この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
木屋町にある、おばんざいで一杯やれる店
筆者がこの店の暖簾をくぐったのは、2017年の秋。
食事のテーマは「おばんざい」。
おばんざいとは
昔から京都の一般家庭で作られてきた惣菜のことで、漢字では自家製の「番茶」と同じ意味から「お番菜」と書く。
最近は京都の食文化を表す言葉として広まり、「京ごはん」のような表現を用いた食事処も増えている。
確かに中には「だし巻き卵」のように、ビールとよく合うものもあるのだが、筆者にはどちらかといえば「ご飯のおかず」というイメージのほうが強かった。
だが今回は「仕事」ゆえに、何とか今どき流行りの京都郷土料理「おばんざい」で、一杯やれる店を探す必要がある。
ということで「食べログ」を見まくたった結果(笑)、「まあ、ここなら行けそう」と思えた、TATSUNOSUKE(たつのすけ)に予約を入れた。
本当は学生時代に憧れた先斗町にしたかったが、筆者が知っている店は既になくなっており、ネットでは代わりになりそうな適当な店が見つからなかった。
変化のない町のように思える京都でも、飲食の世界は熾烈なようだ。
さて、「木屋町 おばんざい TATSUNOSUKE」は、確かにホームページ通り 「おばんざい」が充実している正直な店だった。
この日筆者がオーダーしたのは、TATSUNOSUKEコース2000円。龍馬の余韻に浸るには、ほどよい量の晩酌だ。
驚いたのは「焼き枝豆」。
ご存知の方も多いと思うが、枝豆を塩茹でするのは栄養を捨てているのと同じで、もったいない。
ゆえに焼くか蒸して食べるのが「通」の食し方と云われている。
味は明らかに「濃い」というか、「豆」本来の味がするのだが、それが京都の飲み屋で味わえるとは思わなかった。
店を切り盛りしていたのは、まだ40代になるかどうかという若い男前。立地ゆえに外人も多く、バイリンガルでないとここらでは働けないようだ(笑)。
さて。ひとしきり撮るものを撮ったら、やっと本当の食事。親父はやっぱり、こっちの方がシックリ来る(笑)。
結論として、この店は筆者と家内が来るには、ちょっと「若作り」が必要だ(笑)。アラウンド50までの馴染める場所のような気がした。
なお店から駐車場までは、ほぼ1本道で500メートルほど。多少ほろ酔いでも帰り着けるうちだろう。
木屋町 おばんざい TATSUNOSUKE
営業時間:18時~翌朝3時 ラストオーダー2時