25年のキャリアを誇る車中泊旅行家が、香川県三豊市にある「父母ヶ浜」の、楽しみ方と駐車場及び車中泊事情を詳しく紹介しています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド

この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。

~ここから本編が始まります。~
「天空の鏡」が見られるのは干潮時で、特に日没の1時間前がお勧め。
父母ヶ浜 DATA
父母ヶ浜
〒769-1404
香川県香川県三豊市仁尾町仁尾乙203‐3
☎0875-56-5880(三豊市観光交流局)
散策自由
駐車場あり(普通車無料・400台)
※GWは予約が必要
オンライン予約サイト
「父母ヶ浜」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2018.05.09
2019.02.04
2025.02.10
「父母ヶ浜」での現地調査は2025年2月が最新です。
父母ヶ浜の楽しみ方と駐車場&車中泊事情

父母ヶ浜のロケーション

出典:三豊市観光交流局
「天空の鏡」と称される冒頭のような絶景が見られることから、一躍有名になった「父母ヶ浜」だが、意外なことにNEXCOの高速道路マップや道の駅マップには、その位置が記されていない。
そこでまずは、在処から紹介しよう。
「瀬戸大橋」から海岸線を西方面に約30キロ・50分ほど走ったところにある「父母ヶ浜」は、「荘内半島」を過ぎたあたりから約1キロにわたって続く砂浜で、地元では昔から親しまれてきた海水浴場だ。
干潮時には浜に潮だまりができ、このような夕景が見られることから、「日本の夕日百選」にも選ばれている。
しかし以前は、県外から訪れる人などほとんどなく、埋め立て計画が持ち上がった時期もあったそうだが、地元の人たちでつくるボランティア団体が、長年清掃を続け、この景観を守ってきた。
父母ヶ浜が有名になったきっかけ
写真は「父母ヶ浜」日中の干潮時だが、実はこの景色を見て「ピン!」ときた来た地元の人間がふたりいた。
ひとりは上の写真の雲のように、潮だまりに映る人影を撮って、地元のフォトコンテストに応募した人。
そしてもうひとりは、その作品を見て『父母ヶ浜の特徴』に気づき、2018年4月にフェイスブックでそれを紹介した「三豊市観光交流局」の職員だ。
その写真がたぶんコレ。
鏡のように風景を映す南米ボリビアの「ウユニ塩湖」に似ていると話題を呼び、2018年に旅行専門雑誌「じゃらん」で、「夕日の絶景ランキング」で全国1位に選ばれたこともあって、同年の7・8月で5万人を超える人々が訪れたというから驚きだ。
父母ヶ浜の楽しみ方
観客動員の”最高の一手”になったのは、それをスマホでどうすればうまく撮れるかを、ホームページで公表したことだと思う。
もはや撮影許可なしには飛ばせなくなったドローンで撮影した写真を見ても、人はもうそれほどワクワクしない。
なぜなら、それは自宅のモニターで見ても変わらないからだ。
『国民総フォトグラファー』のような現代で大事なことは、『絶景を見せる』ことよりも、『その景色は実際に自分で撮れるのか?』だ。撮れるんだったら、『ぜひ行ってみたい!』につながる。
なお、希望を叶えるためには干潮が黄昏と重なる日時を選んで行く必要がある。
嬉しいことに「三豊市観光交流局」では、今はそれもちゃんと教えてくれている。
それに付け加えるとしたら、できれば日没より1時間は早く行くこと。
これには駐車場確保の意味もあるが、太陽が傾きすぎると空がキレイに写らなくなり、少し黄色がかったくらいの時間帯のほうが、「天空の鏡」らしい写真が撮れる。
そもそも「父母ヶ浜」に行くのに、それを事前に調べていかないというのは、『スマホを持たずに行く』のと同じくらい”おマヌケ”な話(笑)。
もし時間が合わないようなら、近くの「琴弾公園」でこの景色を見るほうがいい。
父母ヶ浜の駐車場&車中泊事情

出典:三豊市観光交流局
父母ヶ浜には少し離れて2ヶ所の駐車場エリアがあり、いずれも料金は無料だ。
こちらがマップのオレンジで記された駐車場で、土日祝は事前予約制と書いてある。
しかし筆者が訪ねたのは飛び石連休の平日前の日曜で、予約なしでも入ることができた。そのかわり日没1時間前でこの状態。
観光協会に確認すると、日没と干潮時間が重なるGWや年末年始といった、混雑が予想される時にのみ事前予約制が適用されるとのことで、その際には公式サイトで事前告知される。電話で確認する場合は「三豊市観光交流局(0875-56-5880)」まで。
ちなみに隣のグレイの駐車場は、唯一舗装されている。
クルマが汚れるのが嫌な人には、ここがお勧めだろう。
なおRVパークについては後ほど詳しく説明するので、続けてもうひとつの駐車場エリアの無料駐車場を説明をしよう。
無料駐車場へは、県道21号からこの「デイリーヤマザキ」の右側にある細い道から海岸に向かって進む。
その突き当りに無舗装の駐車場がある。
実はここには公衆トイレがあり、車中泊を実際にしたわけではないが、おそらく可能と思われる。
トイレにはウォシュレットが完備。
また仮に夜間使えなかったとしても、先ほどの24時間営業しているデイリーヤマザキが、すぐそこに見えている。
またここはRVパークから結構離れているので、それを気にする必要もない。
入浴施設は、1.5キロのところに銭湯の「大井温泉」がある。
おとな450円
☎0875-82-2304
15時~22時30分
8のつく日(8、18、28)定休
駐車場は店舗正面に数台あり
※大きい車は仁尾町文化会館の駐車場の利用可。

RVパーク 父母ヶ浜
現在は「父母ヶ浜」の眼の前に、RVパークができている。
ここは一般のRVパークに比べると、自由度が高く予約もできるので、干潮が重なる日なら、日没まで見届けてからキャンプもしたいと云う人に最適だ。
●料金
1泊/1台3,000円
●駐車場サイズ
長さ8m/幅5m/高さ無制限
●利用可能台数
5台
●その他の利用条件
サイドオーニング展開可。
車外での椅子・テーブル展開可。
焚き火台を用いた焚き火可能。
ペット同伴可。
ただしご覧のように、オーシャンビューとまではいかない。
公式サイトの写真だと、騙されちゃいそうだよね!(笑)。
トイレはすぐ近くにある。
そしてこちらもウォシュレット付きだ。
なお、近くには道の駅が2つある。
最寄りは約8キロ松山方面に走ったところにある「道の駅ことひき」だが、ここは道の駅の駐車場ではなく、隣接する「琴弾公園」の無料駐車場のほうが車中泊には適している。
いっぽう翌日高松方面に進むなら、約11キロ離れた内陸部に、日帰り温泉を併設する「道の駅 ふれあいパークみの」がある。
まあ、ここで車中泊をするのが無難かな。