「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。

「つぼ湯」が世界遺産に登録された理由に迫る
湯の峰温泉がこれほど世界から脚光を浴びるようになった理由は、共同温泉の「つぼ湯」が、2004年に世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成要素として認定されたことにあるのは間違いない。
ただ湯の峰温泉は、それ以前から近畿地方の温泉ファンや、歌舞伎ファンなどの間では「ちょっと知られた秘湯」だった。
その理由がこちら。
小栗判官の物語は、浄瑠璃や歌舞伎、最近ではスーパー歌舞伎、さらには宝塚歌劇団のミュージカルや、映画「蘇りの血」の題材になるなど、今なお人気は健在で、「知る人ぞ知る」ものらしい(笑)。
ストーリーは以下のサイトで確認を。
ポイントは、毒を飲まされ餓鬼の姿になった小栗判官が、照手姫や熊野詣の人々に助けられ、つぼ湯で四十九日の湯治をしたところ、もとの姿に甦ったという一説。「死者が蘇るほど霊験豊かな秘湯」であるという証なのだろう。
今度は、歴史に目を向けてみよう。
熊野本宮観光協会の公式サイトには、以下のように記されている。
開湯1800年。
日本最古の湯として愛される湯の峰温泉は、今も昔ながらの温泉情緒を残し、湯の町の風情を感じる事が出来ます。
今から1800年前は「3世紀の初頭」、すなわち邪馬台国の時代で、まだ日本には文字がなかった。それに写真のボードには「4世紀ごろ」と書かれている。
まあ、「伝承」だから(笑)。
時代検証が正確にできる現代において、湯の峰温泉に関して多くの人が知りたいのは、「嘘とも誠ともわからない伝承・伝説の話」ではなく、「つぼ湯」が世界遺産に登録されるに至った「史実のウンチク」だと思う。
あのユネスコが、きちんと調査もせずに世界遺産に認めるはずがない(笑)。
そこには何か驚くような理由があるのではないか?
あるとしたら、それは泉質に起因するのか、あるいは他に理由があるのか…
「熊野詣の湯垢離場(ゆごりば)」と題する以上、湯の峰温泉はその期待に対する「心躍る答え」を用意するべきだと思うのだが。
そのヒントは、なんと京都にあった。
熊野本宮温泉郷



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