吉野山に残る、著名人ゆかりの史跡

吉水神社 世界遺産
「正真正銘のプロ」がお届けする車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
テーマはディスカヴァー・ジャパン 「日本クルマ旅先100選」
クルマ旅専門家・稲垣朝則がセレクトした、国内で車中泊クルマ旅にお勧めの「ベスト100エリア」をご紹介。
スポンサード・リンク

興味深い史跡を時代順にご紹介。

吉野山

吉野山の著名人ゆかりの史跡【目次】

役小角が創建した金峯山寺

金峯神社と源義経

奥千本に残る西行庵

後醍醐天皇の吉野朝宮跡

吉水神社は、吉野の歴史の生き証人

豊臣秀吉・秀頼ゆかりの吉野水分神社

スポンサード・リンク

役小角が創建した金峯山寺

蔵王堂

話の展開上、このページでも紹介しないわけにはいかなかったが、中千本にある世界遺産「金峯山寺」については、以下の記事に詳細を載せている。

金峯神社と源義経

金峯神社

奧千本にある吉野山の地主神「金山毘古命(かなやまひこのみこと)」を祀る神社で、社殿は世界遺産、境内の一部を世界遺産「大峯奥駈道」が通る。

平安時代には修験道の修行場となり、摂政・関白として政治の中枢を担った藤原道長も、祈願に訪れたとされている。

ちなみに現在の社殿は、大正初年に再建されたものだ。

吉野 源義経の隠れ塔

金峯神社の境内を坂道を3分ほど下ると、義経が弁慶らと潜伏したことにちなんで名付けられた「義経隠れ塔」が残る。

このお堂は、追手に囲まれた時に屋根を蹴破って逃げたことから、「蹴抜け塔」とも呼ばれている。

1185年(文治元年)冬、義経と弁慶らは源頼朝の討伐を受けて、吉野山に身を隠したが、ここでも追討を受けたために静御前と別れ、東国へ脱出した。

後述する吉水神社にもゆかりの品が残されている。

奥千本に残る西行庵

西行庵

吉野山には桜に惹かれて多くの文人墨客が訪れているが、中でも西行が奥千本に庵を結び、多くの和歌を残した話は有名だ。

西行はここで3年ほど修行をしたと伝えられている。

西行

西行は平安後期の歌人であり僧侶。

俗名は佐藤義清(のりきよ)で、若き日には平清盛の盟友として、鳥羽院に北面の武士として仕えたが、23歳で出家し、東山・嵯峨・鞍馬などで草庵を営んだ後、30歳頃に陸奥に最初の旅に出た。

その西行を師と仰ぎ、この時の西行の陸奥の旅をトレースした紀行文が、俳聖・松尾芭蕉が残した「奥の細道」だ。

吉野 芭蕉句碑

もちろん、吉野山へも2度訪れたという芭蕉の句碑も近くに残る。

西行庵は、金峯神社から山中に少し入ったところにある。

吉野山

西行庵の近くには、

とくとくと 落つる岩間の苔清水 汲みほすまでもなき 住居かな

と西行が詠んだ苔清水が、今もこうして湧き出ている。

後醍醐天皇の吉野朝宮跡

吉野朝宮跡

1336年(建武3年)、足利尊氏との政争に敗れた後醍醐天皇は、神器を持って京都を逃れ、吉水院(吉水神社)に一旦身を寄せた後、蔵王堂の西にあった実城寺に朝廷を置き、寺号を「金輪王寺」と改めた。

1339年(延元4年/暦応2年)、後醍醐天皇は吉野で崩御する。

だがその後も南北朝時代は続き、分裂から57年を経て、足利幕府3大将軍・義満の時代に朝廷は再統一された。

輪王寺

江戸時代に入ると、吉野に潜む豊臣親派の勢力を恐れた家康は、「金輪王寺」の寺号を没収して実城寺に戻した後、没収された寺号を吉野の勢力とともに日光に移し、金の字をとって輪王寺とした。

ちなみにその日光の輪王寺が、平成になって世界遺産「日光の社寺」の構成資産になるから、歴史の綾はおもしろい。

吉野朝宮跡

いっぽうの実城寺は、明治の「廃仏毀釈」で廃寺になり、一円の建物も取り払われたが、1958(昭和33)年、その跡に南朝四帝の尊霊と太平洋戦争の戦没者追悼の施設として、現在の南朝妙法殿が建設されている。

そのため、こちらは世界遺産には登録されていない。

吉水神社は吉野の歴史の生き証人

吉水神社

中千本にある吉水神社は、社伝に白鳳年間(西暦600年代中頃)に役小角によって建立された、金峯山寺の僧坊・吉水院(きっすいいん)と記された、吉野にある4つの世界遺産の中のひとつ。

吉水神社

源頼朝に追われた源義経が、静御前・弁慶とともに身を隠した場所であること、南北朝時代の一時期に後醍醐天皇の行宮になったことなど、数多くの歴史的逸話を持つことで知られており、書院(重要文化財)には、それらの名残が刻まれている。

明治初期の神仏分離令発令後、吉水院は後醍醐天皇、楠木正成(くすのきまさしげ)を祭神とする神社となるが、その背景には国家神道化の観点から、天皇を仏式で供養することが問題視されていたようだ。

楠木正成

なお楠木正成は、鎌倉幕府討伐から南北朝時代突入までの激動の時代を、後醍醐天皇に寄り添いサポートし続けた、日本の歴史上屈指の忠臣として名高い武将。

生誕地は大阪の千早赤阪村だが、東京の皇居前に写真の銅像が立っている。

吉野山

さて。

1594年(文禄3年)、太閤秀吉は徳川家康を筆頭に、総勢5千人ともいわれる共を従え、吉野山で花見を行っている。

その際に吉水院は本陣として使われ、境内には秀吉が花見を行った場所として、太閤の花見塚が残されている。

吉野山

現在の吉水神社の境内は、「一目千本」と呼ばれる、吉野きっての桜見物の名所になっているが、その頃にもこの光景を愛でることができたのか…

なかなか興味のあるところだ。

豊臣秀吉・秀頼ゆかりの吉野水分神社

吉野水分神社

上千本にある吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)は、水を司る天之水分大神(あめのみくまりのおおかみ)を主祭神とする神社で、「みくまり」が訛って「みこもり」となり、子授けの神としての信仰を集めている。

吉野水分神社

とりわけ前述した花見の際に、秀吉がこの神社を訪れ祈願したことから、秀頼を授かったという逸話は有名で、桃山建築の華麗な様式を伝える現在の社殿は、1605年(慶長10年)に、秀吉の意志を継いだ秀頼によって再建されたものだという。

スポンサード・リンク

吉野山 車中泊旅行ガイド

車中泊で訪ねる吉野

世界遺産・吉野山の概要と車中泊事情
世界遺産・吉野山の概要と車中泊事情
奈良県にある吉野山の車中泊旅行ガイドです。
吉野山の知っておきたい桜の話
吉野山の知っておきたい桜の話
吉野が桜の名所になった理由を詳しくご紹介。
吉野山の桜 見頃・見どころ・マイカーアクセスガイド
吉野山の桜 見頃・見どころ・マイカーアクセスガイド
とっておきの裏技とともにガイドします。
吉野山に残る、著名人ゆかりの史跡
吉野山に残る、著名人ゆかりの史跡
古式ゆかしき世界遺産・吉野山の桜以外の見どころをご紹介。
道の駅 吉野路大淀iセンター 車中泊好適度をクルマ旅のプロがチェック!
道の駅 吉野路大淀iセンター 車中泊好適度をクルマ旅のプロがチェック!
吉野山に最寄りの道の駅の車中泊事情をご紹介。
吉野山 関連記事一覧
吉野山 関連記事一覧
これまでに取材してきた、吉野山に関するすべての記事の一覧です。

熊野古道 車中泊旅行ガイド

車中泊でめぐる熊野古道

紀伊半島全域に及ぶ、日本を代表する広大なる世界遺産の愉しみ方をご紹介。この世界遺産なくして、紀伊半島は語れない。

※記事はすべて外部リンクではなく、オリジナルの書き下ろしです。

「紀伊山地の霊場と参詣道」 車中泊旅行ガイド
「紀伊山地の霊場と参詣道」 車中泊旅行ガイド
「熊野古道」の概要と上手な旅の方法に関する記述です。
熊野三山は、もともと「熊野散々」
熊野三山は、もともと「熊野散々」
熊野三山が形成された歴史をわかりやすくご紹介しています。
熊野詣のルーツ。なにゆえに昔の人々は、熊野の地を目指したのか…
熊野詣のルーツ。なにゆえに昔の人々は、熊野の地を目指したのか…
平安時代から始まった熊野詣のルーツと歴史に関する記述です。
「熊野古道」の実態と、車中泊旅行者にお勧めの場所
「熊野古道」の実態と、車中泊旅行者にお勧めの場所
世界遺産に登録されている「熊野古道」に関する記述です。
熊野本宮大社の概要と車中泊事情
熊野本宮大社の概要と車中泊事情
熊野三山の中心、熊野本宮大社に関する記述です。
「新宮」の熊野速玉大社は、元宮の神倉神社がお勧め!
「新宮」の熊野速玉大社は、元宮の神倉神社がお勧め!
熊野三山・速玉神社に関する記述です。
熊野古道の大門坂から行く、霊場「熊野那智大社」ガイド
熊野古道の大門坂から行く、霊場「熊野那智大社」ガイド
「那智山」の見どころと、熊野那智大社のスマートな参拝方法をご紹介。
熊野三山エリアにある7つの道の駅の車中泊好適度チェック!
熊野三山エリアにある7つの道の駅の車中泊好適度チェック!
熊野三山を車中泊で旅したい人に向けた、周辺にある7つの道の駅の詳細情報です。
熊野本宮温泉郷の概要と車中泊事情
熊野本宮温泉郷の概要と車中泊事情
熊野本宮温泉郷の概要と車中泊事情を詳しくレポートしています。
南紀勝浦温泉の概要と車中泊事情
南紀勝浦温泉の概要と車中泊事情
那智と隣接する南紀勝浦温泉の詳しい紹介です。
熊野古道・伊勢路の概要とお勧め観光スポット
熊野古道・伊勢路の概要とお勧め観光スポット
三重県にある構成資産を詳しくご紹介
高野山の概要と車中泊事情
高野山の概要と車中泊事情
クルマ旅のプロがまとめた、世界遺産「高野山」の旅行ガイドです。
吉野山の概要と車中泊事情
吉野山の概要と車中泊事情
世界遺産「吉野山」の見方と見どころを詳しくガイドしています。
「紀伊山地の霊場と参詣道」 関連記事一覧
「紀伊山地の霊場と参詣道」 関連記事一覧
熊野本宮温泉郷を含む、熊野古道関連のすべての記事の一覧です。

この記事がよく読まれています。

車中泊クルマ旅は、日本の新しい「旅のカタチ」
自由奔放。行きたいところに、行きたい時に、居たいだけ。そんな車中泊でクルマ旅の紹介です。
「ワンランク上の車中泊」お勧めグッズ&アイデア集
「ワンランク上の車中泊」 グッズ・バイヤーズガイド 流通企業で10年間のバイヤー経験を持つ筆者が、実際に使用している車中泊グッズを、実践しているアイデアを含めて具体的にご紹介しています。 スポンサード・リンク (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).p...
車中泊旅行者が道の駅で捨てるゴミは、「家庭ゴミ」ではなく「旅行ゴミ」
クルマ旅のプロがまとめた、家庭ゴミと道の駅のゴミ箱設置の有無に関する記載です。
車中泊用サブバッテリー リチウムイオン載せ替え&新規搭載ガイド【クルマ旅のプロが解説!】
クルマ旅のプロがまとめた、実体験に基づく車中泊用サブバッテリーのリチウムイオン積替え&新規搭載のためのアドバイスです。
オートパッカーの「プロモデル」キャンピングカー ”ハイエースWiz”
クルマ旅のプロが解説する、アネックス社のハイエース・キャンピングカーWizの詳しい実使用レポートです。
タイトルとURLをコピーしました