この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
亀岡にマイカーを停め、JRで嵯峨野・嵐山を往復する。
戦国時代の末期に、明智光秀が亀山城を築いた亀岡は、丹波との境にある京都の西の玄関口で、嵐山に通じる保津川下りとトロッコ列車の「始発地」で有名だ。
ゆえに大混雑が予想される春と秋は、その亀岡からパーク&ライドで嵐山に行くのが「賢者の選択肢」になる。
車中泊旅行者にとって、そのための前泊・後泊に利用できるのが、「道の駅・ガレリアかめおか」だ。
この道の駅は、嵐山の渡月橋から約28キロ、クルマなら40分ほどかかる場所にあるのだが、鉄道を利用することができる。
さて。
マイカーから乗り換えるのは、渡し船でもトロッコ列車でもなく、もっとも安くて早いJRがなんと云ってもお勧めだ。
最寄りの「亀岡駅」から目指す「嵯峨嵐山駅」は、たったの3駅先。しかも山陰本線なので便数も多く、朝夕は1時間に4本の電車が出ている。
「ガレリアかめおか」からJR亀岡駅までは約1.5キロ。
駅前には待合用の駐車場があるが、道の駅を含む公共の無料駐車場を、許可なくパーク&ライドで利用するのはマナー違反だ。
幸いなことに、駅から徒歩2.3分のところにあるイオンに、終日400円で利用できる駐車場が隣接しており、京都市内の観光にはここを利用するといい。
なお、桜と紅葉の季節の「嵯峨野観光鉄道」トロッコ列車は、団体ツアーが良い時間帯の便を買い占めているため、プラチナ・チケットになる。
トロッコ列車を利用するなら、早めの予約か平日の始発、あるいは終電が狙い目だ。
そうは云っても…
できるものなら、せめて片道はトロッコ列車に乗りたい!
というのが旅人の望みだと思うので、そのための作戦もあわせて紹介しておこう。
まず「トロッコ亀岡駅」と「JR亀岡駅」は、1駅離れているので歩くには遠い。
最寄りのJR駅は「馬堀駅」になるが、それも500メートルほど離れている。
しかも馬堀駅周辺には、適当な駐車場が見つからない。
だが「トロッコ亀岡」駅前には、終日500円の有料駐車場がある。
そこで、往復のうちどちらかをJRにして、片道をトロッコ列車にしたい人には、次の方法がお勧めだ。
行きはクルマで「トロッコ亀岡」駅まで来て、トロッコ列車で嵯峨野へ。
帰りは嵯峨野からJRに乗って馬堀駅で下車し、トロッコ亀岡駅まで歩くといい。もちろんその逆も可能だ。
筆者は実際にこの方法を試しているが、クルマで嵯峨野・嵐山に行くことに比べると、運転時のストレスは雲泥の差。
もっと早く、誰かに教えてもらいたかったと思う(笑)。
続いて筆者と同じ中高年用にプランニングした、オリジナルの「嵐山・嵯峨野の散策コース」を紹介する。