この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

「道の駅 大和路へぐり」は、法隆寺に一番近い道の駅
車中泊の旅人にとって「道の駅 大和路へぐり」の魅力は、何と云っても世界遺産の「法隆寺」に一番近いことだろう。
その距離は約6キロ。クルマなら20分ほどで行くことができ、筆者もそれが目的で、10年前に一度ここで車中泊をしている。
「道の駅 大和路へぐり」の車中泊事情
国道168号に面した「道の駅 大和路へぐり」の駐車場はフラットで、特に車中泊に支障のあるところは見当たらない。
ただ、写真の奥にある第二駐車場は夜間閉鎖になるため、車中泊に利用できるのは駅舎の前の第一駐車場の62台だけになる。
とはいえ、周囲に何件も道の駅ができた現在は、そこが満車になるとしたら、法隆寺でよほど大きな催しが行われる時くらいのものだろう。
「道の駅 大和路へぐり」の施設紹介
車中泊自体に支障は感じないとはいえ、約20年前の1999年に開業しているだけに、「道の駅 大和路へぐり」の施設は、建物にもサービスにも古めかしさを感じさせるものがある。
近年できた周囲の真新しい道の駅に、可燃物のゴミ箱が設置されているにもかかわらず、未だ置いていないのもそうだし、ホームページに至っては、令和になってもレスポンシブルに変更されていない「骨董品」だ(笑)。
「くまがしとれたて市」の看板が掲げられた直売所も、旅人の心をくすぐるものではなかった。
売店。レジは最新の自動代金支払機だったが(笑)、規模は小さく目立っていたのは地酒「春鹿」の品揃えくらい。
極めつけは、読み方不明のレストラン(笑)。
これで「ハナナ」と読むらしく、ホームページの言葉を借りると、農業の町、平群町の豊かな自然の恵みを素材として、野菜たっぷりの特製料理を提供してくれるそうだ。
だが、さっきの直売所の野菜を見たら、残念ながら旅人はまず暖簾をくぐる気にはならないと思う。
さすがにこれでは、甘口の筆者といえども、競争意識のなさをモロに露呈していると書かざるを得ない。
ただこういう道の駅は全国にたくさんあるわけで、車中泊ができればいいとドライに割り切れる人には、まったく問題はあるまい。
裏返して云えば、最近の道の駅が過剰サービスすぎるのかもしれない。
「道の駅 大和路へぐり」の車中泊好適度チェック!
最寄りの温泉
音の花温泉
☎0743-76-3530
大人800円
9時~22時(最終受付午後21時)・無休
最寄りの大きなスーパーは、500メートルのところにある「ザ・ビッグエクストラ平群店」。コンビニはセブンイレブンが徒歩圏内にある。
道の駅 大和路へぐり オフィシャルサイト
道の駅 大和路へぐり 周辺観光スポット
ここで法隆寺のことを詳しく語るのは難しいので、超簡単にしておこう。
飛鳥時代の607年(推古15年)、聖徳太子によって創建されたと伝わる古刹の中の古刹で、日本最初の世界遺産。伽藍のほとんどが国宝に指定されており、金堂と五重塔は世界最古の木造建築として名高い。
その法隆寺がある地域が斑鳩(いかるが)だ。
斑鳩は、大和川に近く河内や飛鳥方面とも街道でつながる交通の要衝で、聖徳太子の一族(上宮王家)は、ここに宮殿を建て拠点を構えたと考えられている。
斑鳩のもうひとつの見どころは信貴山(しぎさん)で、聖徳太子が物部守屋を攻めた際に、この山に毘沙門天が現れ、太子が信ずべし、貴ぶべしといったことに由来するとされる。
いずれにしても斑鳩は、聖徳太子のことを少しは勉強して行かないとあまり楽しくは感じないところだと思う(笑)。