25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、「道の駅 多々羅しまなみ公園」の車中泊に関する情報です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
道の駅での車中泊に不安を感じる方は、こちらをご覧になってみてください。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
「道の駅 多々羅しまなみ公園」は、しまなみ海道の尾道に近い「大三島」にある風光明媚な道の駅。
道の駅 多々羅しまなみ公園 DATA
道の駅 多々羅しまなみ公園
〒794-1402
愛媛県今治市上浦町大字井口9180-2
☎0897-87-3866
営業時間
9時~17時
休館日
年中無休(ただし12/1~3/15の期間は毎週木曜定休)
「道の駅 多々羅しまなみ公園」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第15回
登録日/1999年8月27日
「道の駅 多々羅しまなみ公園」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2007年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2007.11.12
2010.07.07
2011.01.23
2022.04.27
2025.04.19
※「道の駅 多々羅しまなみ公園」での現地調査は2025年4月が最新です。
道の駅多々羅しまなみ公園【目次】
「道の駅 多々羅しまなみ公園」のロケーション

出典:広島ニュース
「道の駅 多々羅しまなみ公園」がある「大三島」は、「しまなみ海道」で繋がる6つの島の中でもっとも大きく、愛媛県の最北に位置している。
「しまなみ海道」がサイクリング客の誘致に力を注いだことにより、今では「大三島」に「サイクリストの聖地」のモニュメントが立つほどの人気となったため、ネット上には「大三島」に関連する記事が多く目立っている。
「サイクリスト」の中には、自転車をマイカーに積んで車中泊をする人も多く、そういう人にとってこの記事は有効だと思う。
しかし、瀬戸内湾岸の名所をめぐりたいという”すべての車中泊の旅人”に、「大三島がわざわざ立ち寄るだけの価値がある島かどうか?」は別問題だ。
2026年3月31日まで、サイクリングフリー期間で無料となっている自転車と違い、クルマは高速料金が発生するため、「しまなみ海道」で”各島停車”をしていたら、コストも時間もかかるばかり。
ゆえに筆者は、自転車に乗らない車中泊の旅人には、「しまなみ海道」を見下ろす2つの展望台がある「大島」を勧めている。
そして「大島」」でも車中泊は可能だ。

限りある予算は、似たようなコンテンツの島々に費やすより、「尾道」や「鞆の浦」の駐車場代に回すほうが、間違いなくいいと思う(笑)。
そもそも、
道の駅に固執しない車中泊の旅人は、「大三島」にある道の駅のことよりも、まずはその島にはどんな観光名所があるのかを最初に知りたいはずだ。
その意味からすると、「大三島」の有名な観光スポットの筆頭は、日本建国の神と伝わる大山積大神(おおやまづみのおおかみ)を祀る「大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)」になる。
とはいえ、日本歴代の武将・武人が戦勝を祈るために参拝した神社に、そういうニーズに迫られてもいない人が、わざわざ参拝に行く必要があるとは思えない(笑)。
また「大山祇神社」の前には、かつて”しまなみ丼”と呼ばれた海鮮丼が380円と驚くほど安かった、「大漁」という「食べログ」常連の食事処が、今でもあるにはある。
ただ、当時の”しまなみ丼”は器が小さく、女性や中高年向きで、20~30代の男子なら2杯食べてちょうどくらいの量だった。
こちらは10年以上前の2012年に、テレビ朝日の報道番組をコーディネイトした際の写真だが、ディレクターの手を見ればその大きさがよくわかると思う。
「大漁」は女将さんと大将の人柄もよく、その当時は何度かマスコミにも紹介をしたことがあり、下のような事態を招くことに一役買ってしまったが、冷静に店の外から傍観してみれば、「ワンコインの海鮮丼にそこまで並ばなくても…」と思わないでもない(笑)。
この写真は、2025年4月の土曜日に撮影してきたものだが、以前の「大漁」は、夜も営業していて、居酒屋になる時間帯が楽しかったのだが、現在はウィークデイのランチタイムにしか店を開けていない。
”しまなみ丼”は480円になったあと、販売終了になったようだが、現在でも980円から海鮮丼が食べられるとのことで、未だに「食べログ」には投稿が寄せられ、長蛇の列は健在のようだが、往時を知るリピーターは違う店のように感じると思う。
「道の駅 多々羅しまなみ公園」の施設

出典:道の駅 多々羅しまなみ公園
さて。前置きが長くなったが、
まず公式サイトに”収容数300台”と書かれている「道の駅 多々羅しまなみ公園」の駐車場は、大きく3ヶ所に分かれている。
そのうち、もっとも大きな「第2駐車場」は、道の駅の施設とは国道317号を挟んだ場所にあり、トイレにも遠く車中泊には適していない。
こちらが「第1駐車場」。
マップでは「第1駐車場」になっているものの、駅舎から離れており、現地に行くとこちらが「第2駐車場」のように感じる。
それもあって、駅舎の真正面にある「第2駐車場」で車中泊をする人が多いようだ。
路面はどちらもフラットで、車中泊に支障はない。
24時間トイレは、「第1駐車場」と「第2駐車場」の間にある。
ただウォシュレットは用意されていない(2022年時点)。
今はほとんどの道の駅に完備されているため、ないだけで著しく古さを感じる。
加えて「道の駅 多々羅しまなみ公園」には、可燃物のゴミ箱も用意されておらず、ダブルで旅人の心証を悪くしている。
ネット全盛、SNS全盛の現代において、それがこのようなカタチで拡散されていくことを思えば、損失は計り知れない…
と、筆者が書いたからかどうかまでは分からないが、
トイレは2023年10月に、念願のウォシュレットに改修された(笑)。
24時間トイレの左は、レンタサイクルの店舗になっている。
前述したように、現在の「しまなみ海道」は世界でも有名な「サイクリストの聖地」で、インバウンドの姿も多い。
そりゃ、ウエアも売れる!(笑)。
また観光バスが来るだけあって、特産品売り場の品揃えは充実している。
ただ、どこの道の駅でも見かける弁当や惣菜類は見当たらず、土産物が大半だ。
代わりに、「ふれあい屋台市」で地元で採れた新鮮な野菜や果物を販売しており、12月から3月にかけては、瀬戸内らしく様々な柑橘類が手に入る。
またテイクアウトには、ユニークなソウルフードが用意されていた。
そんな中で筆者の目を引いたのは、水槽の中を泳ぐ「マハタ」だ。
マハタに限らずクエを含むハタ科マハタ属は、漁獲量が少なく市場にほとんど流通しない魚だが、グルメと釣りをする人間は、その旨さをよく知っている。
「道の駅 多々羅しまなみ公園」のレストランでは、そのマハタを使った料理が食べられる。ただし営業時間は16時まで。
最新のメニューは、こちらで確認を。
「道の駅 多々羅しまなみ公園」の車中泊好適度
「道の駅 多々羅しまなみ公園」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:自動販売機の横に設置
営業時間中には、ご覧の大きなゴミ箱がテイクアウト店の前に置かれるが、これは明らかに使用済のお皿やお箸を捨てるためのもので、さすがにその他の燃えるゴミは捨てづらい(笑)。
なお、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。 しかしそれを道の駅で食べると、残った容器はゴミになる。

ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、 道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。 すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。

明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。

「道の駅多々羅しまなみ公園」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
多々羅しまなみドーム・三島の湯
☎0897-87-2114
おとな420円
10時~21時
火曜 定休
コンビニ
ファミリーマートまで約650メートル。
スーパーマーケット
約2.4キロのところに「Aコープ かみうら」がある。
「道の駅多々羅しまなみ公園」のアクセスマップ
「道の駅 しまなみの駅御島」と「藤公園」の車中泊好適度
最後に。
この記事は「大三島」の紹介も兼ねているので、もうひとつの「道の駅 しまなみの駅御島」と、その道向かいにある無料の「大三島藤公園」の車中泊好適度についても、簡単にふれておこう。
まず「大山祇神社」のすぐ近くにある「道の駅 しまなみの駅御島」は、島の内陸部にあるため景色は望めないが、隣にスーパーがあって利便性は悪くない。
路面は平坦で、ウォシュレット付きのトイレとコインシャワー(1回200円・9時~16時まで)を備えていることから、車中泊の好適度からすれば「道の駅 多々羅しまなみ公園」を上回ると云ってもいいくらいだ。
ここにも小さいながら、情報休憩室が用意されている。
店内には、さすがは柑橘王国「愛媛」と思える特産品が多く目立っていた。
とりわけオレンジジュースの品揃えは見事。青森各地の道の駅で売っているリンゴジュースとともに、一度は飲んでみる価値ありだと思う。
さらに「道の駅 しまなみの駅御島」の向かいにある、「大三島藤公園」前の市営無料駐車場でも車中泊は可能だ。
左に見えている建物が公衆トイレ。
さすがにウォシュレットまではついていないが、洋式できれいに管理されている。
5月になると藤棚にいっせいに花が開くのだろうが、この日はまだ咲き始めだった。
とはいえ、ここは「道の駅 しまなみの駅御島」の第二駐車場といった感じで、満車時やどうしても静かなところで眠りたい人向けの場所だと思う。
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