「瀬戸大橋」から四国を旅する際のモデル車中泊コースガイドを、経験豊かな「車中泊旅行家」が紹介しています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド

この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。

~ここから本編が始まります。~
瀬戸大橋からは、西に進むのがベストルート
香川県は”道の駅を除けば”、四国でいちばんクルマ旅がしやすい県

せっかくなら、倉敷・鷲羽山と与島PAに寄り道を
高架部を含めて約13キロに及ぶ「瀬戸大橋」は、天候にさえ恵まれれば、他では味わうことのできない爽快な海上ドライブが楽しめる。
だがそういう日は慌てて四国に渡るより、岡山県側の「鷲羽山展望台」や橋の途中にある「与島PA」に立ち寄り、「瀬戸大橋」の美しい姿を眺めてみるのも悪くない。
もし時間に余裕があるなら、前夜に家を出て高速道路のSAかPAで前泊車中泊をし、朝一番から「倉敷」の町を散策しよう。
そうすればETC割引も得られるし、その日も夕陽と朝日が見られる「瀬戸大橋」上の「与島PA」で、車中泊ができるタイムスケジュールが組みやすくなる。
「倉敷」は、江戸時代の「物流都市」、明治時代の「工業都市」、そして昭和後期から現在にいたる「観光都市」の3つの「地層」を持つ、他に例を見ない町だ。
こちらのサイトを見てから行くと、たぶん認識が変わると思う。
いっぽう、「瀬戸大橋」には幾つか展望スポットがあるが、筆者のイチオシは岡山県側の「鷲羽山展望台」だ。
高台にあるため遠くまで見渡せ、「瀬戸大橋」の長さを実感できる。
そのうえここは車中泊も可能で、前泊地としても利用できる。
さて。
「瀬戸大橋」は瀬戸内海を跨いで岡山県倉敷市と香川県坂出市を結ぶ10の橋の総称で、着工から9年6ヶ月を経て1988年4月に開通している。
建設のきっかけは、修学旅行の小学生など死者168名を出した1955年の国鉄連絡船・紫雲丸の転覆事故にある。
事故から3年後にはトンネル建設計画が持ち上がったが、最終的には橋となった。
その「瀬戸大橋」の途中にあるのが「与島PA」で、間近に迫る「瀬戸大橋」のスケールを見て、これを実現させた人々の苦労に思いを馳せ、改めて日本の建築技術の高さに感動を覚えることだろう。
香川県は”道の駅を除けば”、四国でいちばんクルマ旅がしやすい県
「瀬戸大橋」を本州からのメインゲートと考えた場合、香川県の見どころはその東側(徳島寄り)と、西側(愛媛寄り)に分けられるが、香川県は見どころがこの2つのエリアに集中しており、移動にあまり時間を費やさずに済む。
たとえば、「瀬戸大橋」を渡った初日に「高松」と「屋島」周辺を観て、翌日「琴平」と「三豊」周辺を周れば、「小豆島」抜きなら、週末2泊2日(金曜日の夜に出発して近くで前泊)、また加えたとしても3連休で主要な観光地を見て周れる。
その意味では、近畿及び中国地方在住の車中泊旅行者にとって、香川県は”道の駅を除けば”、いちばんクルマ旅がしやすい四国の県と云えるだろう。
なお、
”道の駅を除けば”という理由は、後ほどこちらで確認を(笑)。
合わせて体験したい、「讃岐うどんの食べ方比べ」
600軒とも800軒あるとも云われる香川県内の「さぬきうどん店」のうち、旅人が実際に行けるのは「氷山の一角」にすぎないのは明白だ。
ゆえに、ただ闇雲に「美味しいと評判の店」を選んで食べ歩いたところで、その本質に迫ることはできないし、たぶんたいした意味も持たないだろう。
だが、たった4軒まわるだけで「さぬきうどん通」になれる方法がある(笑)。
東に進むのなら、いっそ四国一周を
「瀬戸大橋」を渡って「高松」方面に進んだ場合、「屋島」を過ぎると見どころは、もう「鳴門」しかなくなる。
週末旅なら、そこから「淡路島」に入って本州に戻る方法もあるだろう。
ただ、それでは通行料が安くはない「瀬戸大橋」「大鳴門橋」「明石海峡大橋」の3本の橋を渡ってまで四国へ行った、”もと”が取れた気はしないと思う(笑)。
そう考えると残る選択肢は、前述したように「屋島」まで観たら、来た道を引き返して「琴平」方面を目指すか、「鳴門」から南下して「室戸岬」を周るか…
それならいっそ、「四国一周」にトライしてみてはどうだろう。
西周りは松山、高知に通じる「四国車中泊クルマ旅の王道」

出典:うどん県旅ネット
これはちょっと四国をかじった人なら、『筆者に云われなくてもそうするよ』という話だが(笑)、「瀬戸大橋」から四国にアクセスする醍醐味は「西周り」にある。
それを”王道”と筆者が呼ぶ第一の理由は、『最初にワクワク感のあるエリアが待っている』からだ。
そこから先は2手に分かれる。
まずそのまま西に進めば、「道後温泉」がある「松山」まで高速道路で行くことができるのだが、どうせなら少し大回りして「しまなみ海道」を「大島」まで走ってみることをお勧めしたい。
もうひとつは、「川之江ジャンクション」から「高知自動車道」に進み、高知市を目指すコースだ。
時間があるなら、「豊浜」から国道で「大歩危・小歩危」を目指し、さらに秘境の「祖谷渓」を訪ねる選択肢もある。
いっぽう高知市といえば、「坂本龍馬」のふるさとだ。
高知に行けば、今なお「龍馬」が「空海」と並ぶ、四国が生んだスーパースターであることがよくわかるはずだ(笑)。
さらにここで旅支度を整え直せば、西に進路をとれば「土佐清水」、東に進路を向けるなら「室戸岬」と、視界はさらに広がっていく…
これで筆者が、『瀬戸大橋西周りルート』を「王道」と呼ぶ理由がご理解いただけたと思う。
初めて行く、四国車中泊の旅、
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