車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年10月現在の熊野本宮温泉郷の概要と車中泊に関する情報です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊温泉旅行ガイド
この記事は「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価し、車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる、各温泉地の魅力を紹介しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
「熊野本宮温泉郷」とは、「湯の峰温泉」「川湯温泉」「渡瀬温泉」の3つの温泉地をまとめた総称。
熊野本宮温泉郷【目次】
熊野本宮温泉郷の概要
「熊野本宮温泉郷」は、世界遺産・熊野本宮大社の膝元にある「湯の峰温泉」「川湯温泉」「渡瀬(わたらせ)温泉」の3つの温泉地をまとめた総称だ。
筆者はこれを「とてもいい表現」と思っているのだが、読者の中には耳慣れない人が多いかもしれない。
ウィキペディアによると、1957年に3つの温泉地が国民保養温泉地に指定された際に、「熊野本宮温泉郷」という表現が使われていたようだが、現地に行ってもそのような表示は一切見当たらない。
現在でも道路標示やパンフレットには、3つの温泉地が個別に表記されている。
おそらく「熊野本宮温泉郷」という表現が積極的に使われ始めたのは、熊野大社や中辺路とともに、湯の峰温泉の「つぼ湯」が「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成要素として、世界遺産に登録された2004年以降なのだろう。
しかし「温泉郷」と名乗ることで、旅行者の目は全ての温泉地に向くことになる。
そこで、まずは簡単に3つの温泉地について説明しよう。
湯の峰温泉
~熊野詣の湯垢離場(ゆごりば)~
「熊野本宮温泉郷」の中で一際古い歴史を誇っており、古くから熊野詣の湯垢離場として親しまれてきた。
当地の資料には「日本最古の湯」とも記されている。
世界遺産の構成要素である「つぼ湯」の周辺には、今も昔ながらの温泉情緒が色濃く残り、いにしえの風情を求めて訪れる外国人の姿も多い。
なお、湯の峰温泉には「つぼ湯」を含めて3つの共同浴場がある。
川湯温泉
~冬の風物詩、仙人風呂~
河原から湧き出す70℃以上の源泉に、熊野川の支流・大塔川の水が混ざり合うことで、ワイルド感に満ちた野湯が楽しめる。
そのため夏は、シャベルを持参して河原を掘る家族連れを多く見かける。
だが川湯温泉の名物は、なんといっても冬に出現する巨大な「仙人風呂」だ。
自然の地形を利用しているため、年によって大きさや形状が変わるというのもおもしろい。
なお仙人風呂の近くには、通年入れる共同浴場はあるが、温泉街らしき通りはない。
渡瀬温泉
~西日本最大級の露天風呂~
雑誌やテレビでよく見かける、この広大な露天風呂があるのは、ひらがなで書く「わたらせ温泉」。
正式名は「心の宿 わたらせ温泉」で、敷地内に3つのホテルと複数の温泉施設を持つ大規模温泉リゾートだ。
ややこしいが、漢字の「渡瀬温泉」は温泉地名を示す際に使われているようで、意図的に区別がなされている。
渡瀬温泉には、他にも「湯バイバル・モア」というクアハウスがある。
熊野本宮温泉郷の車中泊事情
総じて云えば、道の駅、オートキャンプサイト、そして無料駐車場と3つの車中泊スポットが、ひととおり揃っている。
といっても、このエリアを訪れる旅行者の多くは、温泉めぐりよりも、熊野古道と熊野本宮大社の観光、もしくはアウトドアが目当てだと思われるため、実質的な温泉旅の車中泊スポットは、上の写真の「湯の峰温泉・無料駐車場」だった。
しかし残念なことに、2018年に車中泊禁止になってしまった。
というわけで
自炊がしたい人にお勧めなのは、大塔川河川敷にある「田辺川湯キャンプ場(旧:川湯野営場・木魂の里)」だ。
比較的リーズナブルで、敷地は広く、写真のフリーオートサイトのほかにも芝生のテントサイトがあり、その舗装された駐車場でも車中泊ができる。
また渡瀬温泉の近くにも、「-WATAZE OUTDOOR- おとなしの郷(旧:渡瀬緑の広場キャンプ場)」がある。
筆者はいずれにもテントを張ってキャンプをした経験があるのだが、それは20世紀の話(笑)。
あまりに記録が古すぎるので、オリジナルの車中泊スポット記事は割愛させていただくことにした。
なお、「熊野本宮温泉郷」に最寄りの道の駅は、国道168号沿いの「奥熊野古道ほんぐう」になるが、冒頭に記したように、ここは熊野古道のウォーキングや熊野本宮の参拝客が多く利用している。
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※記事は外部リンクではなく、すべてオリジナルの書き下ろしです。


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