この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、日本全国で1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、「車中泊ならではの歴史旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

幸村の名前のルーツは、「真田丸」にあり。
大阪城は「真田丸」抜きには語れない。【目次】
エピローグ
大阪に残る「真田丸ゆかりの地」をたどる車中泊コースガイド
「真田丸」とは?
現代における一般的な「真田丸」は、2016年に放送されたNHK大河ドラマ第55作のことかもしれない(笑)。
大河ドラマ「真田丸」
後の世に「ひのもといちの兵(もののふ)」と称される真田信繁(幸村)が、軍略に長けた父・昌幸と、石橋を叩いて渡る秀才の兄・信之とともに、戦国時代の乱世を生き延びる人生を描いた物語。
ハイライトは「大坂の陣」で、戦国時代最後にして最強の砦と呼ばれる「真田丸」を築き、徳川家康をあと一歩というところまで追い詰めるこのシーンだろう。
いずれにしても…
脚本・三谷幸喜、出演:堺雅人・大泉洋・高畑淳子・内野聖陽ほか… とくれば、ドラマがおもしろくないわけがない(笑)。
歴史家に云わせると、龍馬伝以来、大河は「歴史ホームドラマ」と化したそうだが、筆者もその意見に賛成だ(笑)。
なお真田信繁については、こちらに詳しくまとめているので、興味があればご覧いただきたい。
ちなみに「幸村」という名前は、本人の死後60年近く経た頃から使われ始めたといわれている。
戦のない泰平の世になると、真田信繁の知略に満ちた勇猛な戦いぶりが、軍記物、講談、小説、寓話などに描かれるようになるが、作家たちは幕府からのお咎めを恐れ、その中に登場するヒーローを、実名ではなく「幸村」と記したことが、どうやらその理由らしい。
ということで、ここでは史実に基づく「信繁」で記載を統一している。
さて。
大河ドラマ「真田丸」にも登場する本当の「真田丸」とは、関ヶ原の戦いの後に徳川家康が、満を持して大坂城を攻め落としに来た際に、真田信繁が築いた大坂城の出丸のこと。
※出丸
本城から張り出して設けた曲輪(くるわ)
それが功を奏して、徳川軍は大きな痛手を負うわけだが、その話は後回しにして、まずは「なぜ真田信繁が窮地を迎えた大坂城の救世主になるべく現れたのか?」という話から始めよう。
真田信繁(幸村)と豊臣秀吉の関係
そもそも真田信繁が大坂城に来ることになったきっかけは、1585年に父の真田昌幸が秀吉に服属することを決めたことにあり、信繁は上杉景勝から豊臣秀吉の人質として大坂城に留め置かれることになった。
信繁が秀吉の信頼を大きく得るきっかけとなったのは、1590年の小田原攻めだ。
ドラマ「真田丸」では、史実では黒田官兵衛が果たした重要な功績が、あたかも信繁の手柄のように描かれていたが、それはさすがに疑わしい(笑)。
しかし小田原での働きが認められたのは確かなようで、1594年には豊臣姓を授かる特別扱いを受けている。
もっとも…
「淀君」との面識があるほどではなく、「真田丸」ではそのあたりも「脚色」されているようだ。
真田幸村の大坂の陣への参戦
歴史ファンならよくご存知の「犬伏の別れ」で、父・昌幸と信繁が西軍、そして兄の信之が東軍に分かれて戦った「関ヶ原の戦い」の結果、敗れた西軍の昌幸親子は高野山に幽閉され、昌幸は高野山の麓の「九度山」から開放されることなく、静かに生涯を終えた。
だが信繁は「大坂の陣」が迫ると、「九度山」を脱出して大坂城へ舞い戻る。
その最大の理由は、秀吉の恩に報いるというより、家康憎しの一念からだったのかもしれない。
真田信繁が築いた「真田丸」
徳川軍を苦しめた「真田丸」は2つあったとされている。
最初の大阪冬の陣に使われた「真田丸」は、つい最近まで場所が確定されていなかったが、大河ドラマ「真田丸の放送前に、NHKが威信をかけてその謎を解明している。
もうひとつは茶臼山で、先の「大坂冬の陣」の際に、敵方の徳川家康が本陣を構えた場所だ。
それを再利用して、まさかの「第2真田丸」に仕立てる、奇想天外で斬新な発想こそが、真田信繁の真骨頂なのだろう。
エピローグ
大阪に残る「真田丸ゆかりの地」をたどる車中泊コースガイド
これは「真田丸」に限ったことではないが、大河ドラマのいいところは、ストーリーに関連性の強い「ゆかりの地」を見直し、石碑を作り直したり、新たなマップを作成するなど、行政と手を組んだ「地域おこし」に一役買っていることだ。
そこで筆者はそれを利用し、2016年に放送された大河ドラマ「真田丸」にゆかりの深い大阪市内の史跡と、そこから近い「新世界」と「道頓堀」の繁華街を、1泊2日の車中泊でまわるオリジナルのコースガイドを作成してみた。
大坂城が核となるのは当然だが、せっかく大阪まで足を運んでいただける旅行者には、このくらいディープな観光ガイドがあってもいい(笑)。
歴史大好き・写真大好きのための、大坂城スペシャルガイド


車中泊でクルマ旅 総合案内
クルマ旅を愉しむための車中泊入門

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