車中泊で「大鳴門橋」から四国を旅する際のコースガイドを、経験豊かな車中泊旅行家が紹介しています。
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この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。

~ここから本編が始まります。~
ポイントは、淡路島の扱いと室戸岬。

最初に通る淡路島は、行く価値ありの観光スポット

出典:淡路島観光協会
1985年6月に「淡路島」と「四国」を結ぶ「大鳴門橋」が開通して以来、「鳴門」は近畿から「四国」を訪れる人の、『東の玄関口』になっていることは、今や誰もが周知の話だ。
だが「淡路島」の扱いは、同じ車中泊の旅人でも、京阪神在住者とそれ以外の人では、たぶん大きく違ってくる。
筆者は大阪在住だが、「淡路島」を「三宮(神戸)」や「須磨」、あるいは「明石」と抱き合わせることはあっても、
「鳴門」とセットで周るというのは、アタマに浮かばない。
それには「鳴門海峡」で生じる「うずしお」が、どちらからでも見られることが、大きな理由になっている。
そのため、あとわずか2キロほどで四国に着けるとは云え、なかなかそこまで足を運ぶ人はいない。
つまり我々には、県境と同じく、旅でも「鳴門海峡」が”境界”になっている。
京阪神の旅人にとって、「明石海峡大橋」だけを渡れば済む「淡路島」は、週末1泊2日で出かけるには最適で、筆者も車中泊デビューにお勧めの地として紹介している。
いっぽう近畿圏外から、このルートで四国に向かう人は、おそらく「淡路島」を『四国観光のひとつの要素』として捉えていると思う。
それは近畿在住の自分たちが、関東方面に旅に行く場合を想定すればよくわかる。
首都圏在住者から見れば、「富士山」と「伊豆半島」はセットにならないと思うが、そうそう行く機会のない我々からすれば、両者はふたつでひとつの感覚だ。
もっと云えば「箱根」まで含めて、「富士・箱根・伊豆」でも構わない(笑)。
それをこのルートに置き換えると、旅の境界は「鳴門海峡」ではなく、「明石海峡」になるのは当然だろう。
つまり『車中泊旅行者目線』に立った結論は、どうせ通るのだから「淡路島」に立ち寄っていくほうがいいということ。
そもそも西海岸の開発が進む近年の「淡路島」は、関東・東海方面から訪れる人にとっても興味深いリゾート地で、「明石海峡大橋」を渡ってそのまま島内を高速道路で突っ切ってしまう人は少ないはずだ。
その「淡路島」の見どころと車中泊事情は、以下の記事にしっかりまとめてあるので、ぜひ参考にしてみていただきたい。
鳴門市&徳島市内の見どころと車中泊事情
さて。
このルートでは「鳴門」が”扇の要”になる。
「鳴門」からは、瀬戸内海沿いに「高松自動車道」、内陸部を西に横断するように「徳島自動車道」、そして全線開通まではまだまだ時間がかかりそうな、「徳島南部自動車道」の3本の高速道路が伸びており、「大鳴門橋」からそのまま四国の主だった旅先に進むことができる。
だがそれは、「鳴門」に旅行者が立ち寄らない理由のひとつにもなっている。
スケジュールに余裕を持てない現役世代は、「淡路島」を1日観光したら、日程からして「鳴門」を素通りし、「室戸岬」や「讃岐」方面まで足を伸ばしてしまう公算が高いわけだ。
もちろん「鳴門」にも、「うずしお」以外の観るべきものはある。
だが一般的には、「さぬきうどん」で有名な「高松」、黒潮洗う「高知」、そして「道後温泉」のある「松山」などに比べれば、インパクトは弱い。
しかも、そこそこお金はかかるし、見どころひとつひとつに時間を要するため、余裕を持って出かけないと、もったいないことになるだけだ。
そう考えると、「鳴門」は四国を初めて訪れる車中泊の旅人より、リピーターに合う町だと思う。
ただ、それはそれでいい。「最後の楽しみ」は残しておくものだ(笑)。
なお、お金と時間がかかる「鳴門」の見どころは、以下の記事でご覧いただける。
四国一周をするなら、最初に室戸岬へ
ここからは四国めぐりのルート紹介になるが、マップを見ればお分かりの通り、「瀬戸大橋」や「しまなみ海道」から「室戸岬」に行くのは、かなり面倒だ。
なので「行くつもり」の人は、できれば最初に「室戸岬」を制覇するほうがいい。
それに”四国の酷道”の洗礼を受けてからだと、もう腰が上がらなくなるかも(笑)。
さらに可能であれば、その足で「土佐清水」まで高知県の外洋沿いを一気に旅してしまえば、後はずいぶん楽になる。
ただその前に
室戸岬は行く価値ありか?
という疑問が湧く。
その答えも含めて、「室戸半島」の見どころと車中泊事情を詳しくまとめているのがこの記事だ。
結論だけ云うと、「四国一周」「日本一周」のためには避けては通れないのと、「弘法大師」こと「空海」に興味があるなら、ここは「高野山」と同じくらいマストと云える場所だろう。
筆者は行って良かったと思っている。
播磨灘沿岸ルートの見どころ
続いてこちらも、「四国一周」「日本一周」には欠かせないルートになる。
四国は「鳴門」から「瀬戸大橋」のある坂出を超えて、「しまなみ海道」に至るまで、ずっと瀬戸内海に面している。
ただ当サイトでは、”四国一周”をガイドしやすくするため、「瀬戸大橋」を境に「鳴門」までの東の区間を「播磨灘沿岸」、そして「坂出」から「松山」までの西の区間を「瀬戸内海沿岸」と切り分けている。
「播磨灘沿岸ルート」では、時間を有効に使いたい人は「津田東インター」まで「高松自動車道」を走り、そこから国道で「屋島」と「高松城・栗林公園」を観て、「瀬戸内海沿岸ルート」に進むといい。
四国横断ルートの見どころ
最後は、「四国横断」とも呼べる「徳島自動車道」と「松山自動車道」を走るルートになるが、このルートは京阪神から高知・松山方面に向かう最短ルートになるため、現役世代は両者に向かう際の”移動経路”と割り切るほうがいいと思う。
ただ秘境で知られる「大歩危・小歩危」と「祖谷渓」に行くには、「瀬戸大橋」からより、「徳島自動車道」でアプローチするほうが車中泊事情はいい。
「徳島自動車道」に並行して走る国道沿いには道の駅が点在しているが、立ち寄るなら重要伝統的建造物群保存地区に指定された「脇町うだつの町並み」がある「道の駅 藍ランドうだつ」がお勧めだ。
また車中泊には、日帰り温泉を併設している「吉野川ハイウェイオアシス」がもっとも適しているだろう。
いっぽう「松山自動車道」の区間では、別子銅山跡に作られた「道の駅 マイントピア別子」がおもしろい。
あとは松山まで勧めば、四国ではダントツの規模を誇る「道後温泉」が待っている。
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