車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年5月現在の三徳山三佛寺「投入堂」の参拝情報です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、日本全国で1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、「車中泊ならではの歴史旅」という観点から作成しています。
三徳山三佛寺「投入堂」は、伝説の行者・役小角によって建立されたと伝わる、”日本一危険な国宝”。
三徳山三佛寺(みとくさんさんぶつじ)は、鳥取県の三朝町にある天台宗の仏教寺院で、706年(慶雲3年)に役小角(えんのおづの)が修験道の行場として開いたと伝わる。
その後、849年(嘉祥2年)慈覚大師円仁によりに本尊釈迦如来・阿弥陀如来・大日如来の三仏が安置されるが、当時は鳥取県のほぼ中央に位置する三徳山全体を境内としていた。
役小角の名前は、どこかで聞いたことがある人が多いと思う。
「役行者(えんのぎょうじゃ)」とも呼ばれる役小角は、飛鳥時代から奈良時代の呪術者で、修験道の開祖とされている。
実在の人物だが、不思議な力を駆使して空や野山を駆けめぐり、鬼神を自在に操るなど、伝えられる人物像は後世の伝説によるところが大きいようだ。
その功績の中でとりわけ有名なのは、世界遺産となった奈良県吉野山にある金峰山寺(きんぷせんじ)。
蔵王権現をご本尊とするこの古刹も、7世紀後半に役小角が開いたとされる。
さて。三佛寺の代名詞ともいえる「投入堂」には、その役小角が三徳山を訪れた際に、麓でお堂を作り、法力でお堂を手のひらに乗るほど小さくして、大きな掛け声と共に断崖絶壁にある岩窟に投入れたと云う伝説が残る。
これが麓から見える「投入堂」。
写真は150ミリほど望遠をかけて撮影しており、肉眼ではもっと小さく見える。
ゆえにこれを見ると、「伝説」がリアルに思えてくるから面白い(笑)。
そんなロマンに満ちた話を名前の由来に持つ「投入堂」は、神社本殿形式では日本最古を誇る国宝で、1000年以上の時を経た現在でも、建築物としては一級品の価値を持っている。
投入堂は三徳山に登らなくても、県道21号沿いに設置された無料の望遠鏡で見ることができるのだが、ここまできたらぜひとも目の前で拝みたい…。
その想いを実現するため、筆者たちは再訪した。
参拝記 2018年12月1日
投入堂まで行くには、パンフレットには「道程は約700m、往復所要時間は、1時間から1時間30分」と書かれているが、初めての場合は2時間近くかかると思ったほうが良いとのこと。
また入山時の服装チェックは厳しいようで、スカートやハイヒールは論外、足を露出したハーフパンツ姿でも断られるという。
ということで、念の為トレッキングシューズを持参。
この靴は屋久島の千年杉や槍ヶ岳など、10時間超えの「マジ登山」で使ったアイテムだが、国宝を参拝するのに、本当にここまで要るのか?と思ったが、結果としては正解だった。
「投入堂」参拝の受付では、服装とシューズのチェックを受けるが、特にシューズに関しては厳しく、ソールまで見せる必要がある。
もちろんビブラムソールの我々は問題なし。
ただしアウトと判断されると、有償の「わらじ」に履き替えなければ、通してもらえない。
確かに道中では「わらじ」を履く若い女性を何人か見かけた。
元来ここは修行場だけに現代版の山伏装束、つまりはきちんとした登山の装いが求められる。
それが冗談じゃないことは、すぐに分かる。
「投入堂」の参拝は、登山というよりは岩登りに近く、もはやアウトドアの領域といえる(笑)。
もっと危険なところもあるが、そこは撮影する余裕さえないほどだった。
かくして念願の「投入堂」に到着。
くしくもこの日は「結婚記念日」。
波乱万丈の夫婦らしい思い出となった(笑)。
これが「投入堂」までの参拝ルート。途中には幾つかのお堂がある。
参拝には「入山届」の記入が必要。帰りは膝に力が入らなくなるほどキツかったが、筆者たちはなんとか2時間弱で「生還」した(笑)。
ちなみに料金所は2ヶ所あり、合計で「ひとりあたり800円」になる。
なお、県道21号沿いに参拝者用の無料駐車場が用意されている。
トイレがあるので車中泊も可能。三朝温泉までは約3キロしかなく、「穴場」スポットといえるかもしれない(笑)。
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