25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、鳥取県の関金に残る旧国鉄倉吉線廃線跡の散策とアクセス及び車中泊に関する情報です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。

~ここから本編が始まります。~
竹林の中に残る「日本一美しい廃線跡」は、倉吉エリアに蘇った”一筋の光”とも呼べる観光コンテンツ。

旧国鉄倉吉線廃線跡(せきがね廃線跡)
せきがね廃線跡 観光案内所
〒682-0403
鳥取県倉吉市関金町泰久寺77-1
☎080-7500-0245(営業日のみ)
金土日祝日10時~16時30分
※12時~13時は昼食休憩
無料駐車場あり
鳥取県中部エリアの筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2026.04.18
※「旧国鉄倉吉線廃線跡(せきがね廃線跡or竹林の廃線跡)」での現地調査は2026年4月が最新です。
旧国鉄倉吉線廃線跡(せきがね廃線跡)

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旧国鉄倉吉線廃線跡の概要とロケーション

この、まるで京都の西の外れを走る「嵐電(京福電気鉄道 嵐山本線・北野線)」の線路かと見間違えるような景観は、岡山県との県境に近い、鳥取県倉吉市の関金町にある、旧国鉄倉吉線「泰久寺駅」のそばに残る廃線跡だ。
「旧国鉄倉吉線廃線跡」または「せきがね廃線跡」、あるいは「竹林の廃線跡」「日本一美しい廃線跡」など、幾つもの呼び名があるが、どれも同じ場所を指している。

出典:産経ニュース
「旧国鉄倉吉線」は1985年(昭和60年)3月31日に廃線となったが、当初はこの廃線跡を訪れる人は、ほとんどいなかった。
だが、1990年代後半から2000年代初頭に「廃線探訪」ブームが始まり、2010年代には廃線マニアの間で、『全国屈指のスポット』として有名になる。
観光案内所や駐車場が整備されたのはそれからで、今はSNSによる拡散で、鉄道ファンや写真愛好家など、幅広い層の人々から知られる場所になっている。

出典:NHK
またそれにつれてマスコミへの露出も多くなり、最近では2026年4月26日に放送された、NHKの「小さな旅」という番組で取り上げられるなど、今後ますます、その認知は広がっていきそうだ。
さて。

当サイトに来られた方が最初に知りたいのは、「竹林の廃線跡」へのアクセスだと思うが、ここが「竹林の廃線跡」の入口にあたる「泰久寺駅跡」で、写真の突き当りがかつてのプラットホームだ。

「泰久寺駅跡」から、”竹林の終点”「山守トンネル」までは約400メートル。

その間が「竹林の廃線跡」になる。
ちなみに「山守トンネル」は、普段は通行できないが、「倉吉観光MICE協会」が年に6.7回主催するトレッキングツアーに参加すれば中を歩くことができるそうだ。
廃線跡はフラットだが、歩きやすくはないのでスニーカーがお勧め。

それに筆者が訪れた日は、こういう奴が脇から出てきたりもしたので、素足にサンダルは避けたほうが賢明だろう。
小さくてもこいつはマムシなので、噛まれると足がパンパンに腫れて、皮下出血や水疱(水ぶくれ)を引き起こされるので、救急車で病院送りになるのは確実だ。
廃線跡とは云え、ここは自然のフィールドであることをお忘れなく。
駐車場について
無名の頃は、おそらくさきほどの「泰久寺駅跡」にクルマを停めることができたのだろうが、2026年4月現在は車両の乗り入れが禁止されており、周辺にも利用できる駐車場・駐車スペースは見当たらない。

代わりに、約1キロ離れた「せきがね廃線跡観光案内所」の前に、25台分の無料駐車場が用意されている。
見学者はここにクルマを停め、「泰久寺駅跡」まで線路跡と農道を歩いて往復するか、「せきがね廃線跡観光案内所」で自転車を借りて行く。
長年の経緯からこういう状況に落ちついているので、強引に路上駐車をしたりする人が現れると、『いよいよ廃線へのアクセスそのものが禁止になる』可能性もあるので、無茶な振る舞いは今後訪れる人のためにも絶対に控えよう。
いずれ現地には、英語と中国語の注意書きも必要になるだろう。
ちなみに歩く場合は、
「せきがね廃線跡観光案内所」→「泰久寺駅跡」まで約1キロ
「泰久寺駅跡」→「竹林の廃線跡の終点」まで約400メートル
この合わせて1.4キロを往復するので、トータルでは3キロほどの散策になる。

なお「倉吉」の「白壁土蔵群」から、「せきがね廃線跡観光案内所」までは、約14キロ・クルマで20分ほど。
道はいいので、マイカー旅行者はさほど苦労することなくアクセスできる。
せきがね廃線跡観光案内所

普通の観光案内所とは違い、文字通り「せきがね廃線跡」専門の案内所。
現地の細かな最新情報と「泰久寺駅跡」までのルートマップがもらえるので、最初に立ち寄るといい。

中はアットホームな雰囲気で、SLが走っていた「旧国鉄倉吉線」の写真のほかに、駅の時刻表や当時の職員の制服などが展示されており、わずかだがオリジナルのグッズも販売している。
筆者は「テッチャン」ではないので、説明を受けてもあまり値打ちが分からず申し訳なかったが、とにかく”手作り感満載”で、鉄道好きにはたまらないかもしれない。
それもあって、実質的には所長の「金光氏」がひとりで切り盛りしている感じだ。
そのため営業は週末と祝日のみで、ランチタイムも一旦鍵を閉めている。
旧国鉄倉吉線廃線跡 観光案内所
〒682-0403
鳥取県倉吉市関金町泰久寺77-1
☎080-7500-0245(営業日のみ)
金土日祝日10時~16時30分
※12時~13時は昼食休憩
※12月~2月は冬季休業
なお隣には食事処もある。
旧国鉄倉吉線

マップを見れば一目瞭然だが、「倉吉」には岡山方面を結ぶ鉄道が今でもない。
だが過去にはコツコツと路線を開拓し、通学の高校生を筆頭に、沿線住民の生活路線としての立場を築いていた時代があった。
その甲斐あって、昭和49年には中国山地を越えて岡山県の「中国勝山駅」まで、「倉吉線」を延伸する計画が作られるまでに至っている。
しかし一方で、既存の「倉吉線」は各駅での停車時間が長く、クルマなら通常10分程度で行ける区間の所要時間が約30分もかかり、「マラソンランナーよりも遅い」と酷評されてもいた。
そのため、廃線か延伸かの”二者一択”状態になっていたのだが、過疎化による人口減少とクルマ社会の進展で利用客が減り、昭和56年に「国鉄再建法」に基づく「第一次特定地方交通線」に指定されたことで、全区間の廃止が確定。
昭和60年3月末をもって、その73年間の歴史を閉じている。
ある意味では、それで区切りがついているのだが、

そのいっぽうで、現地に行けば誰にでも分かることだが、現在の「倉吉」には、江戸時代に鳥取藩の商都として栄えた往時の面影は『ないに等しい』。
「白壁土蔵群」は聞こえはいいが、実態はまさにこの「廃線」と同じ”当時の名残”に過ぎず、ともに『ノスタルジックな日本の原風景』と云えなくもない。
その意味からすれば、「倉吉」の”奥座敷”である「三朝温泉」もまた同じ。
どうせなら3つを『ノスタルジックな日本の原風景』というテーマで結びつけることで、新たな観光地になる目もでてきた。
実際にそれを、車中泊の旅用にガイド化しているのがこの記事だ。
ただ、それ以上にワクワクするのは、
時間の経過により、新たな価値観が芽生えた「倉吉エリア」を、「国鉄倉吉線」をリボーンさせて、リアルで結びつけてみてはどうかという話。
昭和には採算を合わす手法がなかったかもしれないが、今は観光を主体にしつつ、日常使いもできる交通機関として、「せきがね廃線跡」「倉吉」「三朝温泉」を結ぶ、内陸の公共交通機関を実現できる可能性はあると思う。

いずれにしても、
ここは、ただのオシャレな廃線跡で終わらせるには、もったいない”素材”だ。
うまくやれば、「蒜山高原」の運命まで変えてしまうかもしれない。
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