「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド

この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国各地の「クルマ旅にお勧めしたい観光地」を、「車中泊旅行者目線」からご紹介しています。

~ここから本編が始まります。~
淡路島は、車中泊クルマ旅のデビューにお勧めしたい理想の地。
「淡路島」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.05.17/2009.05.23/2010.03.27/2010.08.06/2011.03.26/2012.03.04/2012.04.07/2012.11.22/2015.02.07/2015.03.26/2016.04.22/2018.10.08/2020.06.20/2022.04.15/2023.03.05/2024.11.21/2025.02.07
「淡路島」での現地調査は2025年2月が最新です。
淡路島 車中泊旅行ガイド

ここがええで! 淡路島
クルマ旅というのは、できるものなら「行ったり来たり」ではなく、「一方通行」的に前へ前へと進んでいきたいものだ。
その意味からすると、島・湖・半島は「いい旅先」になりやすい。
つまり関東方面なら「伊豆半島」や「房総半島」、近畿なら「紀伊半島」や「琵琶湖」などがその候補地に挙がるわけだが、とりわけ京阪神在住の車中泊旅行者にお勧めしたいのが、これから紹介する「淡路島」だ。
海はほどよくきれいで、食べ物はおいしく、歴史的な見どころも、ファミリーで楽しめるレジャー&アウトドアスポットも、そこそこ揃っている。
1998年に開通した明石海峡大橋により、大阪市内から約1時間で行けるようになった「神話における日本発祥の地」は、京阪神から気軽に行けるリゾート地として、年間約1200万人の観光客が訪れる。
もし、明石海峡大橋に線路を通すことを断念していなければ、その倍近い人が訪れてもおかしくはなかった。
さらに1周約200キロの淡路島には、コンビニや日帰り温泉が点在し、道の駅やキャンプ場に加えて、無料で利用できる港湾施設も充実している。
その車中泊環境は、北海道から九州までの筆者が知るかぎり、日本で指折りと云っても過言ではないだろう。
イチオシは「鳴門のうずしお」
今や「鳴門のうずしお」は、世界遺産への登録が真剣に検討されているほどの「ビッグ・コンテンツ」。
淡路まで来て、これを見ないで帰るというのは「あり得ない」(笑)。
無料で楽しめる観光スポット
京阪神から近いリゾート地だけに、ガイドブックを見ると遊園地やゴージャスな温泉のページが目立つわけだが、車中泊のクルマ旅では、淡路島の無料で楽しめる観光スポットに注目したい。
というのは、淡路島に行くには「安くはない橋の通行料」がかかるからだ。
明石海峡大橋は通常とETC割引の差額が大きいので、筆者は夕食と入浴を済ませ、金曜日の夜に橋を渡って「淡路SA」で車中泊し、一夜明けた土曜日の朝に高速を降りるようにしている。
ちなみに明石海峡大橋を渡るだけで、垂水ICから淡路ICまで約11キロの神戸淡路鳴門道の料金は、割引がなければ普通車で2370円、軽自動車でも1900円が必要になる(ETC割引の場合、普通車900円、軽自動車750円)。
そのうえ観潮船から「鳴門のうずしお」を見るとしたら、どこかで工夫しなければ超割高な旅先になってしまう(笑)。
もうひとつ提案したいのが、釣りだ。
淡路島では、初夏になれば足場のいい波止場からのんびり糸を垂らし、小魚と戯れることができる。
アジやイワシを狙うサビキ釣りの道具は、一式揃えても3000円程度で、淡路島にリピートするなら持っていても悪くはない。
ちなみに、サビキは魚が港にまわって来てから竿を出せばいい。
筆者は朝か夕方に2時間ほど釣るだけで、昼間は観光に時間を費やしている。
それなら餌と仕掛けを買っても1000円ほどでおさまる。
おいしい魚が釣れれば、そいつを持ってキャンプ場に行き、ちょいと捌けばいい酒の肴になる。
「御食国(みけつくに)」淡路島のソウルフード
「御食国(みけつくに)」とは、古代から平安時代まで、朝廷に海水産物など貢いだ国のことで、「延喜式」には淡路が「雑魚」を納めていたと記されている。
淡路の雑魚と云えばタコ。ただし、ここには一味違う食べ方がある。
さらに京阪神の人間なら、この魚を挙げるに違いない。
さて、冒頭で「淡路島は、車中泊デビューにお勧めの地」と書いたが、その根拠となるのがここからの話だ。
淡路島は、サービスエリア・道の駅・RVパーク・オートキャンプ場・有料の観光駐車場駐車場・そしてトイレがある無料駐場が揃う、「車中泊スポットの見本市」のような場所だ(笑)。
車中泊の旅人の中には、「道の駅さえあればいい」と思っている人もいるようだが、国内すべての観光地の近くに「道の駅」があるわけではないし、あってもそこがベスト車中泊スポットだとは限らない。
もし将来、日本列島を一周したり、縦断したりしようと思うのなら、それぞれがどういう環境なのかを「ここで見ておくこと」は、いい経験になるはずだ。
また、淡路島は気候温暖な瀬戸内の気候区にあるため、冬でも道が凍ることはなく、年間を通じて訪ねることができるのも大きな魅力だ。
そういった理由から、筆者は京阪神在住で初めて車中泊をされる方の旅先として、この淡路島をお勧めしている。
淡路島 車中泊旅行ガイド
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