この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、原稿作成のためのメモ代わりに書き残してきた「忘備録」を、後日リライトしたものです。
NHK大河ドラマ「平清盛」連動。清盛の長女が眠る大原の「寂光院」
この週末は、いよいよ本格的に色づいてきた京都の紅葉を取材にでかけた。といっても土曜日はほぼ終日雨だったため、出発は夜の8時過ぎ。信州は遠いが京都は実に近い(笑)。
日帰りでも良いのだが、朝一番りを目指して桂川PAで車中泊した。中国四国方面から京都に来るなら、このPAが一番便利。PAとはいえ、フードコートがあり、ガソリンスタンドがないことを除けばSAと大差はない。
京都市内は、ますますパーク&ライドの規制が強化されつつあるようで、東福寺のように大きな駐車場を持つ寺院でさえ、この時期はマイカー禁止になっている。
さて、今回の旅先は大原。
もちろん車中コースガイド西日本編の取材である。近畿以外にお住まいの人にとって、やはり京都は魅力のある旅先、紅葉時期となればなおさらだろう。
不自由度が増した京都だけに、「車中泊で周る京都の旅」はますます価値の高い情報になるはずだ。
そう思い、実は3シーズンかけて筆者なりの紅葉周遊プランを練って取材を進めてきた。それを2013年発売の書籍で紹介することにしたのだが、その中で唯一紅葉のシーンが欠けていたお寺が、写真の寂光院だった。
寂光院は建礼門院が晩年を過ごされたお寺で、まさにこれからクライマックスを迎える大河ドラマ「平清盛」との縁も深い。
建礼門院とは、中宮徳子すなわち平清盛の長女で、清盛の孫にあたる安徳天皇の母君にあたる。
壇ノ浦の合戦に敗れ、安徳天皇とともに入水自殺を試みるが、徳子は源氏に救出され、大原の地で平家一門と幼き安徳天皇の冥福を祈りながら過ごした。
京都には他にも平家物語ゆかりのお寺が幾つかあるので、合わせて紹介しておくと、昨日の放映にも登場してきた3人の白拍子が眠るお寺が嵯峨野にある。
祇王寺は小さなお寺だが、3人の切ない物語を知って訪ねると感慨ひとしおとなるに違いない。ドラマでは次回にその顛末を語る時間は無さそうに思うので、興味があれば物語をぜひ自分で調べてみよう。
祇王寺で検索すれば、いとも簡単に解るはずだ。
こちらは神木くん扮する牛若丸が、若き日に修行を重ねた鞍馬寺。
京都は嵐山、東山、祇園といった地域割りでガイドされることが多いが、本当に面白いのは、時代割りで見たい場所を辿ることだと筆者は思う。
今日は平家物語の例を挙げたが、他には「幕末」という時代で割ってみると、蛤御門の変があった京都御所、龍馬が愛した伏見の寺田屋、同じく龍馬が眠る霊山護国神社、そして大政奉還が決まった二条城など、全く異なる寺社仏閣にスポットがあたる。