日本最古級の電車「デハニ50形」の体験運転イベント
家内の実家は、島根県出雲市の「平田」にある。
かつては平田市だったが、市町村統合で出雲市に併合された。松江と出雲の真ん中に位置する平田には、宍道湖と築地松以外に特筆するような観光資源はなかったが、2010年に放映された映画「RAILWAYS(レイルウェイズ)」により、実に60万人もの人がこの町のことを知るようになった。
「RAILWAYS(レイルウェイズ)」は、島根県のローカル路線・一畑電車を舞台に、俳優の中井貴一演じるエリートサラリーマンが、子どもの頃の夢だった電車の運転士に転職する物語で、鉄道ファンだけでなく、中高年サラリーマンを含む幅広い層の共感を得た名作映画だ。
こちらが「RAILWAYS(レイルウェイズ)」で実際に中井貴一が運転していた「デハニ50形」。
「デハニ50形」は一畑電車最古参の車両で、年々部品の確保と維持が困難となり、ついに2009年(平成21年)3月29日の「さよなら運転」をもって営業運転を終了。その後は映画撮影時を除いて、雲州平田駅構内に留置、もしくは出雲大社前駅で展示されてきた。
ただ、飯野公央島根大学准教授らで構成される「デハニ50形活用検討協議会」により、動態保存を推奨する提言の原案がまとめられる方向で、時期や区間は限定されるものの、復活運行される可能性が高くなっている。
その一環なのだろうが、「デハニ50形」は雲州平田駅構内で毎週金曜日~日曜日に開催される体験運転用に活用されている。
お墓参りで帰省していた筆者は、日曜日の早朝に偶然その様子をテレビで見ていた。それから所用で家内を乗せて平田の町に向かったのだが、道路工事で迂回をしたことで、たまたま駅の前を通ることになった。
まあそれならと車を降りて駅舎に入ると、なんとそこには、朝のテレビに映っていた大阪のファンの姿があった。ラッキーなことに、この日は体験運転日だったのだ。
筆者は「てっちゃん」ではないので、その運転に興味はないのだが、たとえ駅の敷地内とはいえ、本物の列車の運転ができるのは、鉄道ファンには心揺さぶられる話なのだろう…
興味のある方は下記のサイトにその詳細が記されている。ただし1日コースで料金は13000円とけして安くはない。「本気」のマニア向けのイベントだ。