この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
理想は午前中観光。近くに車中泊の好適地なし
彦根城の駐車場事情
彦根城周辺の駐車場は充実しており、桜まつりやゴールデンウィークといったベストシーズンを除けば、近くにクルマを停めることは難しくない。
その中で筆者がお勧めするのは、写真の「京橋口駐車場」だ。一番の理由は、ここがその日の彦根城の混雑度を測るバロメーターになるからだ。
幸いにも「京橋口駐車場」の出入口が面する「中濠東西通り」は、道が広く動きやすい。ゆえにまずはここを目指そう。
ただし、車高2.5メートル以上のクルマは、ゲートがあるため入庫できない。
ただし、いずれも彦根城の敷地内にあるため、道は歩行者だらけで、一度並んでしまうと身動きができなくなる可能性が高い。
そのため、この駐車場を狙うなら朝一番がいいだろう。
夢京橋キャッスルロード
筆者が「京橋口駐車場」を勧めるもうひとつの理由は、この「夢京橋キャッスルロード」に近いからだ。
いくら名城といえども、ある程度の歴史知識がなければ、すぐに飽きて退屈になる(笑)。ガイドにつけば話は別だが、セルフでは「国宝」とか「重文」だけを観れば、もうそれで「十分」…
本音を云えば、「天守」と「ひこにやん」を見たら気が済む人も多いと思う(笑)。であれば、「天守」から琵琶湖を眺めた後は、お城を出て食事処と土産屋が勢揃いする「夢京橋キャッスルロード」に繰り出すほうが面白い!
江戸時代、このあたりは中級以下の武士と商人・職人が暮らす、活気に満ちた城下町だったそうだが、逆にそれが災いして、長年彦根市の都市開発から取り残されてきた。
現在のような景観になったのは1999年(平成11年)以降。完成当時は店も人通りもまばらだったが、20年を経て、みごとな観光ストリートに成長した。
開発に至るまでの経緯は長浜の「黒壁スクエア」と似ているが、彦根は通りが広いうえに、電線が地下を通っているため、圧倒的にスッキリしていて歩きやすい。ランチがてらに繰り出してみてはどうだろう。
彦根城の車中泊事情
結論から云えば「よろしくない」。彦根城の駐車場の場合、ハイエースクラスなら「京橋口駐車場」にトイレがあるので物理的には可能だと思うが、2日にまたがるため、駐車料金は1600円になる。
確かに筆者が見ても、あえて彦根城で車中泊をする理由は見当たらない。
それにクルマを出せないので、疲れた足を温泉で癒すことができないデメリットも大きいと思う。
いっぽう、道の駅は彦根城を挟んで南に「せせらぎの里こうら」、北には「近江母の郷」があるにはあるが、ともに適当な日帰り温泉が近くになく、彦根城の見学後、「極楽湯彦根店」に寄ってから向かうほうが良さそうだ。
ただ、いずれにしても時間が余りすぎるので、賢明な選択肢だとは思えない。
この道の駅は、クルマで2.3分のところに日帰り施設の「あねがわ温泉」がある。