車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年9月現在の高野龍神スカイラインの概要と、その途中にある「道の駅 ごまさんスカイタワー」での車中泊に関する情報です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
「高野龍神スカイライン」は紅葉が美しい観光道路だが、「道の駅 ごまさんスカイタワー」は不便すぎて”旅の宿”には適さない。
高野龍神スカイラインの筆者の歴訪記録
※記録が残る2004年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2004.11.07
2006.11.04
2010.02.28
2012.12.23
2014.08.05
2020.02.24
2023.08.20
※奥之院での現地調査は、2023年8月が最新です。
高野龍神スカイライン【目次】

高野龍神スカイラインの概要
「高野龍神スカイライン」は、ブナなどの原生林が広がる紀伊山地の、ど真ん中を縫うように走る全長42.7キロの山岳道路で、高野山と龍神温泉を結んでいる。
標高1000メートル近い高地を走るため、10月下旬から11月上旬には山全体が紅葉で色づき、12月中旬には凍結が始まる。
そのため例年12月中旬から3月下旬まで、日中はチェーン携行、夜間は通行止めの冬季通行規制が行われる。
さて。
1980年(昭和55年)7月21日に、この石碑に刻まれた思いを受けて開通した「高野龍神スカイライン」は、当初は和歌山県道路公社が管理する有料道路で、当時の通行料金は普通車でなんと2090円!
確かにこの道路の完成で、大阪方面から龍神村に行くのに、大回りな海沿いを走る必要がなくなったとはいえ、庶民にはなかなか勇気のいる選択だった。
だが、高野山を構成要素とする「紀伊山地の霊場と参詣道」が、2004年に世界遺産に登録される見通しが立ったことで、2003年に無料開放され、今日に至っている。
いやいや、この時はほんと「世界遺産登録おめでとう!」だった(笑)。
とはいえ…
バイクと走りが得意なクルマはともかく、バンベースのハイエースやトラックベースのキャンピングカーは、片道およそ43キロもある九十九折の「高野龍神スカイライン」を、スイスイとは走れない(笑)。
おまけに紅葉シーズンには、これがある。
ゆえに、なんとなくではなく、しっかり天気と紅葉情報をチェックしてから行かれるほうがいいと思う。
普通車で扇風機・電気毛布はもちろん、電子レンジも冷蔵庫も使える、現代の車中泊に最適なポータブル電源は、EcoFlow RIVER 2 Pro!EcoFlow ポータブル電源 RIVER 2 Pro 大容量 768Wh 70分満充電 リン酸鉄リチウムイオン電池 6倍長寿命 高耐...
高野龍神スカイラインの見どころ
まず、高野山の「奥之院」から「龍神温泉・元湯」までは約52キロ。途中で1度休憩を入れても、2時間あれば走り切れる。
夏季は標高1000m付近の「花園生産物直売所」周辺に整備された、この「あじさい・しゃくなげ園」での休憩がお勧めだ。
初夏を迎える頃には、約1000株の可憐な「しゃくなげ」が、また7月中旬から8月中旬にかけては、約3000株の「あじさい」の花が咲き誇る。
なお「あじさい・しゃくなげ園」は、花期のみ200円の有料になる。
いっぽう紅葉は、時期によって「前線」が変わるので、一概に「ここ」とは云い辛いが、この「蟻合橋」あたりが人気のフォトスポットのようだ。
マップを用意しようと思ったが、どうしても場所が特定できず断念。
ただ「高野龍神スカイライン」を走っていれば必ず通るし、いい場所には人が集まっているので、行けば分かると思う(笑)。
また「護摩壇山ワイルドライフ」の入口周辺は、クルマが駐めやすいうえに紅葉も美しいお勧めポイント。
「護摩壇山ワイルドライフ」は、「高野龍神スカイライン」に面した入口から、広場や駐車場のある管理棟まで約2.5キロ(車で10分弱)ほど行ったところにある施設で、本来は紅葉よりも「日本一のしゃくなげ園」で有名なところらしい。
最後は1986年に松下興産により建築され、2002年に龍神村へ無償譲渡された「ごまさんスカイタワー」をご紹介。
標高1300メートル地点に建つ展望タワーは、護摩木を積み上げたデザインになっているが、それは源平合戦に敗れた平維盛が、この地で護摩木を炊き上げ、平家の行く末を占ったという史実に由来している。
高さ33メートルのスカイタワーは、有料で大人300円。
展望室からは、大台・大峰山系と、紀伊水道の島々までが眺望でき、見通しの良い日には四国山脈も見えるという。
「道の駅 ごまさんスカイタワー」の車中泊好適度
「道の駅 ごまさんスカイタワー」 DATA
道の駅 ごまさんスカイタワー
〒645-0525
和歌山県田辺市龍神村龍神1020-6
☎0739-79-0622
営業時間
平日:9時30分~16時
土日祝:9時~16時
展望塔
おとな300円
平日:9時30分~15時50分
休日:9時~15時50分
※12月1日~3月末(冬季休業)、その他は無休
普通車駐車台数:50台
「道の駅 ごまさんスカイタワー」の施設内容
2012年に道の駅として登録された「道の駅 ごまさんスカイタワー」の駅舎は、スカイタワーの手間に建っており、1階が売店、2階がレストランになっているが、2023年9月現在、レストランは休業中だ。
駐車場は概ね平坦で、特に車中泊に支障は感じられなかった。
24時間トイレは、駐車場の近くにあるので使いやすい。
また個室は、ウォシュレットに改修されていた。と、ここまではいいのだが…
「道の駅 ごまさんスカイタワー」のトイレは、駐車場まで匂いが漂う。
山中なので、簡易水洗なのはやむを得ないと思うが、さすがにこれは車中泊時には大きなマイナス材料だと思う。
なお、ドリンク類のゴミ箱は野外にあって24時間利用できるが、可燃物のゴミ箱は確認できなかった。
加えて「道の駅 ごまさんスカイタワー」は、温泉も買い物施設も近くにない。
そもそもここで車中泊をしているのは、周辺の山をしっかり歩きたいハイカーか、星を観察する人が大半だ。
ゆえに彼らは我慢をすると思うが、旅人や真夏に涼を求めてやってくる人が、それに付き合う必要はあるまい(笑)。
高野龍神スカイラインの車中泊事情
さて。
和歌山の山奥といえども、紅葉シーズンに人と同じように行動すれば、こうなるのは必定(笑)。ここで渋滞にハマったら、もう抜け道はない。
それを回避するには、「高野龍神スカイライン」の出入口に近いところで車中泊して、朝一番から移動するのが一番だ。
幸いにも高野山と龍神温泉には、車中泊のできる場所がある。

ただし「中の橋駐車場」は近くに温泉がなく、「道の駅 龍神」は近くにコンビニとスーパーマーケットがない。
食事はどうにかなるが、さすがにお風呂は持参できないので(笑)、どうしても汗を流したい人には、「道の駅 龍神」のほうがいいだろう。
高野山 車中泊旅行ガイド
龍神温泉 車中泊旅行ガイド
和歌山・紀北 車中泊旅行ガイド
和歌山県の道の駅 カテゴリー別一覧


車中泊でクルマ旅 総合案内
クルマ旅を愉しむための車中泊入門

この記事がよく読まれています。




