日本史と大河ドラマ好きの旅行家がまとめた、高知市内に残る坂本龍馬&龍馬伝ゆかりの地を訪ねる旅の秘訣です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊歴史旅行ガイド

この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づきまとめた、『一度は訪ねてみたい日本の歴史舞台』をクルマで旅するためのガイドです。

~ここから本編が始まります。~
高知市内に残る「坂本龍馬ゆかりの地」を理解するには、大河ドラマ「龍馬伝」の助けが不可欠。
「高知市」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2009.05.01
2010.07.09
2012.11.25
2015.12.28
2018.05.12
2020.06.21
2024.11.23
「高知市」での現地調査は2024年11月が最新です。
高知市内に残る坂本龍馬&龍馬伝ゆかりの地

プロローグ 「龍馬」を紐解く3つのカテゴリー
冒頭のパンフレットに記された通り、高知市は「坂本龍馬」の”ふるさと”だ。
著名人でなくても、”ふるさと”には生家や家族との絆が残る場所があり、また幼い頃の知人・友人がいる。
さらに「龍馬」ほど有名になれば、没後にその功績を顕彰する施設や石碑・銅像が建てられる…
つまり『高知市内に残る坂本龍馬ゆかりの地』は、整理すると3つのカテゴリーに分けられる。
1.生家や家族との絆が残る場所
2.幼い頃の知人・友人ゆかりの地
3.没後にその功績を顕彰する施設や石碑・銅像
ただ下の記事を見ればわかるが、「坂本龍馬」は”躍動”する前の27歳までしか高知にいなかったため、人生トータルで見ると、高知には『研究者以外に行く価値ありと呼べそうなゆかりの地』は、実のところほんのわずかしかない。
そもそも「ゆかりの地」とは”地点”であって、そこで起きたことが”ゆかり”だ。
その”ゆかり”を理解するには、背景となる「龍馬」が生まれた時代の「土佐藩」がどのような世界だったのかを知り、
さらにそれをめぐるというのは、「ゆかりの地」と「ゆかりの地」の間にある”隙間”を、『想像で埋めて「線」にしていく作業』が必要になる。
ゆえに正直なところ、いくら有名人でも、『高知市内に残る坂本龍馬ゆかりの地』をめぐるのは、万人にとっての「観光コンテンツ」にはならないと思う。
ただし、2010年に放送されたNHKの大河ドラマ「龍馬伝」を見ていた人は例外だ。
なぜなら「龍馬伝」は、我々の代わりに、比べ物にならないほどの知識を持つ人々が、その”隙間”を脚色を交えて、うまい具合に埋め合わせてくれているからだ(笑)。
「龍馬伝」ゆかりの地は”必要悪”
当時の「土佐藩」には、「関ヶ原の合戦」にルーツを持つ「上士・下士」という厳格な身分制度があり、「龍馬」は「下士」ではあるものの、多少は身分の高い「郷士」の家柄だった「坂本家」に生まれた。
最終的には、この身分制度が要因で引き起こされる様々な出来事に嫌気がさし、「龍馬」は28歳の時に土佐を捨ててしまう。
しかし「龍馬」には、亡くなる直前まで「土佐藩」の陰影が付いてまわった。
「龍馬伝」では、「高知城」で土佐藩の藩政を勤める「後藤象二郎」とともに「山内容堂」公に謁見し、幕府に「大政奉還」を促す建白書の献上を嘆願するシーンが描かれていた。
しかし実際は、身分の低い「龍馬」が「高知城」に登城することなど許されるはずがなかったという。
ただ史実でなくても、そう描くことで「高知城」は「龍馬伝ゆかりの地」となり、旅人はそのシーンを思い浮かべて”現場”に足を運ぶ。
学者でもない我々は、それでいいと思う。
いや、そのほうが楽しい(笑)。
生家や家族との絆が残る場所
さて。ここから本論になるが、
当サイトを見ないまま、高知市内の「坂本龍馬」ゆかりの地をめぐった人の99.9%は、最初にこの「坂本龍馬誕生地」に足を運んでいると思う(笑)。
だが、そこには石碑がひとつあるだけで、暗殺された京都の「近江屋跡」と同じくらい「拍子抜け」するはずだ。
「史跡なんてそんなもの」といえばそれまでだが、「旅」というのはそこに、「なるほど~!」みたいな「デイスカヴァ」が伴わないとおもしろくない。
実は数年前まで、それが味わえる「坂本龍馬誕生地」が、「高知駅」の中にあった。
実はこれは、2010年に放送されたNHK大河ドラマ「龍馬伝」で、実際に使われていた、『坂本龍馬が生まれ育った家』のロケセットだ。
「幕末志士社中」と名付けられたこのセットは、「龍馬伝」の放送終了後から2022年まで、高知駅の「とさてらす」にあり、無料開放されていたのだが、今はもう撤去されて見ることができない。
ロケのセットだけあって、小物まで忠実に再現されており、「龍馬伝」を見ていた人は、きっと満足していたと思う。
ちなみに…
NHKがロケセットを他者に譲ることは稀と云われており、当時高知県は「ドッヒャ~!」というほど、札束を積んだんじゃないかと噂され、あとでわかったが、その額はどうやら7500万円だったらしい。
しかしそれが議会で通るというのも、観光大国・高知県らしい話だ(笑)。
解体された「龍馬の生家」が、その後どうなったのかは知らないが、識者が時代考証までして創り上げた”作品”だけに、本当は次に紹介する「龍馬の生まれたまち記念館」に移設できれば、理想的だと思うのだが…
「龍馬の生まれたまち記念館」
その「龍馬の生まれたまち記念館」は、「坂本龍馬」が生まれ育った高知市の上町にある歴史文化体験施設で、「龍馬」本人だけでなく、幼い頃の町の様子や、家族あるいは、ゆかりの深い人物にもスポットを当てて紹介している点が特徴だ。
この施設の素晴らしい点は、「まち歩きガイド(土佐っ歩)」と呼ばれる、館内と「龍馬」ゆかりの史跡めぐりがワンセットになったプログラムがあることで、テーマ別に全部で10のコースが用意されている。
もちろんさっきの、「坂本龍馬誕生地」にも連れて行ってもらえる(笑)。
幼い頃の知人・友人ゆかりの地
正直なところ、このカテゴリーは「坂本龍馬ゆかりの地をめぐる旅」からすると、本流ではないと思う。
たとえば、「龍馬伝」ではすぐ近所に住んでいるみたいに思えた「岩崎弥太郎」の生家は、なんと50キロ近く離れた高知県の安芸市にあるし、「中岡慎太郎」の生家も同じ安芸郡にある。
ノープランの「ぶらり旅」なら、「ほんじゃ~、そこまで行ってみよう」でいいかもしれないが、明確なテーマを持って旅をする人間は、行き先選びに「時間とコストと体力」の効率を求めざるを得ない。
ということで、このカテゴリーでは「龍馬伝」を見ていた人が思い出せそうな人物を選び、まとめて紹介している。
なお、ここには1のカテゴリーに含まれる「坂本家のお墓」も含まれている。
ただし「龍馬」は、亡くなった京都の「霊山護国神社」に眠っている。
没後に建てられた「龍馬」の功績を顕彰する施設や銅像
”ふるさと”と”ゆかり”に厳格にこだわらなければ、『高知市内に残る坂本龍馬ゆかりの地』のメインスポットはここになる。
とりわけ「県立坂本龍馬記念館」は素晴らしいので、「龍馬」が好きな人は、しっかり時間を用意してお出かけいただきたい。
なお「桂浜」では、車中泊も可能だ。
最後に「桂浜」に行くなら「やはり秋がお勧め」という、”龍馬ならでは”の話を加えておこう。
その理由は次の記事に記している。
車中泊で辿る、坂本龍馬ゆかりの地
高知市内編
梼原編
全国編
高知タウン 車中泊旅行ガイド
車中泊で旅する高知県
車中泊でクルマ旅 総合案内
クルマ旅を愉しむための車中泊入門

この記事がよく読まれています。




