25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、日曜劇場の大ヒットドラマ「VIVANT」ゆかりの地となった、島根県・奥出雲にある「櫻井家住宅」に関する情報です。
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この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。

~ここから本編が始まります。~
「ノゴーン・ベキ」の実家として使われた「櫻井家住宅」は、国の重要文化財に指定されている歴史的建造物

櫻井家住宅 DATA
櫻井家住宅(可部屋集成館)
〒699-1621
仁多郡奥出雲町上阿井1655
☎0854-56-0800
おとな1000円
9時~16時30分(受付最終16時)
※3月下旬~12月上旬
月曜 定休
駐車場有り 約50台・無料
筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2026.08.10
※「櫻井家住宅(可部屋集成館)」での現地調査は2026年8月が最新です。
櫻井家住宅 目次

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まずはドラマ「VIVANT」を簡単に。

出典:TVer
今さら書くまでもないと思いつつも、超簡単に紹介しておくと(笑)、
2023年7月16日から9月17日まで、TBS系「日曜劇場」で放送された「VIVANT(ヴィヴァン)」は、「堺雅人」主演・「福澤克雄」演出によるサスペンス・アクションドラマだ。
自衛隊の秘密情報部隊「別班(べっぱん)」に所属する、主人公「乃木憂助」を中心に、世界を舞台にした壮大な諜報戦や、敵か味方か分からない緻密な人間模様が描かれ、毎回放送後に視聴者による”考察”がSNSに大量投稿されるなど、社会現象となるほどの大ヒット作となった。
それを受けて、2026年7月26日から同枠で続編が放送されている。
ちなみに以下の公式ダイジェスト動画では、第1シーズンの流れを20分で簡単に見ることができる。
これは、本当によくできてるね!(笑)。
櫻井家住宅が「VIVANT」のロケ地になった背景

さて。
「VIVANT」を見て感じたのは、
なんで「乃木憂助」の父「ノゴーン・ベキ」の生まれ故郷が、東京から遠く離れた島根の奥出雲という設定なんだ?
ご承知の方も多い思うが、「VIVANT」は総指揮を執る「福澤克雄」監督のオリジナル・ストーリーで、極端に云えば、それはもっと撮影の便がいい茨城や福島の農村地域でも差し障りがなかったように思える…
確かに「VIVANT」は、巧妙に仕掛けられた物語上の”からくり”がおもしろいのだが、島根をよく知る筆者は、このことにも同じくらいの”謎”を感じた。
しかも奥出雲は、物語を紐解く鍵となる場所として、続編の第2シーズンにも登場している。

そこで、ある推理をもってメインのロケ地となった「櫻井家住宅」に足を運んだ。
そして、そこで筆者が見たものは、かつて「櫻井家住宅」でロケが行われた、”別の作品”のスナップ写真だった。

「櫻井家住宅」は、2004年に同じTBS系の日曜劇場枠で放送された、「中居正広」主演のドラマ『砂の器』のロケ地にも使われており、「福澤克雄」監督はその演出を担っていた。
監督はこのロケがきっかけで島根が気に入り、『世界に向けて発信する神秘的な映像』に、この地の自然や歴史的建造物が必要不可欠だったと後述されているのだが、やはり彼は「VIVANT」の制作以前にこの地のことを知っていたわけだ。
でなければ、いくらテレビ関係者とはいえ、普通は奥出雲がアタマに浮かぶことはないと思った!(笑)。
さらに驚いたことに、同氏は2014年から島根県のPR大使である「遣島使」も務めており、とりわけ300年以上続く本物の歴史的建造物である「櫻井家住宅」の映像が、視聴者の心を打つとも語っている。
なお「VIVANT」には奥出雲町の重要文化財だけでなく、出雲市の「出雲大社」や、松江市の「本庄小学校」「島根県庁前」なども登場している。
ちなみに「福澤克雄」監督は、あの「福沢諭吉」の玄孫(孫の孫)で、もちろん「慶應義塾大学」卒。
学者さんの家系だけに、感性が「ばけばけ」で一躍有名になった「小泉八雲」と似ているのかもしれない。
櫻井家住宅とは

「櫻井家」は、出雲地方に古来から伝わる「たたら製鉄」を営む、松江藩の鉄師頭取を勤めた名家で、居宅は国の重要文化財に指定されている。
「たたら製鉄」は、日本刀の原料である最高級の「玉鋼(たまはがね)」を抽出できることで知られており、刀は「VIVANT」の中では『日本にしか語れない物語・歴史』の深みを、ストーリーに盛り込む重要なキーアイテムとして用いられている。
ベキが日本刀を使う理由もそこにあるわけだが、最初からドラマに日本刀が使いたかったというよりは、奥出雲の伝統的工芸品が日本刀だったから使ったというほうが、真実に近いのかもしれない。

ちなみに「可部屋」というのは「櫻井家」の屋号で、敷地には伝来の武具・調度品・美術工芸品・たたら製鉄に関する古文書など、約4500点を収蔵・展示している「可部屋集成館」があり、今でも観光ガイドにはそちらのほうが詳しく紹介されることが多いようだ。

ロケに使われた「櫻井家住宅」で観光客が見られるのは、ここまで。

ここは「井上順」から「阿部寛」が日本刀を見せられるシーンで使われていた。
本来の「櫻井家住宅」の見どころは、この建物の奥にある「庭園」だ。

松江に和菓子を定着させた茶人としても有名で、「不昧(ふまい)公」の名で親しまれている、松江藩7代藩主「松平治郷( はるさと)」を迎えるために、1803年に造られた日本庭園には、落差15メートルの滝があり、「不昧公」自らが「岩浪」と命名したと伝えられている。
ちなみに滝は造り物ではなく天然で、本物の滝があるところに作庭したという。
最後は、「VIVANT」の主役を務める「堺雅人」に関連するトリビアをご紹介。

「櫻井家」は戦国の武将「塙団右衛門(ばんだんえもん)」の末裔家で、「大坂夏の陣」で始祖討死の後は、母方の姓「櫻井」を名乗り、広島市郊外の「可部郷」で事業を始め、1644年の3代「直重」の時に、この地で製鉄業を始めたとされている。
NHKの大河ドラマを見ている人なら、これでピン!ときたと思うのだが、「堺雅人」と「大坂夏の陣」といえば「真田丸」だ。

出典:NHK
実は「堺雅人」は、このドラマで「小手伸也 」が演じる「塙団右衛門」と共演を果たしているが、このことを知ったのは「VIVANT」のロケでここを訪れた時だったようだ。
歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」シリーズにも、鉄砲の扱いに長けた豪傑として登場する「塙団右衛門」は、「戦国屈指の個性派武将」として語り継がれてきた人物で、当初は「加藤嘉明」に仕え、朝鮮出兵で大きな武功を挙げた。
しかし1600年の「関ヶ原の戦い」で主君の命令に背いて激怒され出奔。
その後1614年に、豊臣方の浪人衆として大坂城に入城し、本町橋で徳川方に夜襲を仕掛け大成功を収めている。
この際に、自らの手柄をアピールするために「夜討ちの大将は塙団右衛門直之なり」と書いた木札を敵陣にばら撒いたエピソードは有名で、それが「真田丸」でも取り上げられていた。
櫻井家住宅のロケーションと車中泊事情

さて。
「櫻井家住宅」は、無料の松江自動車道の「雲南吉田インター」から約20キロ・30分ほどのところにある。
「出雲大社」から約57キロ・1時間20分、また「松江城」からも約55キロ・1時間20分のところにあるので、旅人にとっての理想は、両者を観光する際の”間”に足を運ぶことだ。

「櫻井家住宅(可部屋集成館)」にしか行かないのであれば、半日あれば済むと思うので、どちらかに加えればいいのだが、日程に余裕があるのなら、近くの「菅谷たたら(高殿)」と「鉄の歴史博物館」と合わせて観光されるほうがいいと思う。
こちらは、ジブリ映画の「もののけ姫」をご存知の方には特にお勧めだ。
なお車中泊には、「道の駅 たたらば壱番地」が最寄りで設備もよく整っている。
また翌日朝早くから行動したい人には、「出雲」にも「松江」にも動きやすく、日帰り温泉と買い物施設が近くにある「道の駅 湯の川」が便利だ。
櫻井家住宅のアクセスマップ
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