25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、「道の駅 日和佐」の車中泊に関する情報です。
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~ここから本編が始まります。~
室戸半島の徳島県側にある「道の駅 日和佐」は、お遍路さんをもてなす「お接待」の精神が息づく、居心地のいい道の駅
道の駅 日和佐 DATA
道の駅 日和佐
〒779-2305
徳島県海部郡美波町奥河内字寺前493-6
☎0884-77-2121
9時~17時30分
無休
「道の駅 日和佐」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第20回
登録日/2004年8月9日
「道の駅 日和佐」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2011.05.05
2018.05.12
2024.11.22
※「道の駅 日和佐」での現地調査は2024年11月が最新です。
道の駅 日和佐

「道の駅 日和佐」のロケーション
「道の駅 日和佐(ひわさ)」は、「紀伊水道」に面した「鳴門」から「室戸岬」に至る、約145キロの海岸線のほぼ中間地点に位置している。
その間にはまだほとんど高速道路はできておらず、ノンストップで走っても3時間半はかかるので、ドライブなら休憩するのにちょうどいい。
だが、クルマ旅の場合はどうだろう。
「道の駅 日和佐」のすぐ近くには、「四国八十八箇所」の二十三番札所にあたる「薬王寺」があるので、マイカーで「四国遍路」をしている人の中には、ここで車中泊をする人が多いのは頷ける。
だが観光目的の場合は、計画的に「道の駅 日和佐」を車中泊地に組み入れるのは難しいと思う。
ケースとしては、東からなら「淡路島」と「鳴門」を観て、翌日の目的地にしている「室戸岬」に向かう途中に「旅の宿」として利用するか、西から反対周りで「高知市内」と「室戸岬」を観光した後、翌日に「鳴門」に向かう途中の「旅の宿」に利用するといったところだろうか。
確かに現役世代の京阪神に住む車中泊旅行者が、3連休で「淡路島・室戸半島」を周る場合はフィットするだろう。
しかし筆者なら、『よほど「室戸岬」に行きたい理由』がないかぎり、こんなマニアックなルートは選択しない(笑)。
そもそも京阪神から3日程度のスケジュールで、「高知県」に足を踏み入れるのは無謀な話。それは、以下の記事をご覧いただければよく分かる。
つまり「道の駅 日和佐」は、本腰入れて四国を周れる人にお勧めの車中泊スポットと云えるだろう。
ちなみに周辺に目を向けると、
「日和佐」には風光明媚な「大浜海岸」があり、ウミガメの産卵地でもあることから、例年7月中旬に「日和佐うみがめまつり」を開催している。
また海岸の入口には「日和佐うみがめ博物館カレッタ」があり、屋外の水槽で泳ぐウミガメを観察できるようだ。
というのは、筆者が取材に訪れた2024年11月は、全面改修のため休館中だった。
行く前に調べた時には、2024年6月リニューアルオープンと書かれていたのだが、知らないうちに2025年夏頃(予定)まで延長されていた(笑)。
おそらく人手不足が原因なんだろう。
ちなみにウミガメの産卵時期は5月から8月で、卵は深夜に産み落とされる。
だが「日和佐」でのウミガメの産卵実績は、2024年はわずか6回、2023年にいたってはゼロという、もはや”風前の灯”に近い数で、実際に野生の姿を目にすることは限りなく不可能に近い。
この写真は、筆者が和歌山県で撮影したものだが、4度足を運んで撮れたのは2回。しかもほとんど徹夜だった。
ちなみに、ウメガメは産卵する時に涙を流すと云われているが、それは本当だ。
実際に立ち会えれば感動するが、今は「日和佐」のみならず、どこの産卵地でも見学が規制され、撮影は年々難しくなっている。
ただ不可能というわけではないので、野生のウミガメに興味があるなら、以下の記事を参考にしていただくといい。
あとロケーションで書き加えるとしたら、「日和佐」の周辺には道の駅がやたらと集まっており、手っ取り早くスタンプを集めたい人には、”おいしいエリア”だ(笑)。
だがその理由は、道路利用者の休憩施設の充実というより、地域の文化交流と過疎化対策にありそうだ。
筆者は「道の駅めぐり」を自らのクルマ旅のコンテンツにはしておらず、取材で足を運んだことがあっても、原則として『クルマ旅の宿としての適性を持つ道の駅』しか紹介していない。
「道の駅 日和佐」の施設
こちらが「道の駅 日和佐」のレイアウト。
駐車場は全体的にフラットで車中泊に支障はないが、左側の広いスペースは24時間トイレから離れているためちょっと不便。
車中泊に適しているのは、24時間トイレと屋根付きの休憩スペースに近い、ひとつ上の写真の右側になる。
これが24時間トイレの入口。
中はウォシュレットに改修されている。
ユニークなのは、この個室のようになった屋根付きのテーブル&ベンチ。
お遍路さんを想定してのものだろうが、普通車で車中泊をする人にもありがたい設備だと思う。
レイアウトの24時間トイレの横にある、いや正しくは”あった”足湯。
2020年度に閉鎖して以降、2024年11月時点でも休止したまま、再開については宙に浮いているようだ。
ただ道の駅の中の”一等地”にあるだけに、そろそろリニューアルして再利用をすべき時では… 民間企業では有り得ない機会ロスが、4年間も続いている。
木の温もりが伝わってくる、足湯の隣りにある産直館の店内。
これもお遍路さん絡みだと思うが、弁当・惣菜類の品揃えの多さにはビックリ。
でも筆者は迷わずこっちをゲット。
だって、屋根に換気扇がついてるキャンカーだも~ん(笑)。
最後は「JR日和佐駅」の隣にある物産館だが、ここには観光案内所が外にある。
また中の休憩室に、可燃物用のゴミ箱も置かれていた。
さて。
徳島の特産物と云えば柑橘。やっぱりとどめはこれでしょう。
ただ知らないうちに、「スーパーすだち酎」なるものができていた。
よく見てみると、『ウォッカベースの最高級すだち酎』とのことだが、ウォッカなのにチューハイってあり?
実は「チューハイ」とは、スピリッツを炭酸で割って果汁などを加えた飲み物のことで、明確な定義はなく、また基本的なレシピも存在しないことから、自由度の高いお酒として広く親しまれているんだって。
いい歳なのに知らんかった(笑)。
総括として…
足湯は別として、さすがに開業から20年経つだけに、施設に古めかしさは感じるものの、どれも手入れが行き届き、活気が宿っている。
居心地の良さを感じるのは、近くに「四国八十八箇所」の二十三番札所「薬王寺」があることで、お遍路さんをもてなす「お接待」という風習がしっかり根付いているからなのだろう。
また温泉・コンビニ・スーパーマーケットに加え、徒歩圏内にdocomoショップがあるというのもありがたい。
歳を取ると、ちょっとしたことで携帯電話が云うことをきかなくなる(笑)。
「道の駅 日和佐」の車中泊好適度
「道の駅 日和佐」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:館内にあり営業中に利用可。
缶・ビン・ペットボトル:自動販売機横に設置。

近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。 しかしそれを道の駅で食べると、残った容器はゴミになる。

ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、 道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。 すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。

明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。

「道の駅 日和佐」の最寄りの温泉&周辺の買い物施設
薬王寺温泉 湯元 醫王の湯
道の駅から約250メートル・徒歩5分
☎0884-77-1126
おとな650円
13時~21時
火曜定休
コンビニ
ファミリーマートが国道55号を挟んだ向かいにある。
スーパーマーケット
「フレッシュフーズオオキタ 日和佐店」まで約400メートル