「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、20年以上かけて味わってきた全国のソウルフード&ドリンクを、レシピに老舗・行列店を交えて紹介します。

「大阪のたこ焼き」を、自前で作る秘訣
「たこ焼き」入門【目次】
大阪府民の一家に一台は「たこ焼き器」がある。
テレビでそこそこ大阪のことを知っている日本人は、初めて道頓堀に来たら、見覚えのある店がありすぎて、どこに入ればいいか迷うと思う。
ただ、中途半端な時間に着いた時は「たこ焼き」がいい。
もちろん道頓堀には「たこ焼き屋」もいっぱいあるが、「食べログ」を見ても迷うだけ(笑)。
どこもがハイレベルな争いをしているので、適度に人が並んでいる店なら、まず「ハズレくじ」を引く心配はないだろう。
そもそも… 『一家に一台は「たこ焼き器」がある』と云われるネイティブの大阪府民は、たこ焼きをほとんど店で買うことはない(笑)。
それがまんざらジョークではないと思えるほど、「たこ焼き」は大阪のソウルフードとして浸透しており、休日に仲間と「たこパー」を楽しむ人は多い。
ただ、かつてはソースをたっぷり塗るコッテリ系が主流を占めたが、現在はそのままか、醤油やポン酢をつけて食べるヘルシー系に移行している。
そこで、その「たこ焼き」を自宅やキャンプあるいは車中泊で、おいしく作る秘訣を伝授しよう。
筆者は「北海道Love」で、毎年のように夏はでかけているのだが、現地にも友達がいて、いつも「北海道のソウルフード」をご馳走になってきた。
そのお返しに「たこパー」をしたところ、あまりの大ウケに驚いた。
珍しいこともあったと思うが、別れた後に「たこ焼きプレート」を買ったというから、味も良かったのだろう。
食べたファミリー全部がそうするから、なおさらびっくりだ(笑)。
美味しい「たこ焼き」の秘訣1
粉を選ぶ
「たこ焼き粉」と書かれた粉を買えば、今は作ろうと思っても昔のような「かちかちのたこ焼き」はできない(笑)。
もし未だにそういう「たこ焼き」になるという人は、「小麦粉」をそのまま使っているはずだ。
「たこ焼き粉」は主に「日清」と「SHOWA」から発売されているが、筆者のお勧めは写真の「SHOWA」で、こちらのほうが薄皮でふわとろに仕上がる。
重要なのは、粉と水の配合を正確に合わせること。
それが適当だと、硬いか「固まらないたこ焼き」になる。
美味しい「たこ焼き」の秘訣2
マヨネーズを入れる
「たこ焼き」に入れる具材は、小ねぎ・天かす・紅しょうが、そしてタコという人が多いと思うが、そこにマヨネーズを加えると味がしっかりするだけでなく、油が滲み出て、しっとり感のある「たこ焼き」に仕上がる。
とりわけお勧めなのは、写真の「だしマヨ」。大阪ではスーパーで手に入るが、他ではなかなか売っていないようだ。
通販でも買えるが、大手のスーパーで「客注」すれば1個で済む。
なお、キューピーから出ているのはソースが配合されているため、たこ焼きにはあわない。それよりはノーマルなマヨネーズのほうがいい。
美味しい「たこ焼き」の秘訣3
テフロン加工のプレートを使う
「たこ焼きプレート」は、ホームセンターや大きなスーパーに行けば手に入るが、大阪でも未だに鉄製のプレートを置いているところが多いのには驚く。
写真はイワタニが発売している、アルミニウム合金にフッ素加工を施した製品で、これを使えばタネがプレートにくっついて、うまくひっくり返せない事態と「おさらば」できる。
さらに、タネをプレートに注ぐ時は、わざと穴から溢れさせてプレート全体がタネで埋まるようにするのだが、イワタニのプレートはそれを個別に切りやすよう溝がつけられている。
筆者も旅行時はこれを使っているが、自宅では下の「スーパー炎たこ」を愛用している。専用器具だけに簡単でいい。
たこ焼きのルーツ
日本コナモン協会・会長の話によると、たこ焼きのルーツは大正時代末期に登場した「ラヂオ焼き」で、中身は「こんにゃく」や「すじ肉」が主で、タコを入れるようになったのは昭和になってからのようだ。
タコを入れたきっかけは、「ラヂオ焼き」の屋台で客が発した「明石はタコ入れとるで」の一言だとか。
それが評判を呼び、いわゆる「たこ焼き」が誕生した。
大阪人には信じがたいことだが、「たこ焼き」よりも先に「明石焼き」が存在していたということになる(笑)。
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