この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
明石海峡大橋と神戸市外をダブルで眺望
ここでの「絶景かな絶景かな」は、石川五右衛門が登場する歌舞伎とは、縁もゆかりもない須磨浦山上遊園からの眺めの話(笑)。
源平合戦の舞台で有名なこの地には、本州側から明石海峡大橋を眺望できる一級品の展望台がある。
まずは須磨浦ロープウェイで山上駅まであがり、そこから5分ほど歩いて、この展望閣の屋上に登れば、圧巻の光景が待っている。
ここからは神戸市外の景観も望める。
お気付きの通り、「絶景かな絶景かな」とはそういう意味だ(笑)。
海上にうっすら見えているのは「神戸空港」。晩秋から初冬の空気の澄んだ日には肉眼でも確認できる。
まさに「1粒で2度おいしい」とはこのことだろう(笑)。
ただし、須磨浦山上遊園には難点がひとつある。
須磨浦山上遊園に行くには須磨浦公園駐車場を利用するのだが、メインは地下駐車場のため、ご覧のように基本は高さ2.1メートルまでとなっている。
ただ写真の左側に平面駐車場があるので、ゲートをすり抜けられれば駐車は可能で、出口はゆうゆうとクリアできる。
筆者のナロー・ハイエースは入庫できたが、ハイエースワイドは微妙…
それ以上の車両については難しいように感じた。残念なことに、近くには他に駐車場は見当たらない。
須磨浦公園駐車場
収容台数:223台
駐車料金
平日(3/20~4/15を除く)
最初の1時間300円、以後1時間につき200円(1日上限1,200円)
土日祝日及び3/20~4/15
最初の1時間400円、以後1時間につき200円
ここは景色は最高だが、施設はかなり老朽化しており「廃れた感」が拭えない。お金持ちの神戸だけに、駐車場ごとリニューアルしてもらいたいものだ。
最後は、「須磨浦公園」と「須磨浦山上遊園」について。
ややこしい話だが、「須磨浦山上遊園」は広大な敷地を持つ「須磨浦公園」の一部になる。
須磨浦公園は、歴史的には源平の古戦場、一ノ谷の戦いの地としても知られ、神戸市指定有形文化財の「敦盛塚」などの史跡がある。また、与謝蕪村、松尾芭蕉、正岡子規、高浜虚子などの句碑も園内に設置されている。
敦盛塚は、「一ノ谷の戦い」で熊谷直実に討たれた平敦盛の首塚。
平敦盛は、平清盛の弟・経盛の末子で、1184年(寿永3年)2月7日、源義経の奇襲で一ノ谷の戦場から逃れる際に、源氏方の熊谷直実に呼び止められる。
このとき敦盛は16歳。
直実は、まだ若い熱盛を逃がそうと思ったが、見方の兵が近づいてきたため、涙ながらに敦盛を討ち、ここに葬った。
その後、直実は世の無常を感じて出家している。