この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
外湯めぐりは、1泊2日で最大4湯が妥当
城崎温泉には7つの外湯があるが、それをめぐる前に「知っておきたいこと」を2点紹介しておこう。
各外湯の「お湯」は同じ。
城崎温泉の全ての源泉は集中配湯管理施設に集められ、そこから各外湯・旅館に送られているため、どこも泉質は変わらない。またお湯は掛け流しではなく循環濾過で、法律に基づき塩素系の消毒剤が使用されている。
従って各湯をめぐっても、楽しめるのは「造りからくる雰囲気」ということになる。その「良し悪し」を単純に判断することはできないが、同じ外湯めぐりでも、別府温泉や草津温泉のそれとは違う意味合いになる。
「城崎温泉外湯めぐり券」の落とし穴
車中泊旅行者向けのお得な情報で記したように、日帰り客には1300円の「城崎温泉1日入浴券」がお勧めなのは間違いない。
しかし、この話には「ただし」がつく。
確かに全部に入湯することができれば、入浴料5000円が1300円になるのだから、単純計算すると3700円もの得にはなる。
ただし利用期間は「24時間=1泊2日」ではなく「1日」、そのうえ各外湯は平日に定休日をばらして設定しているため、全てに入湯できるのは土日だけだ。
さて。筆者は仕事上、温泉ハシゴには慣れている(笑)。
だが、それでも1日5軒までが精一杯。できれば3軒でとどめたいと思うくらいなので、慣れない人がまともに7湯めぐるのは相当厳しいと思う。実際、筆者も数回に分けて7湯全てをまわってきた。
その経験をもとに「秘訣」を伝授すると、浴室が広くてきれいな写真の「御所の湯」と、残りの6湯のどれかを組み合わせるのが一番いい。
現在「御所の湯」は浴場の修繕工事で休業しており、再開は2020年3月頃の予定。
城崎温泉の外湯めぐりは、駐車場との兼ね合いをよく考える必要がある。
2019年11月現在、城崎温泉内にある3ヶ所の豊岡市営駐車場の料金は、いずれも30分100円で最大12時間1000円だ。
ちなみに駅前の「さとの湯」は「御所の湯」から一番遠く、歩いていくのはちょっと面倒。それに雰囲気や由緒からすれば、すぐ近くにある「一の湯」「柳湯」「鴻の湯」あたりの組み合わせがお勧めだ。