この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
淡路島は、車中泊クルマ旅のデビューにお勧めしたい理想の地。
淡路島 車中泊旅行ガイド【目次】
ここがええで! 淡路島
そもそもクルマ旅というのは、できるものなら「行ったり来たり」ではなく、「一方通行」的に前へ前へと進んでいきたいものだ。
その意味からすると、島・湖・半島は「いい旅先」になりやすい。
海はほどよくきれいで、食べ物はおいしく、歴史的な見どころも、ファミリーで楽しめるレジャー&アウトドアスポットも、そこそこ揃っている。
1998年に開通した明石海峡大橋により、大阪市内から約1時間で行けるようになった「神話における日本発祥の地」は、京阪神から気軽に行けるリゾート地として、年間約1200万人の観光客が訪れる。
もし、明石海峡大橋に線路を通すことを断念していなければ、その倍近い人が訪れてもおかしくはなかった。
さらに1周約200キロの淡路島には、コンビニや日帰り温泉が点在し、道の駅やキャンプ場に加えて、無料で利用できる港湾施設も充実している。
その車中泊環境は、日本でも指折りの地域と云っても過言ではない。
イチオシは「鳴門のうずしお」
無料で楽しめる観光スポットにもご注目!
京阪神から近いリゾート地だけに、ガイドブックを見ると遊園地やゴージャスな温泉のページが目立つわけだが、車中泊のクルマ旅では、淡路島の無料で楽しめる観光スポットに注目したい。
というのは、淡路島に行くには「安くはない橋の通行料」がかかるからだ。
明石海峡大橋は通常とETC割引の差額が大きいので、筆者は夕食と入浴を済ませ、金曜日の夜に橋を渡って「淡路SA」で車中泊し、一夜明けた土曜日の朝に高速を降りるようにしている。
ちなみに明石海峡大橋を渡るだけで、垂水ICから淡路ICまで約11キロの神戸淡路鳴門道の料金は、割引がなければ普通車で2370円、軽自動車でも1900円が必要になる(ETC割引の場合、普通車900円、軽自動車750円)。
そのうえ観潮船から「鳴門のうずしお」を見るとしたら、どこかで工夫しなければ超割高な旅先になってしまう(笑)。
もうひとつ提案したいのは、釣りだ。
淡路島では、初夏になれば足場のいい波止場からのんびり糸を垂らし、小魚と戯れることができる。
アジやイワシを狙うサビキ釣りの道具は、一式揃えても3000円程度で、淡路島にリピートするなら持っていても悪くはない。
ちなみに、サビキは魚が港にまわって来てから竿を出せばいい。
筆者は朝か夕方に2時間ほど釣るだけで、昼間は観光に時間を費やしている。
それなら餌と仕掛けを買っても1000円でお釣りが来る。
おいしい魚が釣れれば、そいつを持ってキャンプ場に行き、ちょいと捌けばいい酒の肴になる。
それができるお勧めの場所がこちら。
「御食国(みけつくに)」淡路島のソウルフード
さて、冒頭で「淡路島は、車中泊デビューにお勧めの地」と書いたが、その根拠となるのがここからの話だ。
淡路島は、サービスエリア・道の駅・オートキャンプ場・有料の観光駐車場駐車場・そしてトイレがある無料駐場が揃う、「車中泊スポットの見本市」のような場所である(笑)。
車中泊の旅人の中には、「道の駅さえあればいい」と思っている人もいるようだが、国内すべての観光地の近くに「道の駅」があるわけではないし、あってもそこがベスト車中泊スポットだとは限らない。
もし将来、日本列島を一周したり、縦断したりしようと思うのなら、それぞれがどういう環境なのかを「ここで見ておくこと」は、いい経験になるはずだ。
また、淡路島は気候温暖な瀬戸内の気候区にあるため、冬でも道が凍ることはなく、年間を通じて訪ねることができるのも大きな魅力だ。
そういった理由から、筆者は京阪神在住で初めて車中泊をされる方の旅先として、この淡路島をお勧めしている。