車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、「道の駅 能勢」の車中泊に関する記述です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
国道173号沿いにある「道の駅 能勢」は、「丹波の玄関」ともいえる場所にある大阪の道の駅。
道の駅 能勢 DATA
道の駅 能勢
563-0364
大阪府豊能郡能勢町平野535
☎072-731-2626
営業時間
直売所 9時~17時・火曜定休(7~10月は無休)
「道の駅 能勢(のせ)」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回 /第16回
登録日/ 2000年8月18日
開駅日/ 2001年4月1日
「道の駅 能勢」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2009.11.14
2013.02.17
2016.02.07
2021.10.09
2022.05.19
2022.10.07
道の駅 能勢【目次】
「道の駅 能勢」のロケーション
大阪の北の外れにある「道の駅 能勢」は、同じ大阪北部の千里万博公園からでも、下道で約30キロ・クルマで1時間近くかかる里山の中にある。
兵庫と京都に挟まれた「大阪の飛び地」のような能勢は、交通の便だけでなく気候から見ても「丹波」に近く、秋になれば名物の栗や黒枝豆を求めて、朝から駐車場は満車、前の国道173号にはその空き待ちで渋滞ができるほど人が集まる。
さすがにその時ばかりは、前日から車中泊で来るのもアリなのだが、普段はここでの車中泊をする理由は見当たらない。
筆者は30年以上前から能勢にはキャンプで来ているが、ここは年に数回は雪が積もる「大阪の豪雪地帯」だ(笑)。
「道の駅 能勢」の施設
まず駐車場は平坦で車中泊に支障はないが、中央に大型車のレーンが配置され、そのエンジン音からどこにも逃れられないレイアウトに難がある。
真横を通る国道173号は、阪神高速・中国自動車道が通る大阪の池田・川西方面から、丹波を抜けて丹後半島へと通じる主要国道だけに、夜は大型車も多い。
その観点から云うと、駐車場の丹波方面の端にある、クリーム色の24時間トイレに近い駅舎側が、「道の駅 能勢」では車中泊に適したスポットと云えるだろう。
24時間トイレの前には可燃物のゴミ箱が置かれ、夜明け前からおばちゃんがゴミの清掃にやってくる。
一度は改修されているようだが、ウォシュレットがあるのは多目的トイレだけ。
これでは朝は人が殺到し、本当に必要な人が使えなくなるかもしれない。
なお可燃物のゴミ箱は、トイレの前だけでなく数ヶ所に置いてある。
さて。
こちらが「道の駅 能勢」の売店のエントランスで、奥に観光案内所、左手にソファーのある休憩スペースと食堂がある。
ここは自慢の栗の加工品が充実している。
能勢に限らず、寒暖差の大きい里山では良質な栗が育つと云われ、とりわけ丹波は「宣伝上手」で、能勢の遥か先を行くブランド化に成功している。
ただ能勢には、「銀寄(ぎんよせ)」という江戸時代中期にルーツを持つオンリーワンの品種があり、業界では有名なようだ。
調べてみると、そのおいしさから高値で取引され、当時の銀札を寄せる栗として、銀寄という名前がついたという。
こちらはその「銀寄」で作られた栗焼酎で、720ミリが1980円。
栗焼酎と云えば四万十の「ダバダ火振」が有名だが、それよりもはるかに高い。
モノがいいのなら、それをお客にPRする工夫がもう少しあると、売れ行きも違ってくるに違いない。
それは2020年のリニューアルで、新しくできたおにぎりのテイクアウトにも通じる。
大阪で食べられる「美味しいおにぎり」とは何かを明快に示さないと、今さらお米が美味しいだけで、口の肥えた大阪の人は動いてくれない。
ここでの売り文句は「本日精米したてのお米」では…
ちなみに「道の駅 能勢」には、おもしろいものがこんなにたくさんある。
このフラワーアレンジは、なんと480円。
これなら筆者でも家内の誕生日にポン!と買ってあげられる(笑)。
麦わら一袋180円。
これがあれば、高知で食べるのと同じく、香ばしい香りがついたカツオのタタキが自分で作れる。
こういう写真入りのポップをつけて都会人に見せたら、倍の360円でも安いくらいだと思う。
動物のかたちに切り抜いただけの板切れは、ペイントしたサンプルに「Welcome to ◯◯ファミリー」と書くスペースを空けておき、アウトドア風の組紐をつけて、タープのポールやドアミラーにぶら下げられるようにしておいたら、キャンプブームのご時世だけに、980円でも飛ぶように売れるのでは(笑)。
逆にこの立派な薪はロスリーダーにして、400円くらいで一人当たりの購買個数を2つに制限しつつ販売すれば、今時の焚き火大好きキャンパーがこぞって買いにくるだけでなく、ネットにその情報をバンバン流してくれるに違いない。
なんてったって能勢は「大阪のキャンプ場銀座」だからね。
しかも「道の駅 能勢」は、その入口と呼べる好立地にある。
企画とキャッチはいいと思うが、売り方に工夫が感じられない。
さきほどのおにぎりのテイクアウトと連動させるとか、今さら飯盒はないにしても、キャンパーをターゲットにメスティンやダッチオーブンでご飯を炊いたビジュアルでアピールするとか。
そもそも「道の駅 能勢」には、フェイスブックはあるが肝心のホームページがない。
フェイスブックはビラやテレビCMのようなもので「詳しくは道の駅 能勢で検索」があって初めて意味を持つ。
失礼だが、物販に関しては勉強不足丸出し。責任者はもっと若いスタッフの声に耳を傾けるほうがいい。
最後に…
「道の駅 能勢」の隣には、お肉が安くて美味しいと評判の行列店「牛福」がある。
焼肉定食(1100円)も和牛本来の甘いお肉が美味しかったが、食堂は待つ人が気になって落ち着かないという人にお勧めなのが、隣の「直販処」で売ってくれる揚げたてのコロッケだ。
ひとつ95円で、実にうまい。想像以上に上品な味で、筆者でもふたつは食べられる。
知らないと100%スルーしてしまうと思うので、行かれた時はぜひチェックしてみよう。
「道の駅 能勢」の車中泊好適度
「道の駅 能勢」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:館外にあり24時間利用可能
缶・ビン・ペットボトル:同上
なお、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 能勢」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
汐の湯温泉
道の駅から約550メートル
☎072-734-0021
おとな1000円
11時~18時(水曜日は14時~)
汐の湯温泉は旅館なので営業時間が短いため、多少遠くなるもののもうひとつご紹介しておこう。
るり渓温泉本館大浴場
道の駅から約13キロ・20分
☎0771-65-5001
おとな平日700円・土日祝800円
7時~23時・不定休
コンビニ
ファミリーマートまで約600メートル
スーパーマーケット
約1.4キロのところに「ショッピングスクエア・ノセボックス」がある。
「道の駅 能勢」のアクセスマップ
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