この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
有馬温泉は、日帰りでも十分に楽しめる。
神戸から見ると、六甲山の裏山麓に湧く有馬温泉は、日帰りでも十分に楽しめる温泉地だ。
加えて車中泊はできるが、けして良好な環境といえるものではない。
湯治に来るのなら話は別だが、温泉旅の見地に立つなら、昼間に名湯「金泉」を堪能し、夕方には神戸の町に移動して「大人の夜遊び」を楽しむほうが洒落ている。有馬温泉から三宮までは、国道で1時間もかからない。
日本のメジャーな温泉地は、遊び方に大きく2つのパターンがある。
ひとつは外湯と温泉街で情緒を楽しむ方法だ。
具体的な例を挙げれば、九州なら別府の鉄輪温泉、近畿では城崎温泉、関東では草津温泉などが該当する。
いっぽう、もうひとつは個々の温泉旅館やホテルの中で、温泉旅行を楽しむ方法だ。
ホテル浦島や中の島がある南紀勝浦温泉や、能登半島の和倉温泉、関東では鬼怒川温泉がそれにあたる。
だが有馬温泉では、どちらも楽しめる。
共同浴場の「金の湯」「銀の湯」に入湯し、温泉街をぶらぶらしながら食事や土産物を探すのもよし、スーパー温泉銭湯とも呼べる巨大温泉施設の「太閤の湯」に行けば、後者の楽しみ方もできる。
「太閤の湯」には、金泉・銀泉の内湯と露天風呂はもちろんのこと、岩盤浴も食事処も娯楽室も揃っており、温泉街をぶらぶらするより、一箇所で寛ぎたいという人には、すこぶる便利なところといえる。
さて。ルミナリエが開催される三宮には、4時の到着を目指そう。
冬至が近いルミナリエの時期は、17時には日が暮れる。
それからになると、土地勘がない旅行者は駐車場探しが難しくなるうえに、混雑度合いが一気に高まる。
また夕方に軽く何かを食べておくと、ルミナリエを見終わる頃まで空腹を覚えずに済む。
神戸で軽食と云えば、やはり中華。
三宮から歩いていける元町のチャイナタウンでは、テイクアウトの食べ歩きが楽しめる。
またルミナリエの観覧ルートは、JR元町駅の三宮側改札口前からスタートするので、時間を潰すにも好都合になるはずだ。