この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、原稿作成のためのメモ代わりに書き残してきた「忘備録」を、後日リライトしたものです。
想定外の雪中キャンプ
大阪府能勢町にある自然の森ファミリーオートキャンプ場に、「薪ストーブとダッチオーブンのいい関係」という記事のロケにでかけてきた。
冬のキャンプらしく、ロッジテントに薪ストーブをいれて、ダッチオーブン料理を仲間とワイワイいただこうという企画だ。
土曜日の午後、集まったのは7人。もちろん全員車中泊で、いい思いだけして、夜はFFヒーターの元でぬくぬくと寝ようという算段だ(笑)。
本気のロケということで、料理人は今や”ダッチオーブンの神様”の域に達した(笑)、ダッチ鈴木が担当する。料理用にレイアウトされたステップワゴンのバックドアキッチンが彼の代名詞だ。
ダッチ鈴木の凄さは、同時並行で複数の品数を料理してしまう点にある。この日も矢継ぎ早にインパクトのある野外料理を繰り出してきた。
まず前菜は、今が旬の牡蠣をシェル付きのまま持ち込み、サイトで開けてガーリックバターで味付けした「蒸し牡蠣」。
もう廃盤になっているが、ロッジのスポーツマン・クッカーがあれば、一気に数が蒸しあげられる。
こちらはメインデッシュのリブ・ステーキ。こういう塊が手に入るのはコストコだ。それを一晩オリジナルのタレに漬け込み、同じくスポーツマン・クッカーでローストする。
柔らかくジューシーな仕上がりに感激した。
もちろんダッチオーブンのロケには、「絵」になるチキンが欠かせない(笑)。
いっぽうでは、ちゃんとバランスを考えて野菜料理も作る。
さて。「異変」に気づいたのは明け方だった。
夕方、少し雪がちらついたのだが、よもや一夜にしてここまで積もるとは予想できなかった。
ここまでになると、雪が大阪に降ったというより、夜のうちに岐阜か長野のキャンプ場にタイムスリップしたような感じになる(笑)。
いずれにしても、大阪でこんな本格的な雪中キャンプが楽しめるところはここだけだろう。ただし、行くならスタッドレスタイヤが必要だ。