25年のキャリアを誇る車中泊旅行家が、2021年春に出かけた「東北桜前線追っかけ旅」の足跡を旅行記にまとめています。
なおこの記事は、2025年5月に一部情報をアップデートしてお届けしています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行記

この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、これまでの中で特に印象に残った旅の足跡をまとめた旅行記です。

~ここから本編が始まります。~
会津で「忘れもの」を回収して、喜多方へ。
車中泊旅行記「2021年・東北桜前線追っかけ旅」/第3話 福島編
この記事は2025年5月に、一部情報をアップデートしてお届けしています。
会津の「忘れもの」
いよいよここから、本題の「東北桜追っかけ旅」の始まりになるのだが、会津については2012年に鶴ヶ城の桜を撮影している。
ただ、その時に撮り逃してしまった桜があったため、今回の旅ではそれを撮りに立ち寄ることにした。
大河ドラマを見ている人はよくご存知だと思うが、2013年に放送された「八重の桜」は、幕末から明治にかけての会津と京都を舞台にした話で、綾瀬はるかが主役の山本八重(新島八重)を演じている。
実は筆者は、2008年の創刊号から2022年12月号まで連載してきた「車中泊専門誌カーネル」の旅行特集で、発売時にドンピシャ!のシーズン記事をご覧いただくために、1年前取材をしてきた。
これは創刊号以来続けていたコンセプトだが、他誌はハイリスクだと云ってそれをやらない。
だが3月発売の本に4月の特集を掲載するには、そうするしかないわけで、1年前というのは「賞味期限切れ」ではなく「最新情報」になる。
業界では非常識かもしれないが、”読者ファースト”に立つなら、筆者はそれが当たり前だと思うし、正論だからこそ継続され、今回の取材も2022年3月発売号に掲載されている。
さて。
「八重の桜」の放送を翌年に控えた2012年、実はそのイントロ映像に使われる桜の木が、この「三春の滝桜」だという情報を耳にし、撮影に出向いていた。
しかしドラマが始まると、それが別の桜の木であることが判明する。
確かに会津の話にしては、三春はちょっと遠すぎると思った…
そんなわけで、改めてリベンジに正しい桜を撮りにきたというわけだ。
ドラマに登場したのは、飯盛山の近くに咲く「石部桜」。ただ枝ぶりは「三春の滝桜」のほうがだいぶいい。
今年は開花が早く、会津はもう間に合わないだろうと半ばあきらめていたのだが、ダメ元で行ってみるとまさに今が満開。
神様はちゃんと筆者の姿勢を見てくれているようだ(笑)。
会津に立ち寄ったのには、もうひとつ理由がある。
それはこの「まちの駅 飯盛山」に隣接する無料の「市営観光駐車場」が、今でも車中泊が可能かどうかを確かめることだった。
ここにはウォシュレットのついたトイレがあり、車中泊ができるのなら、近くに道の駅がない会津観光の助け舟になるところだったが、今は17時で閉鎖される。
10年も経てば、事情も変わるか(笑)。
ただ現在は、10キロほど離れたところにいい道の駅ができており、昨年の北海道取材の帰りに、わざわざそこを取材している。
会津に関心のある方には、ぜひあわせてご覧いただきたい。
この季節の車中泊にお勧めなのは、「道の駅 喜多の郷」
翌日の朝から、山形県の米沢を抜けて天童温泉を目指したい筆者は、会津で目的を果たした後、早々に喜多方へと向かった。
本来の喜多方は、白壁土蔵をリノベーションしたノスタルジックな町だが、この時期だけは「道の駅 喜多の郷」が混雑し、下手をすると満車で入れない可能性があった。
温泉が併設する「道の駅 喜多の郷」は、お花見ができる絶好の車中泊スポットでもあるのだ。日本には1000を超える道の駅があるが、なかなかこういう写真が撮れるところはない。
なお「道の駅 喜多の郷」についても、既に詳細記事ができているので、あわせて掲載しておこう。
一時期は温泉が枯れて沸かし湯になっていたが、現在は新たな源泉を採掘し、温泉が復活している。
さて。喜多方まで来て、ラーメンを食べずには立ち去れない(笑)。
本当は筆者も高く評価している「はせ川」に行きたかったのだが、朝ラーをしていないため、10年ぶりに「一平」の暖簾をくぐった。
「一平」のラーメンは基本に忠実で、特に麺がモチモチしていてうまい。
ただしスープは少し塩味が強く、坂内食堂に近い感じがした。チャーシューは断然こっちがいいけどね。
ちなみに喜多方ラーメンについても、帰宅後別記事に詳しくまとめている。
最後に、「一平」では思わぬラッキーに遭遇できた。
愚かにも、筆者は今日がマスターズの最終日ということをすっかり忘れていたのだが、ちょうど店に入ったところで松山は17番をプレーしており、そのまま優勝シーンを見届けることができた。
もう生きているうちにはないことかも知れないだけに、それを旅先でLIVEで見られたのは本当にラッキーで嬉しかった。
「ありがとう」(笑)。
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車中泊で行く、”東北桜前線追っかけ”旅行記 2021

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