわけだ。

寄り道❹ 九重”夢”大吊橋

九重”夢”大吊橋

こちらも「九重」は「ここのえ」と読む。

「九重”夢”大吊橋」は2006年に完成した九重町(ここのえちょう)の名所で、長さ390メートル・高さ173メートルを誇る日本一の歩行者専用吊橋だ。500円の通行料をとられるが、写真好きにはそれに見合う景色が見られると思う。

寄り道❺ 長者原(ちょうじゃばる)

やまなみハイウェイ

「やまなみハイウェイ」で一番人気のスポットは、この長い直線道路が有名な、飯田高原にある長者原だろう。「やまなみハイウェイ」を走るほとんどの人は、ここで小休止をする。

長者原ビジターセンター

長者原は、くじゅう連山の登山口として整備されており、ビジターセンターや温泉が併設するレストハウスがある。

車中泊については、ネット上にはさまざまな情報があるが、結論は可能だ。

車中泊⑤ 小国郷

守護陣温泉

少し寄り道にはなるが、「やまなみハイウェイ」の滝の本交差点から、国道442号で「黒川温泉」方面に進んだところに、「阿蘇の奥座敷」と呼ばれる温泉エリアの「小国郷」がある。

豊礼の湯

ここには珍しいコイン式の家族風呂と地獄蒸しの釜を持ち、さらに予約要らずで車中泊までOKというユニークな施設があるので、立ち寄ってみるとおもしろいだろう。

車中泊⑥ 阿蘇

草千里

「やまなみハイウェイ」のクライマックスといえるのは、やはり「阿蘇」だ。

長者原も素晴らしいが、開放感に満ちた「阿蘇」には、さらなる奥行きを感じざるを得ない。

だが「阿蘇」は一見わかりやすいようで、実は「雲をつかむ」ような場所だ。

独特の地形を掌握しないかぎり、うまく観光するのは難しいと思うので、それを踏まえた斬新な記事を用意した。

車中泊⑦ くじゅう東地区

くじゅう花公園

「阿蘇」からは進路を東に取り、久住高原を反時計回りにめぐって、再び長者原を目指すか、別府温泉へと向かう。

最後のコース取りの決め手となるのは「くじゅう花公園」だが、詳細は後述する。

寄り道❻ 原尻の滝

原尻の滝

「くじゅう東地区」の最初の寄り道ポイントは、道の駅を兼ねる「原尻の滝」。日本の滝の多くは山深い渓流にあるものだが、「日本の滝百選」に選定された「原尻の滝」は、田園を流れる緒方川の中流に突如として現れる。

また「原尻の滝」の近くには、昭和の名曲「荒城の月」の舞台候補のひとつと云われ、地元出身の作曲者「滝廉太郎」の銅像が建つ、岡城址がある。

岡城址

標高325mの高台にそびえ立っていた岡城は、雲海やドラマのロケ地で有名な但馬の竹田城に、勝るとも劣らない見事な石垣を残している。

寄り道❼ 長湯温泉

「長湯温泉」は日本有数の炭酸泉が湧く温泉地で、人気の「ラムネ温泉館」から200円の公衆浴場まで、幅広い「おゆば」が揃っている。しかも温泉街に道の駅があるため、昔から車中泊旅行者に人気がある。

寄り道❽ くじゅう花公園

ピークを迎える5月には、北海道のファーム富田を彷彿させる「花の楽園」になる。

ただし花のない1月と2月は、メンテナンスのため休園になるのをお忘れなく。

 

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