車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年9月現在の「道の駅 すさみ」の車中泊に関する記述です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
「道の駅 すさみ」は、和歌山県屈指のクオリティーを有する、”旅の宿”にお勧めしたい道の駅
「道の駅 すさみ」 DATA
道の駅 すさみ
〒649-3142
和歌山県西牟婁郡すさみ町江住808-1
☎0739-58-8888
営業時間
9時~18時(10月~3月は17時まで)
年中無休
「道の駅 すさみ」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第43回
登録日/2015年4月15日
「道の駅 すさみ」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2016.11.03
2021.02.11
2023.02.17
2023.07.11
※「道の駅 すさみ」での現地調査は2023年7月が最新になります。
道の駅 すさみ【目次】
必要なものが勢揃い! 楽天市場の「車中泊グッズ」大特集
「道の駅 すさみ」のロケーション
「道の駅 すさみ」は、「紀勢自動車道」の2023年7月時点の終点にあたる「すさみ南IC」と、そこから約800メートル離れた国道42号の交差点に位置する道の駅で、現在は白浜方面と串本・那智勝浦方面を結ぶ、車中泊を含めたちょうどいい休憩場所になっている。
だがそれは”未来永劫”というわけではない。
紀勢自動車道は、現在延伸工事が進行中の無料の高速道路で、和歌山県の「南紀田辺IC」から「すさみ南IC」まで(正式名:近畿自動車道松原那智勝浦線)は既に開通しており、そこから串本まで(仮称:すさみ串本道路)は2025年春の開通が予定されている。
ちなみに「南紀白浜インター」から「すさみ南IC」までは、約27キロ・30分ほど、また「すさみ南IC」から、建設予定地の串本町役場・新庁舎横の「串本IC」までは、国道で約24キロ・30分…
ということは「すさみ串本道路」が開通すれば、観光客の大半は1時間以内で行き来できる白浜~串本間を、「すさみIC」をスルーして移動するに違いない。
南紀の観光スポットは、白浜エリア・串本~那智勝浦エリア・熊野三山エリアの大きく3つに大別され、白浜ー串本間は、唯一の時間を有効活用できる移動区間という宿命を背負っている。
サービスエリアのように、「すさみ串本道路」からダイレクトに出入りできるなら話は別だが、現在の位置ではそれはおそらく不可能に見える。
もちろん「すさみ町」はそれを十分承知していて、様々な手を打っている。
道の駅の隣に「フェアフィールド・バイ・マリオット」を誘致したのは、その最たる手立てなのだろう。
筆者も冒頭に記したが、確かに「道の駅 すさみ」は、和歌山県屈指のクオリティーを持つ道の駅だが、「旅の宿」として見た場合は、今記した「好立地」が大きく寄与している。
旅人はその背景を踏まえて、現在の「道の駅 すさみ」の過剰とも云える人気を受け止めないといけない。
これまでのGWに見られたような大混雑は、たぶん来年まで。
「すさみ串本道路」が開通すれば、「旅の宿」の主役は「道の駅 くしもと橋杭岩」にシフトしてしまうはずだ。
ただ… 「道の駅すさみ」のホームページにはこの一文が掲載されている。
車中泊にも是非ご利用ください。
これが本気なら、近いうちにRVパークを施設内に設けるかもしれない(笑)。
最後に「道の駅 すさみ」より前から、この地にある道の駅を紹介しておこう。
「道の駅 イノブータンランド・すさみ」
「道の駅 イノブータンランド・すさみ」は、1995年に道の駅に登録された古株の道の駅で、「道の駅 すさみ」から白浜方面に約6キロほど走った国道42号沿いにある。
ただ2015年の紀勢自動車道延伸により利用客が激減し、その後休業と再開を何度か繰り返しつつ、現在は細々と営業は行われているものの、物販飲食機能はなく、実態は観光案内所に近い。
筆者が最後に訪ねたのは2021年2月で、この時にトイレは改修工事を行っており、その後ウォシュレットに代わったようだ。
とはいえ普通車の駐車台数は10台ほどしかなく、すぐ横を国道が通っているため、車中泊に適しているとはいい難い。
万一「道の駅 すさみ」が満車で、ここへの移動を考えるなら、今書いたことを念頭に置いておかないと、現地で怒りが倍増することになると思う(爆)。
なおこれは、若いブロガー諸君への”お願い”だが
「道の駅 すさみ」の車中泊について書きたいのなら、ここも合わせて紹介しないのは、「手落ち」ならぬ「手抜き」(笑)。
もひとつ云えば、「カニとエビの水族館」にも入館しないとね。
国交省や道の駅にコビを売るような、優等生臭いことばかり書いたところで、誰も評価はしてくれない。
それより、”車中泊の初心者を卒業している”読者のニーズと、道の駅で頑張って働いている人たちの、”こういう声”に耳を傾けてやってくんないかな(笑)。
「道の駅 すさみ」の施設
まず、「道の駅 すさみ」には3つの駐車エリアがあり、いずれも地面はフラットで車中泊に支障はない。
こちらが❶の駐車エリアで、正面が道の駅の出入り口、右側が24時間トイレ、左が大型車用の駐車区画になる。
物理的には24時間トイレにもっとも近いこの位置が、”ベスト車中泊スポット”になるわけだが、ここが車中泊するクルマで埋まってしまうと、夜間にトイレ休憩にやってきた人が不自由な思いをすることになる。
また出入り口と大型車の駐車区画に近いため、騒々しいことも予想される。
ちなみにトイレは、細かな設定ができない簡易型のウォシュレットだった。
そう考えると、こちらの❷の駐車場が、本当の意味での”ベスト車中泊スポット”と云えるだろう。
ただ売店とレストランに近いため、営業時間中は常に満車に近く、早い時間から”場所取り”をするのは難しいと思う。
そのような事情もあり、海の見える❸の駐車場を選ぶ旅人は多い。
加えてここは、駐車場を確保したまま、日帰り温泉がある右手の「フェアフィールド・バイ・マリオット・和歌山すさみ」まで歩いて行けるメリットもある。
ただし24時間トイレへは、ご覧のスロープを上り下りしなければならず、中高年にはちょっと辛いかもしれない。
「道の駅 すさみ」には立派な観光案内所があるが、これは「フェアフィールド」の誘致とともに、将来を見据えてのいい展開だと思う。
ただ現在のすさみには、ここで立ち止まりたくなる強い観光要素が見当たらない。
たとえば、2013年にダイハツ・タントのCMに登場した、島根と鳥取の県境に架かる「べた踏み坂」こと「江島大橋」には、10年経った今でもコンスタントに観光客がやってくる。
それはこういうブログやインスタが星の数ほど、ネットにあがっているからだ。
今は観光客がおもしろいと感じたものが、独り歩きしてくれる時代…。他にも四国の「父母ヶ浜」や北海道の「白い道」など、数えあげればキリがない。
土産物が中心の売店は、通路が広く買い周りしやすいレイアウトになっている。
すぐ食べられるものでは、紀南のソウルフードで知られる「さんま寿司」や「めはり寿司」が売っていた。
入口には可燃物のゴミ箱が置かれている。
こちらは館内なので営業時間中にしか利用はできないが、自動販売機コーナーのところに24時間利用できるゴミ箱がある。
「道の駅 すさみ」の館内には、イノブタのフランクフルトやイノブタまんなど、ここでしか食べられないフードメニューを持つ「すさみカフェ」と、鮮魚料理が味わえるお食事処「蒼海」がある。
イノブタは、かつて「道の駅 イノブータンランド・すさみ」を中心にPRしてきたすさみ町のご当地食材で、この王様と王妃の人形は、もともと「道の駅 イノブータンランド・すさみ」に飾ってあったが、現在はそれを「道の駅 すさみ」が引き継いでいる。
さて。
「道の駅 すさみ」で気になる店が、こちらの鮮魚店「枯木灘鮮魚商会」だ。
ここは近海朝どれの魚を販売する鮮魚店で、一匹丸々買うこともできるが、切り身が欲しい時は、スタッフに申し出れば無料で調理してもらえる。
営業時間
平日10時~15時・土日祝10時~16時
そして最後は、旧中学校の体育館をリノベーションした「すさみ町立エビとカニの水族館」について。
この水族館では、紀伊半島近海に生息しているエビやカニなどの甲殻類を中心に、約150種1000点が展示されている。
古生代の仲間の風貌を色濃く残した、”生きた化石”「カブトガニ」。甲羅の下はこんなふうだったんだね。
筆者にいちばんウケたのは、ガラスの靴ならぬガラスの貝殻を来たヤドカリ君。
プレサンスコーポレーションのCMに出演させていたら、きっと驚くほど人が見に来てくれただろうに(笑)。
最後は”ニモくん”に癒やされる水槽の動画を。
なおここは単独だと、ひとり800円と確かに高く思えるのだが、串本水中公園とのセット券2000円はお値打ちだと思う。
詳細はこちらで確認を。
「道の駅 すさみ」の車中泊好適度
「道の駅 すさみ」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:館内と館外にあり24時間利用可能
缶・ビン・ペットボトル:同上
なお一部のブログには、夜間はゴミ箱が館内に収容されるとの記述がある。ただここはサービスエリア的な側面があるので、24時間使えるようにしている気はする。
そもそも、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 すさみ」の最寄りの温泉&買い物施設
望海のゆ
道の駅から徒歩で行ける、「フェアフィールド・バイ・マリオット・和歌山すさみ」 内の温泉施設
☎0739-58-1008
大人800円
朝風呂:6時~10時(受付最終 9時30分)
通常営業:12時~21時(受付最終 20時30分)
不定休
※宿泊施設なので、予約が一杯の日は外来を断られる場合がある。利用前には一度電話で確認を。
コンビニ
ローソンまで約650メートル
スーパーマーケット
約14キロのところに「オークワ すさみ店」がある。
「道の駅 すさみ」のアクセスマップ
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