この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
見どころと皿そばの行列店&車中泊事情
「但馬の小京都」と紹介される「出石(いずし)」の見どころは、辰鼓楼(しんころう)がよく見える「国の重要伝統的建造物群保存地区」に集中している。
出石の歴史を紐解くと、もともとは応仁の乱で西軍を率いた守護大名・山名氏の領地だったが、戦国末期に秀吉に敗れ一時は豊臣家の支配下に置かれていた。
現在残る出石城跡と城下町は、関が原の合戦直後に外様大名の小出吉英が当時の有子山城を廃し、その山麓に新た築いたもの。
なお、出石の伝統工芸である出石焼と特産の出石皿そばは、その後7代続く仙石氏の時代に確立されたものとされている。
ちなみに出石の城下町は、明治9年の大火により、建造物の80%以上にあたる家屋966・社寺39・土蔵290を消失している。
しかし町割は1810年(文化7年)当時の状態にほぼ復元され、焼失を免れた武家屋敷や社寺に加え、焼跡に再建された明治時代の寺院や町家が、近世後期の城下町の歴史的景観を今日に伝えている。
ただ「小京都」という感じはさほどしない(笑)。
出石観光の秘訣
出石の観光資源は、皿そばを含む「歴史と文化」なので、施設や店が営業している時間帯に訪ねるのがお勧めだ。
また「重要伝統的建造物群保存地区」は狭いエリアなので、2時間もあればひと通り見てまわれる。
出石のシンボル 辰鼓楼(しんころう)
もともとは辰の刻(7時から9時)の城主登城を知らせる太鼓を叩く櫓であったが、1881年(明治14年)に現在の姿の時計台となった。
札幌の時計台が設置されたのも同年で、姿形は大いに異なるものの、ともに日本最古の時計台といわれている。
出石永楽館
明治34 年に開館した近畿最古の芝居小屋で、平成20年に大改修を受け、44 年ぶりに営業を再開した。
現在は歌舞伎や神楽、寄席などが行われるほか、興行の無い日は一般公開されており、廻り舞台・奈落など舞台裏も見学できる。
いずれも詳細は、出石観光協会のオフィシャルサイトで。
このサイトは見やすくわかりやすい、観光協会が作るべき「お手本」のようなホームページだ。
大河ドラマファン必見! 「川崎尚之助供養碑」と「桂小五郎居住跡」
なお、「桂小五郎居住跡」は、この後の「皿そば」の中で詳しく触れる。
出石名物「皿そば」
出石の車中泊事情
空いている時間帯にゆっくりお城と町を歩きたい、あるいは歌舞伎を見たいという人には車中泊が有効だ。
なお道の駅が良ければ、30分ほど離れたところに「但馬楽座」がある。