25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、2025年1月現在の四国と九州を結ぶ5つのフェリー航路とその概要です。
これまでの九州車中泊旅行歴 通算16回
※記録が残る2008年以降のデータです。
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この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。
~ここから本編が始まります。~
四国~九州間を運行しているフェリー航路は5つある。
四国と九州を結ぶフェリー航路
❸宇和島運輸フェリー
九四オレンジフェリー
愛媛県・八幡浜港~大分県・臼杵港
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四国~九州間を運行している5つのフェリー航路
1999年に「本四連絡橋」と呼ばれる3つのルートが完成したことで、近畿・中国地方から、四国をクルマで旅するコースは飛躍的に広がった。
「瀬戸大橋」「しまなみ海道」の名はもとより、「神戸」と「淡路島」、さらに「淡路島」と「徳島県」の鳴門を結ぶ2つの橋があることは、東海・関東以北に住む旅人にも既に浸透していることと思う。
では、四国と九州がどこで結ばれているかをご存知だろうか?
もちろん両者の間に「橋」はない。
だがおそらく想像しているより、多い数のフェリー航路が存在している。
現在、四国~九州間を運行しているフェリーはマップに記した5つの航路になる。
なお、記載している運行時間・運賃等の情報は2025年1月現在のもの。
ご覧になられた時の最新情報は、リンクしている各フェリー会社の公式サイトでご確認願いたい。
❶国道九四フェリー
所要時間約70分。四国と九州を結ぶ最短航路
「佐田岬」の”先端”にある「三崎港」と、「関サバ」「関アジ」の水揚げで知られる大分県の「佐賀関港」を結ぶ航路で、筆者も「別府温泉」の取材などで、これまで通算で5回利用している。
「船が苦手」という人は、乗船時間が短いこの便で決まりだと思うが(笑)、この航路最大のメリットは運賃の安さだろう。
【2025年1月現在の運賃】
5メートル未満車/9,800円+400円
(運転手の一般席の運賃込み)
旅客運賃/1,200円(一般席)+40円
※プラス料金は燃料油価格変動調整金
●一人旅なら、10,200円
●夫婦の場合、11,440円
運賃詳細ページ
またインターネットで事前予約すると、最大10%割引が得られる。
もちろん乗船時間が短いため、大人だけでなら個室は不要だろう。
加えて1日16便、深夜を除けば1時間に1便の割合で運行しているのもありがたい。
ただし四国側の港がある「佐田岬」は高速道路から外れており、松山市内からだと約100キロ、順調に進んでも2時間はかかる。
「佐田岬」には、”付け根”の「八幡浜」にある「道の駅 八幡浜みなっと」のほかに、「道の駅 伊方きらら館」「道の駅 瀬戸農業公園」の3つの道の駅があるが、その中で車中泊にいちばん適しているのは「道の駅 八幡浜みなっと」だ。
また「三崎港」には、「佐田岬はなはな」という真新しい商業施設ができており、ここでも車中泊はできる。
いっぽう九州側の「佐賀関」にも、港のすぐ近くに「道の駅 佐賀関」がある。
❷宇和島運輸フェリー
佐田岬の”付け根”から別府に渡る、快適ルート
「松山」あるいは「宇和島」を観光してから、「別府」に向かいたい人には、「国道九四フェリー」に加え、「佐田岬」の”付け根”に位置する「八幡浜」から出港する、「宇和島運輸フェリー」の別府航路も選択肢になる。
【2025年1月現在の運賃】
5メートル未満車/14,300円+1,200円
(運転手の2等席の運賃込み)
旅客運賃/3,600円(2等)+600円
※プラス料金は燃料油価格変動調整金
●一人旅なら、15,500円
●夫婦の場合、19,700円
運賃詳細ページ
ここで「国道九四フェリー」との違いを整理してみよう。
まず運賃だが、ひとり旅なら差額は5,300円。夫婦の場合だと8,260円高くなる。
ただし「宇和島運輸フェリー」が出港する「八幡浜港」から、「国道九四フェリー」が出港する佐田岬先端の「三崎港」までは約40キロ、また「国道九四フェリー」が入港する「佐賀関港」から、「宇和島運輸フェリー」が入港する「別府港」までも同じく約40キロ。
つまり別府温泉に行く場合、「国道九四フェリー」だと「宇和島運輸フェリー」より、約80キロ余分に走る必要がある。
次に所要時間を比べると、「国道九四フェリー」は1時10分、「宇和島運輸フェリー」は2時間50分と倍以上かかる。
しかも、「宇和島運輸フェリー」は1日6便しか運行していない。
今度は所要時間を見てみよう。
「道後温泉」をスタート地点とした場合、「宇和島運輸フェリー」を使うと「国道九四フェリー」より、四国での移動時間が50分ほど短縮される。
次に九州上陸後を見てみると、同じように1時間15分ほどの短縮になり、その差は2時間ほどと予想される。
ただフェリーの乗船時間差が1時間40分ほどあるので、多少は「宇和島運輸フェリー」のほうが早く別府に着ける計算だ。
最後に加味すべきはガソリン代だ。
合計約80キロを、リッター180円・下道燃費7キロのハイエースで走行すると、ガソリン代は約2,057円。つまり夫婦旅なら、正確な差は8,260円からそれを差し引いた6,203円になる。
それを運転時間の2時間で割ると、「運転手のお時給は3,101円」。
奥様がこれを「高い」と感じるなら「国道九四フェリー」を、「妥当もしくは安い」と思うなら、「宇和島運輸フェリー」をお選びいただくといい(笑)。
あと、それに判断基準を追加するとしたら、「宇和島運輸フェリー」のほうが船は大きく、装備もいい。
国道九四フェリー
「涼かぜ」2021年2月就航
乗用車換算積載台数 57台
宇和島運輸フェリー
「れいめい丸」 2022年6月就航
乗用車換算積載台数160台
なお「八幡浜港フェリーターミナル」は、日帰り温泉に近くて利便性の高い「道の駅 八幡浜みなっと」と隣接しており、車中泊して翌日の早朝便に乗ることも可能だ。
❷宇和島運輸フェリー
❸九四オレンジフェリー
四国経由で阿蘇、宮崎方面に行きたい人にお勧め
「宇和島運輸フェリー」の臼杵(うすき)航路と「九四オレンジフェリー」は、1日7便が運行しており、所要時間 2時間25分。しかも航路と料金も全く同じで、船舶と時刻表だけが違っている。
【2025年1月現在の運賃】
5メートル未満車/12,800円+1,200円
(運転手の2等席の運賃込み)
旅客運賃/2,600円(2等)+600円
※プラス料金は燃料油価格変動調整金
●一人旅なら、14,000円
●夫婦の場合、17,200円
着岸する大分県の「臼杵港」は、「別府港」から高速道路で約55キロ・1時間ほど海岸線を南に下ったところにあり、「道の駅 阿蘇」までは国道で約86キロ・2時間ほど。また「日向・宮崎」方面に南下するにも都合はいい。
もちろん、「別府・佐賀関」行きの船が満車時の代替え便としても使えるだろう。
❹松山・小倉フェリー
所要7時間の深夜便。続けて北九州を観光するなら便利
運行時間は「松山港」「小倉港」とも、夜21:55 発・翌朝 05:00 着の深夜便のみ。
所要時間は7時間5分で、寝ているうちに九州に到着できるメリットはあるが、そのぶんコストはあがる。
【2025年1月現在の運賃】
5メートル未満車/26,300円
(運転手の2等席の運賃込み)
旅客運賃/10,200円(2等)
※燃料油価格変動調整金込み
●一人旅なら、26,300円
●夫婦の場合、36,500円
運賃詳細ページ
なお、船には食堂はないが、大浴場は完備されている。
短い日程で博多を周りたい人には、便利かもしれない。
❺宿毛フェリー
高知県から九州に渡る、魅惑の最南ルート
愛媛県との県境に近い高知県の「宿毛(すくも)港」から、宮崎県との県境に近い大分県の「佐伯(さいき)港」を結ぶ、四国ー九州最南のルート。
他の航路よりも陸路に対するアドバンテージが圧倒的に高いことを考えると、それなりの価値が見いだせそうだ。
運行は1日3便、所要時間は3時間10分。
【2025年1月現在の運賃】
5メートル未満車/14,660円+1,530円
(運転手の2等席の運賃込み)
旅客運賃/2,570円(2等)+180円
※プラス料金は燃料油価格変動調整金
●一人旅なら、18,500円
●夫婦の場合、21,250円
運賃詳細ページ
九州 車中泊旅行ガイド
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