車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、比叡山へのアクセスルートと、比叡山ドライブウェイの概要及び、失敗しない上手な活用法を詳しくガイドしています。
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この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
~ここから本編が始まります。~
比叡山の有料道路は、延暦寺の東塔を境に別料金になる、2つのドライブウェイ分かれている。

比叡山の筆者の歴訪記録
※記録が残る2003年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2003.11.04
2005.11.21
2011.11.23
2024.04.22
※比叡山での現地調査は2024年4月が最新になります。
騙された気分にならずに済む、比叡山ドライブウェイの活用法

比叡山の3つの見どころ

まずは、滋賀県の大津市と京都市の北東部にまたがって広がる比叡山の見どころを、簡単に紹介することから始めよう。

もちろん筆頭に挙がるのは、山頂付近に建つ世界遺産の「延暦寺」。
だが甲子園球場500個分に相当する大寺院を、数行で説明するのは無理だ(笑)。
ゆえに別立ての記事を用意しているので、「延暦寺」が目的という人は、後ほどその詳細をこちらでご覧いただきたい。
創建した伝教大師こと「最澄」の業績を含めて、分かりやすくまとめてある。
続いての見どころは、山頂エリアに設けられた「ガーデンミュージアム比叡」だ。

質実剛健な「延暦寺」とは、真逆の”癒やし”を感じさせてくれる広い敷地では、艶やかな「モネ」や「ルノアール」の絵とともに、季節の美しい花に包まれる。

展望台からの琵琶湖や京都の眺望も良く、入場料1200円の価値はある。
そして最後が、琵琶湖の展望だ。

「比叡山ドライブウェイ」から望めるのは琵琶湖の南岸で、途中にあるパーキングエリアからは、滋賀県の県庁所在地・大津市の夜景も眺められる。
ちなみに架かっているのは、「琵琶湖大橋」ではなく「近江大橋」。
ここから始まる「瀬田川」は、途中で「宇治川」へと名前を変え、「木津川」「桂川」と合流して「淀川」となり、湖水は大阪湾へと注がれていく。
琵琶湖が、京都あるいは大阪の「水瓶」と云われる所以はそこにある。

出典:比叡山延暦寺
「延暦寺」がある比叡山山頂部へのアクセスルートは、ケーブルとドライブウェイをあわせて4つあり、ルートは京都側と大津側から選ぶことができる。
ただしいずれも有料なので、事前にそれぞれの長所短所を把握し、自身の旅にマッチする方法を選択することが大切だ。
ケーブルでのアクセスと活用例

まず京都側からは、大原に近い八瀬から「叡山ケーブル」プラス「叡山ロープウェイ」でアクセスできる。
ゆえに「三千院」と「寂光院」がある、大原と抱き合わせて観光したい人は、ここに一度クルマを置いてケーブルに乗り換え、「比叡山」に登ると効率はいい。
ただし「ケーブル八瀬駅」の周辺には、駐車場が少ないうえに、どこも規模が小さいようだ。

さらに桜と紅葉シーズンは、大原の駐車場も混雑するため、オフシーズンの平日以外に、この方法を利用するのは勧めない。

いっぽう、延暦寺に直通している滋賀県側の坂本ケーブルの駅には、10台ほどの無料駐車場が隣接している。
またそこが満車でも、徒歩5分ほどのところに、やはり無料の市営駐車場がある。

坂本は比叡山の門前町であったと同時に、信長の”比叡山焼き討ち”後にこの地を拝領し、その復興に尽力した「明智光秀」ゆかりの地としても知られている。
それらも合わせて周りたい人には、観光駐車場にクルマを停めて、徒歩とケーブルで観光するのがお勧めだ。
車中泊のクルマ旅には、マイカーアクセスがお勧め

ケーブルを利用すると、観光後に一度クルマを置いた場所まで戻らなければならないため、短期のクルマ旅では移動に制約がかかり、しいては自由が効かず、時間的なロスが大きくなる。

クルマで「延暦寺」まで行くには「比叡山ドライブウェイ」もしくは「奥比叡ドライブウェイ」を走るしかないのだが、有料道路なので普段は渋滞の心配がなく、途中には眺めのよいパーキングもある。

また「延暦寺」の駐車場は無料で、収容台数も十分だ。
さらに2人以上の場合は、ケーブルに乗るより有料道路を走るほうが、ガソリン代を加味しても明らかに安くあがる。
比叡山ドライブウェイの概要

まず上のイラストのブルーの区間に該当する「比叡山ドライブウェイ」は、滋賀県大津市の「田の谷峠」から「延暦寺東塔(根本中堂のあるメインエリア)」を結ぶ約8キロの有料道路のこと。
ただし「延暦寺東塔」からは先のグリーンの区間は、別料金の「奥比叡ドライブウェイ」になっており、両方乗り継ぐかたちで、「西塔」「横川」を経て、おごと温泉や琵琶湖大橋に出ることができる。
騙された気分になる理由

有料道路の途中にこの記念碑があるということは、当初は「比叡山ドライブウェイ」と「奥比叡ドライブウェイ」を総して、「比叡山観光自動車道」と呼んでいたと思われるのだが、現在はほとんどその名前を耳にすることはない。
なぜなら…
上記の事情をよく知らず、気づかずうちに2つの有料道路走り切った観光客から、厳しい苦情が寄せられたからだ。
筆者もそのひとりで、2003年に初めてこの道を走った時には、「大津市は詐欺市」と大いに憤慨した記憶がある(笑)。
現在は利用者の誤解を回避するためか、ホームページには別料金になる表記が大きく掲載はされている。

しかし肝心の現地には、未だその旨の表示が見当たらない。
これは「延暦寺第一駐車場」内の、観光案内を兼ねた売店の外に大きく掲げられているパネルだが、「旅行者ファースト」の視点に立てば、万人が見るとは限らないホームページよりも、ここに「比叡山ドライブウェイはUターンが可能。「奥比叡ドライブウェイは別料金になります」という表示があるのが当然だ。

しかも、”「誤解」が食い止められる最後の砦”とも云える「西谷検礼所」が、あろうことか無人なのだから、戻るチャンスもないまま進んだ運転手は、料金を聞いて唖然とする(笑)。
そもそも、根源的な問題は
距離が短いうえに、それぞれの通行料金が高いことにある。

たとえば、近畿なら「高野龍神スカイライン」、九州では「やまなみハイウェイ」、甲信に目をやれば「ビーナスライン」、さらに関東では「いろは坂」、東北なら「磐梯吾妻スカイライン」など、「比叡山ドライブウェイ」とは比較にならない長さを誇る、かつての有料観光道路が、いまやすべて無料化されている。
それを知る車中泊の旅人にすれば、有料というだけでも驚きなのに…
いわんや以外の何物でもあるまい(笑)。
しかし
それでも山を登ってきてしまった以上は、降りるしかない。
であればなおさら、料金設定を分かりやすくして、必要以上に怒りを買わないようにする努力が必要だと思うが、どうだろう。
それを具体的に示すと以下のようになる。
延暦寺の東塔(根本中堂周辺)のみを拝観したい場合

「延暦寺」に訪れる人の過半数は、ここに含まれると思う。
ゆえに、その”くたびれない拝観方法”を別記事としてまとめているのだが、それでも「根本中堂」で説法を聞けば、2時間近い時間は必要になるはずだ。
この場合は、大津市内・京都市内のいずれからアクセスするにしても、「田の谷峠料金所」を目指し、そこから延暦寺の東塔までを往復するのがいい。

料金は普通自動車で往復1,700円。ただし、曜日に関係なく通行料金を支払う際に、JAF会員証を提示すれば1600円に割引される。
なお2024年4月現在、ETCの利用はできず、支払いは現金またはクレジットカードのみとなっている。

なおこの料金内で、冒頭に記した「ガーデンミュージアム比叡」にも行ける。
また「湖西道路」を走れば、琵琶湖大橋まで無料で行ける(ただし橋の通行料は別途必要)。
全線を完走する際に、”割引を受ける方法”

大津側の「田の谷峠料金所」から「比叡山ドライブウェイ」に入り、延暦寺経由で「奥比叡ドライブウェイ」に進んで、琵琶湖大橋側の「仰木料金所」から抜ける、もしくはその逆のルート。
これは九州や関東方面から来て、京都と琵琶湖を合わせて観光したい旅行者にお勧めしたいコース取りだ。

多少は高くつくものの、世界遺産の延暦寺をマックスで見れると思えば悪くはない。

実は、この全線を走る場合は、JAF会員証以外にも割引を受ける方法がある。
「田の谷峠料金所」から「仰木料金所」までの料金は普通車で2,380円だが、公式サイトの割引券をプリントして通行券とともに提示すれば、2,200円に割引される。

ちなみにこのあと車中泊して、翌日も琵琶湖を観光する予定の人には、湖西道路のサービスエリアを兼ねた「道の駅 妹子の郷」でのお泊りがお勧めだ。
ただしこの道の駅で快眠を得るには、事前に知っておくべきことがあり、それを下の記事に掲載している。
またその場合は「仰木料金所」を出たら、道の駅とは逆方面にある日帰り温泉「比良とぴあ」に先に向かい、汗を流してから行くといい。
比叡山ドライブウェイでの車中泊について

「比叡山ドライブウェイ」からは大津市街の夜景が見え、途中にある「夢見が丘」のパーキングにはレストランとトイレがあるので、かつては車中泊の人気スポットとして知られていたが、まことに残念ながら今は禁止になっている。
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