四国を車中泊で旅する人に向けた、”四国ならでは”といえるクルマ旅の楽しみ方を、経験豊かな「車中泊旅行家」が紹介します。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド

この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。

~ここから本編が始まります。~
”昔から変わっていない”価値を再発見する。

本来の日本は、昨日まで良かったものは、明日になっても変わらない。
古来より日本では、「自然」と同じく人間社会の「なりわい」も、世代を越えた多くの人たちが、その地で長く暮らすことによって培われてきた。
だが現代の都会人は、「いかに少ない人手で、短期間に高い成果を生むか」を競い合ううちに、いつしか時間をかけて価値を育むより、新たな価値を感じるものごとに目先を変え、その時その時を生きることを「良し」とするようになった。
だが日本でも、「橋」や「海底トンネル」の向こうでは、都会が捨てた「手間暇のかかる生業」が相変わらず営まれている。
そこでは今なお、『昨日まで良かったものは、明日になっても変わらない』。
聞き慣れた「文化」や「風習」「伝統」というのは、実は受け継がれてきた価値観の集大成で、多くの都会の現代人は、無意識のうちにそれに憧れを抱いている。
しかし、いざそれを体験しに行こうと思っても、自分ではなかなか旅を組み立てられないのが現実だ。
さぬきうどんの”王道・食べ方比べ”
その筆頭に挙がるのは、「さぬきうどん」だと思う。
そこで”うどん県”こと「香川県」が誇る、四国どころか日本のスーパー・ソウルフードと呼べる「さぬきうどん」の”食べ比べ”を紹介したい。
まず、香川県には500件以上のうどん店があるというが、2024年12月時点での正確な数はわからない。
しかしうどん店が日本一多いことは確かなようで、その話を「信号の数より多い」と比喩する人がいるのも、実際に現地に行けばわかるような気がする(笑)。
そんな讃岐にぶらっと出かけて、「おいしいうどん店はどこかな?」なんてスマホで簡単に調べようとするから、こういうことになる(笑)。
そもそも、1日にうどんが食べられるのは3杯ほど。3/500軒しか食べてないのに「食べ歩き」したというのは、さすがにおこがましくてSNSにも投稿できまい。
つまり「食べ歩き」は、現地在住者か筋金入りのリピーターがやることだ。
しかし「食べ比べ」なら、旅行者でもできなくはない。
ただ「どっちの店のうどんが美味しいか」を比べるには、基本的に同じメニューを食べる必要があるわけで、それをはるばる讃岐まで来てするのは、ちょっともったいない話だろう。
しかし筆者は、誰もが納得する讃岐うどんの『食べ比べ方』を知っている。
「いで湯と城と文学のまち」探訪
「道後温泉」は「日本書紀」にも登場するわが国最古級の温泉で、「白浜」「有馬」と並ぶ「日本三古湯」と呼ばれている。
その「道後温泉」のランドマークが、皇室御用達の部屋があり、ジブリが「千と千尋の神隠し」制作のために訪れた「道後温泉本館」だ。
2019年1月から始まったその保存修理工事は、2024年7月に完了し、現在は以前と同じように営業をしている。
古くからの歴史を守りつつ、温泉情緒と車中泊での居心地の両方を兼ね備えた「道後温泉」は、紛れもなく四国随一の温泉地といえるだろう。
さて。
「いで湯と城と文学のまち」とは、こちらの「現存十二天守」のひとつで「日本100名城」にも名を連ねる、「伊予松山城」の城下町として反映してきた「松山市」のキャッチフレーズだ。
司馬遼太郎の名作「坂の上の雲」は、そんな松山で生まれた俳人「正岡子規」と、日露戦争を陸と海から勝利に導いた「秋山兄弟」を描いた壮大な歴史小説だ。
四万十川の沈下橋めぐり
「沈下橋」とは、河川行政用語でいう「潜水橋」が公式名称で、文字通り川の増水時に水没することからそう呼ばれる。
橋脚が低く、欄干がなく、橋長も短い「沈下橋」は、高知県の内陸部を滔々と流れる、”日本最後の清流”「四万十川」の代名詞的な存在だ。
実際に渡ってみるのもスリリングだが、自然に溶け込んだその風景を遠目から見て周るのも、”四国ならでは”と呼べる旅のコンテンツ。
しかもクルマがなければ不可能だ。
ただ「四万十川」に60余りの沈下橋が設けられ、それが今もなお残る理由を知れば、興味はいっそう増すはずだ。
「坂本龍馬」ゆかりの地めぐり
最後は、高知が生んだスーパースターとして、今なお県民に限らず日本全国で絶大なる人気を誇り続ける「坂本龍馬」に関する話をしよう。
「坂本龍馬」のゆかりの地は日本全国に点在するが、生誕の地である高知市は、そのスタート地点とも云えるだけに外すわけにはいかないだろう。
特に「桂浜」にある「県立坂本龍馬博物館」は、今後「長崎」や「京都」に行く機会があるなら、訪れておいて良かったと思う日がきっとくる。
ちなみに筆者は、長崎・京都はもちろん、霧島から下田に至る「坂本龍馬」の主なゆかりの地には、既に足を運び、その旅行ガイドも制作済みだ。
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