25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、「道の駅 大坂城残石記念公園」の車中泊に関する情報です。
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~ここから本編が始まります。~
「道の駅 大坂城残石記念公園」は、日本の石造建築を支えた日本遺産「石の島」の中核施設
道の駅 大坂城残石記念公園 DATA
道の駅 大坂城残石記念公園
公式サイトなし
〒761-4144
香川県小豆郡土庄町小海甲909-1
☎0879-65-2865
9時~17時
年末年始 休館
※資料館の入館無料
「道の駅 大坂城残石記念公園」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第15回
登録日/1999年8月27日
「道の駅 大坂城残石記念公園」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2014.11.24
2020.06.23
「道の駅 大坂城残石記念公園」での現地調査は2018年6月が最新で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2025年1月に作成しています。
道の駅 大坂城残石記念公園

「道の駅 大坂城残石記念公園」のロケーション

出典:小豆島観光協会
「道の駅 大坂城残石記念公園」は、「寒霞渓」や「エンジェルロード」「二十四の瞳映画村」など、小豆島の主だった観光スポットから離れた、小豆島北部のほぼ中央に位置している。
小豆島の北部は南部に比べると賑わいがなく、本来は道の駅ができるようなロケーションとは思えないのだが、あえてここに作られた理由は、
「小豆島」にではなく、今から400年近く前の「大阪」にあった。
この写真は「残念石」と呼ばれる、この地に残された40個の”石垣のもと”。
1615年に「大阪夏の陣」で豊臣家が滅ぶとともに焼け落ちた大坂城を、江戸幕府が『上方に睨みを利かすための「徳川大阪城」』として再建するため、その石垣用に近隣の「石丁場(いしちょうば)」から切り出されて港まで運ばれ、船に積み込まれる予定だったものだ。
近世城郭の石垣は、日本が世界に誇る石造建造物で、その”技術的頂点”とされているのが、この「徳川大阪城」の石垣だという。
現在残る大阪城の天守を除く城郭は、徳川幕府が西国・北国の大名63藩64家を大動員して、1620年に再建を開始し、10年の歳月をかけて完成させたものだ。
そのため、大名たちは競うように巨大な石を運び込み、最高・最多量といわれる壮大な石垣を築き上げたが、それにはちょっとしたワケがある。
「秀吉」嫌いで知られる江戸幕府二代将軍「徳川秀忠」は、「徳川大阪城」の天下普請に着手する際に、城造りの名手として名高い「藤堂高虎」を普請総奉行に据え、『石垣を「豊臣大坂城」の2倍に、堀の深さも2倍にせよ』と命じた。
その命に「藤堂高虎」が見事に応えて完成させたのが、この高さ約32メートルを誇る日本一の高石垣だ。
「徳川大阪城」の石垣は、廃城になった「伏見城」をはじめ、加茂(京都府)や六甲(兵庫県)からも運ばれたが、良質の花崗岩の産地であった瀬戸内海の島々からも多くの石が切りだされ、船で大坂まで運ばれている。
香川県は1971年(昭和46年)に、土庄町小海の北浦港に残されていた石材の産出を行った場所を、「大坂城石垣石切とび越丁場跡および小海残石群」として県の史跡に指定した。
さらに1999年には、その西隣に石切りの文化を伝える展示施設を整備し、県指定史跡と一体化した「大坂城残石記念公園」を、みなとオアシスと道の駅にダブルで登録している。
そして2019年(令和元年)に、「大坂城残石記念公園」は日本遺産「石の島」の構成文化財としても認定を受けている。
ただ、これだけ国に背中を押してもらいながら、未だに公式サイトすらないというのは、そっちのほうがよほど”残念”というか、いい加減にしろって話だ(笑)。
「道の駅 大坂城残石記念公園」の施設
このような経緯を持つだけに、「道の駅 大坂城残石記念公園」は道路休憩施設というより、史跡ミュージアムとしての色彩が圧倒的に濃い。
館内には、「小豆島」における石丁場と残石などに関わる写真や古文書と、当時の石の運搬に使われた道具類や石工が使う用具類の展示とともに、その輸送方法も再現されている。
ただ施設以上に、その展示方法の”時代遅れ”感が甚だしく、さすがにリニューアルすべき時が来ていると云うほかない。
コンテンツ的には、ジオラマやVRといった現代のミュージアムの主流の見せ方をすれば、十分耐えられるものはあると思うし、日本遺産に登録した以上、このままというわけにもいかないだろう。
最後に。
「道の駅 大坂城残石記念公園」の駐車場は、データでは収容台数は17台から18台となっており、道の駅という前に公園としてもキャパは小さい。
ただ路面はフラットで、24時間トイレにはウォシュレットが完備している。
さらに前には、可燃物のゴミ箱も置かれているので、車中泊に支障はない。
ただ売店は小さく、飲食も軽食のみだ。
そのため、ロケーション・設備のいずれから見ても「旅の宿」に向いているとは云えず、他に道の駅がないなら話は別だが、南側にはもっと利便性のいい道の駅がある。
「道の駅 大坂城残石記念公園」の車中泊好適度
「道の駅 大坂城残石記念公園」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:あり
缶・ビン・ペットボトル:自動販売機の横に設置
なお、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
しかしそれを道の駅で食べると、残った容器はゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 大坂城残石記念公園」の温泉&周辺の買い物施設
オリビアン小豆島夕陽ヶ丘ホテル
道の駅から約5.4キロ・10分
☎0879-65-2311
おとな1000円
15時~20時(最終受付)
不定休
※事前に入浴可能か電話確認要
少し遠くなるが、リーズナブルなのは
吉田温泉ふれあいの湯
道の駅から約14キロ・20分
☎0879-61-7007
おとな400円
15時~20時(受付最終19時30分)
火曜 定休
コンビニ
セブンイレブンまで約9キロ
スーパーマーケット
「マルヨシセンター 土庄店」まで約9.3キロ