この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
若い女性をターゲットにした、今どきの蕎麦処
蕎麦屋にしてはちょっとモダンな店造りだが、「奥出雲そば処 一福(いっぷく)」は、飯南町の頓原に本店を構える大正11年創業の老舗で、店舗数では「うどん・出雲そば たまき」を遥かに凌ぐ「出雲そば」の最大手。
現在は山陰・中国・関西エリアに12店舗を展開している。
筆者も以前からその名は知っていたが、たまたま出雲大社の神門通りに店ができていることに気がつき、さっそく暖簾をくぐってみた。
「奥出雲そば処 一福(いっぷく)」では、地元・頓原名産の肉厚な「舞茸天婦羅そばが名物」ということで、その舞茸天婦羅がついた「奥出雲割子」1080円を注文した。
普通にスーパーで売っている舞茸でも、カリッと揚がった衣とアツアツの汁がしたたるジクを、コクのある天つゆで食べるのは実にウマい。
評判通りなら、それに肉厚な舞茸の「歯ごたえ」が重なり、いわば「四重奏」が楽しめると期待していた。
ゆえに「揚げたて」を食したいところだったが、このように配膳されてきた。
アツアツの天麩羅を、よく冷えたそばの上にのせていいはずはあるまい(笑)。
しかもそば切りは太めで、少しモサモサした食感がする。
10割そばゆえかもしれないが、残念ながらそれは筆者の好みではなかった。
ちなみにこちらは、群馬県の草津温泉にあるそばの名店「柏香亭」の配膳。天ぷらとそばが両方美味しく食べられるよう、別皿に分けてある。
さて。よく見るとこの店には「そばcafeいっぷく」というサブタイトルがある。
ということは、同じ評価するならこういうスイーツが本筋かも(笑)。
実は同じ「一福」の店が、近くの「出雲大社観光センター」の中にもあるらしい。本格的な出雲そばを食べたいなら、そちらの店に行くほうが適切そうだ。
悪いのはそれを無視した筆者の方かもしれない。
一福 出雲大社・神門通り店
☎0853-53-0100
10:30~16:30 (そばが無くなり次第終了) ・原則木曜定休