この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
町ぐるみで外湯をめぐるお客様をもてなしてきた伝統が、1300円の「城崎温泉外湯めぐり券」に反映
舒明天皇(在位629年-641年)の時代に、コウノトリが傷を癒したという、いかにも但馬らしい伝説が残る城崎温泉は、平安時代から知られる古い温泉地で、柳が映える大谿川の橋梁群からは、歴史と情緒が感じられ、風情を大切にする温泉宿の心遣いは、浴衣や下駄といった和装の中に今も息づいている。
抜群の知名度と京阪神からのアクセスの良さにもかかわらず、歓楽色の少ない閑静な佇まいを守り続けてきた背景には、町ぐるみで外湯をめぐるお客様をもてなしてきた伝統がある。
志賀直哉をはじめ、島崎藤村や与謝野晶子、有島武郎、柳田国男といった文人達も、この地をこよなく愛してきた。
城崎温泉の名物「下駄奉納板」。
ここには城崎温泉の旅館の下駄が飾られており、年に一回、新しいものに付け替えられ、古くなった下駄は城崎温泉まつりの際に供養される。
まずは「城崎」を上手に楽しむための情報から
城崎温泉には、お得なクーポン券ある。
ツアー旅行で行く場合は、ガイドさんがそれを教えてくれるので心配ないと思うが、個人旅行では貴方がツアーコンダクターとなる。そこで、まずは資料と、お得な情報を揃えることから始めよう。
写真の「ゆかたとかにの王国」パスポートは、城崎町文芸館にある城崎温泉観光協会で販売している。
きのさき温泉観光協会 公式サイト
このサイトから マップや観光パンフもダウンロードできる。
1300円で、終日城崎温泉の外湯が入り放題になる?
車中泊旅行者には、1300円(2019年11月現在)の「1日ぐるっと、入り放題 城崎温泉1日入浴券」がお勧めだ。ちなみに7つの外湯を全館利用すると5000円になる。券は各外湯で購入できるので、最初に申し出よう。
狙え! 外湯めぐりのプレミアム・アイテム
城崎温泉には、毎日各外湯で最初のお客様だけがもらえる「一番札」があり、温泉ファンなら、ぜひ手に入れたいと思う代物だ。
宿の朝食時間の制約を受けない車中泊旅行者は、このプレミアム・アイテムが狙いやすい。 確率が高いのは、すぐ前の駐車場で車中泊ができる鴻の湯だ。それでも確実にゲットするには、開湯の30分前には並ぶ必要がある。