車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年7月現在の「道の駅 蒜山高原」の車中泊に関する情報です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
併設する「蒜山ヒルズ」の大浴場が、日帰り利用可能になった「道の駅 蒜山高原」。
「道の駅 蒜山高原」 DATA
道の駅 蒜山高原
〒717-0503
岡山県真庭市蒜山富山根694-129
☎0867-66-7018(ホテル蒜山ヒルズ)
営業時間
直売所 9時~16時30分
不定休
「道の駅 蒜山高原」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第11回
登録日/1996年8月5日
2020年3月に一度閉鎖。
2021年4月に再オープン
「道の駅 蒜山高原」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2009.03.28
2011.08.01
2020.03.22
2022.05.04
2023.07.17
※「道の駅 蒜山高原」での現地調査は2023年7月が最新です。
道の駅 蒜山高原
「道の駅 蒜山高原」のロケーション
大山南麓の標高約500メートル地点にあたる蒜山は、西日本を代表する高原リゾートで、大山隠岐国立公園に指定されている。
”西の軽井沢”は言い過ぎと思うが(笑)、昔から有名企業の別荘が多く、濃厚なミルクで知られるジャージー牛の牧場がトレードマークの、牧歌的なところだった。
天候がよければ春先の空気が澄んだ日には、北北西の方角に中国地方随一を誇る名峰、大山の頂きを見ることもできる。
筆者は家内の実家が島根県の出雲にあることもあり、子どもたちが幼い頃からよく大山・蒜山高原に出かけてきたが、当時はスキーやキャンプなどのアウトドアフィールドのイメージが強かった。
しかし近年は、新たな自転車ブームにすっかり染まった感がある。
「道の駅 蒜山高原」の施設
「道の駅 蒜山高原」は、1996年(平成8年)8月に蒜山高原の一等地にオープンした道の駅だが、できた当初から”怪しい道の駅”だった(笑)。
宿泊施設研修室やレストランなどを備えた、地域振興施設「蒜山ヒルズ」は当時の八束村が建設し、駐車場および休憩・情報コーナーを備えたサイクルセンターは岡山県が整備したというが、見た目は”ただのホテルの駐車場”。
しかもちょっと”お高くとまったハイソな感じ”で、大浴場があるにもかかわらず日帰り客には開放されておらず、まさに宿泊客ファースト。
西日本が誇る高原リゾートに、満を持して誕生した道の駅だっただけに、期待してきた旅人や観光客をがっかりさせるには十分すぎるものだった。
そして… 2020年3月31日。
とうとう潰れてしまった。
道の駅の施設にあたる、情報ロビー・トイレ・駐車場は一応営業しているというが、実態はもはや「死に体」。
その事実は真庭市のホームページに掲載されていたが、いずれ更新されると思うので、道の駅も運営を誤ればこうなるという証に、切り取って当サイトに残しておくことにした(笑)。
さて。ここから先は2021年4月26日に蘇った「道の駅 蒜山高原」のお話だ。
といってもリニューアルではなく再開なので、外観は以前と何も変わっていない。
唯一新しくなったのは24時間トイレで、ウォシュレットに改修されていた。
だが、トイレにはこんな張り紙が!
「①車中泊及び火器の使用禁止」とも、「②車中泊(時に)火器の使用禁止」とも解釈できる、こんな張り紙をするようでは先が思いやられる(笑)。
ネタのない近頃売出中のバンライフさんたちが見つけようものなら、小躍りしてブログやYoutubeにアップしかねないので、帰宅後早々に電話で真意を確認しておいた。
答えは、いうまでもなく②。
「それはどこの道の駅でも禁止だよ」と、再開のお祝いに新しい管理者にノーギャラで教えてあげた(笑)。
それにしても…
今は道の駅が全国に1000ヶ所以上あることなど、曲がりなりにも関係者なら知っているのが当然で、こういう注意書きをするなら、他の道の駅がどうしているかを、先に調べるのが”民間企業では常識”だ。
そこからやり直さないと、どうしようもないのが多くの道の駅の実情だと思う。
とはいえ、売店には再び活気が戻り、ちゃんと名物も揃っていた。
こんな狭いスペースで、かつてのように野菜まで売ってたら、すぐ近くにある「道の駅 風の家」に太刀打ちできるわけがない。
多少は商売が分かる人が来たようだ。
そもそも「道の駅 蒜山高原」の駐車場は、フラットなうえに適度にばらけていて木立も多く、静かで車中泊には快適だ。
つまり本来は、潰れる可能性の低い施設だと思う。
それが潰れた理由は、コロナ禍だけで片付くものではあるまい。
ちなみに食事には、「ホテル蒜山ヒルズ」の一階にあるレストランが利用できる。
ただ一般的な道の駅とは違って、中身は相変わらず”ホテル様”。
ここはなんと言おうが、「道の駅」に併設している宿泊施設であって、ホテルに道の駅がオマケでくっついているとは、誰も思ってはくれまい。
ゆえに普通のお客は、ランチタイムにはどこにでもある定食をイメージしているし、ご当地として「蒜山焼きそば」や「ジンギスカン」もあって然りでは?
その意味では、「道の駅かくあるべし」という手本がすぐ近くにある。
2023年7月。
筆者の記事を読んだかどうかは知らないが、日帰り入浴の案內がホテルの入口に掲げてあった(笑)。
”ようやく当たり前のことに気づいてくれてよかった”と思ったのだが、肝心の入浴料金の記載がどこにも出ていない。電話で聞かなければ分からなというのは、どうなんだろね~。
ネットには未だ350円という記事もあるというのに…
「道の駅 蒜山高原」の車中泊好適度
「道の駅 蒜山高原」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:あり。
缶・ビン・ペットボトル:自動販売機の横に設置
ただし売店横に置かれていて、閉店後は中に収納されるかもしれない。そのため区分としては、「営業時間中に利用できる道の駅」に入れている。
ちなみに、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 蒜山高原」の最寄りの温泉&買物施設
ホテル蒜山ヒルズ大浴場
道の駅に併設
※温泉ではなく沸かし湯
おとな500円
15時~18時(受付最終17時30分)
不定休
※宿泊施設なので、満室時は利用できない場合もある。
その場合は、以下の温泉館が利用できる。
蒜山やつか温泉快湯館
道の駅から約6キロ・クルマで10分
☎0867-66-2155
おとな740円
10時~22時(受付最終21時30分)・水曜定休
コンビニ
ローソンとセブンイレブンまで約7キロ。
スーパーマーケット
約4キロのところに「スーパーヒルセン」がある。
「道の駅 蒜山高原」のアクセスマップ
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