この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

島根県の津和野に近い「道の駅 願成就温泉」は、コンパクトにまとまった車中泊旅行者向きの施設。
「道の駅 願成就温泉」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第19回
登録日/2003年8月8日
※オープン日/1995年7月7日
リニューアル/2018年4月14日
筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2011.04.22
2022.04.23
道の駅 願成就温泉【目次】
「道の駅 願成就温泉」のロケーション
道の駅の名前だけを聞くと分からないが、「道の駅 願成就温泉」は山口県と島根県との県境(野坂トンネル)付近に位置しており、島根県の人気観光地・津和野の中心地まで約7キロ、クルマで10分足らずのところに建っている。
津和野の観光情報は、以下の記事に詳しくまとめておいたので、そちらを参考にしていただきたい。
もちろん中身は筆者と同じ「アラ還世代」に喜んでいただける内容だ。
既にご存知の方も多いと思うが、「道の駅 願成就温泉」から僅か4キロほどのところには、「道の駅 津和野温泉・なごみの里」がある。
「普通ならあり得ない現象」が現実に起きているのは、「道の駅 願成就温泉」が山口県の施設だからなのだろう。
しかしコロナ以前のインバウンドに沸く2017年に公表された、津和野町の年間観光客数は約120万人。この数は同じ島根県出雲市のほぼ10%にすぎない。
大局から判断すれば、どこの県の施設であろうが、この規模の町なら道の駅はひとつあれば十分ということになるはずだ。
今時の車中泊旅行者の中には、「選択肢が増えているのだから、それでいいじゃん」と思う人が多いかもしれないが、「細かいことが気になってしまうのが、中高年の悪い癖」(笑)。
老婆心ながら…
若い人たちにも「あったら便利=損得勘定」よりも「要らないものは要らない=物事の良し悪し」に立脚した「清貧の心得」は、持ち合わせていただいても邪魔にはなるまい。
「道の駅 願成就温泉」の施設
1995年7月に日帰り入浴施設としてオープンした「成願寺温泉」は、2003年8月に道の駅の登録を受け、同年11月に基準を満たすための改修を終えて、「道の駅 成願寺温泉」にこぎつけた経緯を持っている。
写真はその当時の「願成寺温泉」だ。
ということは…
実施的な津和野の最初の道の駅は、この「成願寺温泉」だったともいえる。
ちなみに、「道の駅 津和野温泉・なごみの里」が誕生したのは2001年4月。云い方は悪いが、山口県は島根県に「出し抜かれた」のかもしれない。
当然「成願寺温泉」の収益は下がり、慌てた山口県はその巻き返し策として、2003年に道の駅へと改修した。
そしてこちらがその当時の「道の駅 願成就温泉」。
それでも2011年に訪れた時には、築15年を経た物販飲食ブースには古めかしさが漂い、「道の駅 津和野温泉・なごみの里」に比べると、明らかに見劣りしていた。
そこで山口県は本気になった。
島根県より一足早い2018年に全面リニューアルを敢行し、現在の「道の駅 願成就温泉」は、大きく変貌を遂げている。
もちろんここまでのストーリーは、すべて筆者の妄想。
本当は和気あいあいと、「2つの道の駅で津和野を盛り上げて行きましょう」という話だったのかもしれない(笑)。

出典:道の駅成願寺温泉オフィシャルサイト
さて。
現在の「道の駅 願成就温泉」のレイアウトは、イベントスペースを挟んで左が物販飲食、右が温泉になっていて分かりやすい。
団体の旅行客を意識している「道の駅 津和野温泉・なごみの里」を研究した山口県は、「道の駅 願成就温泉」のターゲットを個人旅行客に定めているように思える。
こちらがフードコートで、可燃物のゴミ箱も置かれている。ただ、もしかすると閉店後は中にしまわれるかもしれない。
19時まで営業している、お食事処「ゆ楽園」のメニューは、天丼900円・カツ丼850円・カレーライス700円・とんかつ定食1000円・唐揚げ定食1000円ほか。
ここまでは比較的リーズナブルだが、ゆ楽ラーメン1000円・トマトラーメン1000円とラーメンは値が張っていた。
売店はお土産品が中心で、直売所と違って野菜などの生鮮品は置いていない。
ただ冷蔵庫の下段に並んだ、お酒のアテは気になった(笑)。
70台が駐められる「道の駅 願成就温泉」の駐車場は、フラットで特に車中泊に支障はない。ただ国道9号に近いため、夜間はトラックが利用するかもしれない。
こちらが24時間トイレ。
もちろんウォシュレットを完備している。
最後に気になったのは、この「静御前」の銅像だ。

出典:エンタメRBB
「静御前」は源義経の妾となった白拍子。
つい先日のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第20話の中で、その見事な舞を披露したばかりなので、記憶に新しい人も多いはずだ。
ただ「鎌倉殿の13人」では、鎌倉を去った後の消息は不明とされていたが、津和野には、この地で母と侍女と一緒にひっそりと暮らして亡くなったという伝説とともに、その墓所が残されている。
なお調査のついでに「もしかして?」と、津和野の銘菓「源氏巻」との関連性を調べたが、さすがにそれはなかった(笑)。
「道の駅 願成就温泉」の車中泊好適度チェック!
【プロの寸評】
繰り返しになるが、「道の駅 願成就温泉」は旅人に必要不可欠な設備が手際よく使えて居心地がいい。今なら筆者もこちらでの車中泊を選ぶだろう。
道の駅 願成就温泉 オフィシャルサイト
「道の駅 願成就温泉」の温泉&周辺買い物施設
願成寺温泉(併設)
☎083-957-0118
大人520円
9時~21時 (受付最終20時30分)・第3水曜定休
※家族風呂:1時間1020円(受付10時~19時)
コンビニ
ローソン・ポプラが約5キロのところにある。
スーパーマーケット
約5.5キロのところに「キヌヤ 津和野店」がある。
「道の駅 願成就温泉」のアクセスマップ
日本全国 道の駅・車中泊好適度チェック!
津和野 車中泊旅行ガイド


車中泊でクルマ旅 総合案内
クルマ旅を愉しむための車中泊入門

この記事がよく読まれています。




