この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しました。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「笠置キャンプ場」は、木津川河川敷にある広大なフリーオートキャンプサイト
笠置キャンプ場【目次】
笠置キャンプ場の概要
「笠置キャンプ場」は木津川に架かる笠置大橋の下に広がるフリーサイトのオートキャンプ場で、大阪在住で2020年で61歳になる筆者が、30代の頃から通い続けている馴染みの深いフィールドだ。
広大な河川敷にあり、予約なしでバーベキューやキャンプを楽しむことができるうえに、ひとり1日500円(キャンプ1泊1000円)という近畿では破格の料金だけに、今では金曜日から大勢のキャンパーがやってくる。
2021年1月更新
ここでは以前は直火で焚き火が楽しめたが、2022年4月からは禁止になる。
昨年あたりから「笠置は荒れている」という話をよく耳にしていたが、とうとう行政も痺れを切らしたかという感じ。
このブームが終わって落ち着くまでは、筆者も行く気はしない。
だが、ニワカちゃんたちが去れば、また少し前までの平和なファミリーキャンプ場に戻る日も来るのだろう。
さて。
「笠置キャンプ場」のサイトは大きく3つの区画に分けられる。
ひとつは本流に近い河原エリアで、ワイルド感のあるキャンプが楽しめる。そのため4WDやバイク、あるいはカヌーイストなどの姿が多い。
こちらは河原から一段高い芝生のエリア。
もともとグランドゴルフのコースだったが、2019年8月に訪ねた時にはキャンプサイトに変わっていた。
やや傾斜が気になるものの、一番ファミリーキャンパーが多い場所だ。
オフ会やグループキャンパーで賑わうのは、「笠置キャンプ場」の最深部に整地された広場のサイト。
殺風景だが完全なフラットで、専用のトイレと水場、ゴミ捨て場が用意されていて、使い心地はいい。
トータルで200はテントが張れるであろう広い敷地は、たとえ日中が満員でも夕方になれば日帰り客が帰り、空きスペースが出てくる。
ゆえに到着時にいい場所が見つからない場合は、日帰りしそうな客の存在を確かめ、そこが空くまで設営しないで待つという手もある。
なお河川敷なので、台風やゲリラ豪雨による洪水で地形が変わったり、土砂でサイトが荒れることも少なくない。
天候が回復しても、被害が大きい場合は閉鎖されることがあるので、そういう時は役場に確認してから出かけよう。
笠置キャンプ場の長所と短所
今度は、「笠置キャンプ場」の長所と短所について説明しよう。
まずは短所だが、一番は公道からサイトまでの極端に狭い導入路だ。
対向できないだけでなく、キャンピングカーは左右に加え、桜の木が張り出している屋根の上部にも気を使う必要がある。
とはいえ、キャブコンのジル5.2などが来ているのだから、通れないわけではない。
管理棟といえるものはないが、朝から夕方までキャンプ場の入口に建つ写真のプレハブ小屋に受付のおばちゃんがいる。
ただし薪や炭を含めて、物販は一切行っていない。
幸い2キロほど離れた国道163号沿いにローソンがあるため、さほどの不自由は感じないが、キャンプ場なのに薪は持参しなければ手に入らない。
時々近所のおじさんが軽トラックで売りに来ているようだが、不定期なのでアテにはできないだろう。また流木などは先客にほとんど拾われている(笑)。
残念なのはトイレ。
仮設トイレに加えて、ペーパーさえも置かれていない。
有料である以上、これだけは改善して欲しいものだ。ゴミが捨てられ、炊事棟もきちんとしているだけに、余計にその「みすぼらしさ」が強調される。
こちらは広場サイトのトイレ。新しい分まだマシだ。
次は長所についてだが、一番は温泉がある「笠置いこいの館」まで歩いて行ける点だろう。
サイトから約300メートルなので、狭い道をあえてクルマで通るより、ぶらぶら歩いたほうがいい。
なお、キャンプ場で受付をすると割引券がもらえるので、先にチェックインをしてから出かけよう。
またロケーション上の長所も見逃せない。
京都・奈良・三重の県境に近い笠置は、宇治・伏見、平城京・奈良公園、そして伊賀上野などの観光地まで1時間足らずで行くことのできる好立地にある。
つまり、ココにベースキャンプを張れば、キャンプで京都・奈良の観光が可能だ。
しかも、JR笠置駅はキャンプ場のすぐ近くで、パーク&ライドも可能。車中泊でも京都市内の高い駐車場料金を考えれば、ここを拠点にするのも悪くはない。
笠置キャンプ場の車中泊キャンプ好適度チェック!
笠置キャンプ場の最寄りの温泉と買い物施設
キャンプ場から約300メートル
☎0743-95-2892
大人800円
10時~21時(受付終了20時30分)・第1・3水曜定休
※2019年8月から休業中。
この施設は、過去にも赤字から指定管理業者の撤退があり、営業と休業を繰り返しており、2021年1月現在も再開の目処はたっていないようだ。
最寄りの入浴施設は木津の銭湯「木津川市共同浴場やすらぎの湯」だが、ほとんど詳細はわからない。
確実な代替えの日帰り温泉は、クルマで約30分ほど離れた「梅の郷月ヶ瀬温泉」になる。
なおクルマで20分ほどかかるが、近くでお勧めの大きなスーパーマーケットは「SUPER CENTER PLANT 木津川店」だ。