車中泊旅行記「2014年春・岩手の名所をめぐる旅」/第3話 岩手後編

岩手 車中泊旅行記

25年のキャリアを誇る車中泊旅行家が、2014年春に出かけた「岩手の名所をめぐる旅」の足跡を旅行記にまとめています。

なおこの記事は、2025年5月に一部情報をアップデートしてお届けしています

「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行記



この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、これまでの中で特に印象に残った旅の足跡をまとめた旅行記です。

たびの空から~エッセイ&忘備録~
クルマ旅専門家・稲垣朝則が、車中泊の取材旅で書き残した忘備録と、旅でのエピソードを綴ったエッセイを収録しています。


~ここから本編が始まります。~

奇跡の一本松から「あまちゃん」まで、三陸海岸を北上。

遠野の次は三陸海岸方面に向かった。

被害の大きかった南三陸一帯は、ようやく瓦礫の撤去を終え、復興に向けた建設の動きが加速しているように見える。

特に大津波の記録を残すために保存が決まった「奇跡の一本松」周辺は、復興のランドマークとして年々姿を変えつつあるようで、年内中にはその手前に巨大なイオンモールが完成するという。おそらく1年後には、本当にここは被災地だったのか? というような場所になっているのだろう。

だが、隣の釜石にはまだ瓦礫の山が残り、仮設住宅もたくさんある。こういう状況をみると、復興税が他の都道府県で使われたということに、やりきれない思いが込み上げてくる。第三者でさえそうなのだから、当事者の気持ちは想像するに余りある。

さて。クルマで旅をすれば、必然的に飲食店、ガソリンスタンド、入浴施設、スーパーマーケット、観光施設などに広く浅くお金が落ちる。つまり図らずとも、我々が「東北を旅する」ことは被災者への支援に通じている。

かつて「ロハス」というライフスタイルが話題になったが、その背景には「継続的に無理なく」という思想が込められている。

今で云えば「サスティナブル」になるのだろうが、いずれにしてもこの支援方法はそれと同じで、より多くの人が、できればツアーではなく、個人旅行で被災地を旅してほしいものだ。

しかしそのためには、少なくとも東北自動車道の高速料金だけは大幅な値下げが必要だろう。今の料金では、関東在住の人もフェリーで北海道に渡ってしまうことになる。

さて。

こちらは、幸運にも美しい姿のまま震災を乗り越えた浄土ヶ浜。

もちろん、北山崎も健在だ。

そして最後は、昨年大ブレークしたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台となった久慈の町へ。

写真は主人公の天野アキが自転車で海に飛び込んだ「あの堤防」。もちろん「北限の海女」たちがいる小袖海岸にある。

久慈でもっとも印象に残ったのは、被災した地下水族館を駅前の空き店舗に仮設で蘇らせた、「もぐらんぴあまちなか水族館」だった。

クニマスを見つけた「さかなくん」が、その再生に尽力しており、展示には手作りでもここまでできるというアイデアがたくさん見られる。

ただし、この仮設水族館が見られるのは今年限り… 今年度中には元の場所に新しく作られることが確定している。もっとも、それはそれで楽しみだ。

つい先日から全線開業となった三陸鉄道。

夏ばっぱのモデルといわれるクニエさんがいる「三陸リアス亭」で人気のウニ弁当を買って、久慈駅から田野畑駅まで往復約2時間半の電車旅を楽しんできた。

こちらは、アキちゃんも食べたという本物の「まめぶ汁」。

「東北を旅するという支え方」を、筆者も大いに実践中だが、さすがにこれはちと高いように感じた(笑)。

次なる行き先は、いまだ雪がたっぷりと残る「八幡平アスピーテライン」。

この時期のアスピーテラインは、あの立山黒部アルペンルートでも体験できない、雪の回廊をマイカーでドライブできる一級品の「秘境」なのだ。

まさか東北滞在中に冬季封鎖が解除されようとは思わなかった。超ラッキー!

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