車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年5月現在の「道の駅 琴の浦」の車中泊に関する情報です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。


「道の駅 琴の浦」は、山陰道で鳥取県を通過する途中で立ち寄ったり、車中泊したい人にお勧めの道の駅
「道の駅 琴の浦」 DATA
道の駅 琴の浦
689-2502
鳥取県東伯郡琴浦町大字別所1030-1
☎0858-55-7811
営業時間
直売所 9時~18時
「道の駅 琴の浦」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第46回
登録日/2016年10月7日
「道の駅 琴の浦」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2020.03.20
2022.05.04
2023.05.06
※「道の駅 琴の浦」での現地調査は2023年5月が最新です。
道の駅 琴の浦【目次】
「道の駅 琴の浦」のロケーション
「道の駅 琴の浦」の”前身”は、山陰自動車道の延伸に伴い、2011年に開業した「琴浦パーキングエリア」だ。
2016年にそれを拡張するかたちで道の駅に登録され、翌年から営業を開始した。
同じことを僅か2キロしか離れていないところに以前からある「道の駅 ポート赤碕」の記事でも書いているのだが、いくら山陰道が延伸してきたからと云っても、こんな至近距離にあえて新しい道の駅を作ったことには、強い疑問を抱かざるを得ない。
当初の計画通り、ここにトイレ休憩のためのパーキングエリアが必要だったことは理解できるが、無料区間なので、食事やお土産まで望む人には「道の駅 ポート赤碕」に誘導するだけで何ら問題はなかった。
仮に将来的に有料となっても、ETC2.0があるので対応できる。
つまりどう考えても、「道の駅 琴の浦」が利用者ファーストで作られたものではないことは明らかだ。
土木は利権の巣窟で、高速道路がその格好の”隠れ蓑”に使われるのは、今も昔も変わらないし、それは”保守王国”と呼ばれる地域に行くほど目につく。
できてしまった以上、我々旅行者はそれを使い分けていくしかないのだが、”コトなかれ主義”の人々に拡散されるその使い分けの話に、「本来の道の駅のありかた」が掻き消されてしまうのはいただけない…
筆者がもっとも情けなく感じるのは、
本来はそのツケを払わされる若い世代の旅人こそ、こういう不条理さに目を向け、徒党を組んで疑問の声を挙げるべきだと思うのだが、あいも変わらずお気軽でノー天気な記事しか、検索エンジンの上位に出て来ないことだ(笑)。
特に日本を一周しているなら、もっといろんなことに気がつくはずだが…
「道の駅 琴の浦」の施設
まずは物販飲食から。
結論から云うと、どちらの道の駅もオシは鮮魚、すなわち「海鮮」しかない。
境港や大山、倉吉などの観光地から中途半端に離れた琴浦には、観光資源と呼べるものはなく、海の幸に頼るほかはない。
よってどちらにも水産業者が入り、所狭しと地魚が並ぶのは当然だ。
そうなると必然的に勝負は「品揃えと値段」で決まるわけだが、その点で勝っているのは「道の駅 琴の浦」のようだった。
筆者はどちらの食堂でも食べてはいないが、メニューを見た限り、道の駅で食べるとしたら、安くて品数の多い「道の駅 琴の浦」を選ぶだろう。
ちなみにイメージでは「道の駅 ポート赤碕」が先行しているが、それは道の駅ではなく、その隣で店を構えている「魚料理 海」によるものだ。
グルメにこだわって行くなら、そこを目指そう。
なお、土産品の品揃えも「道の駅 琴の浦」のほうが圧倒的にいい。
国道9号に面した「道の駅 ポート赤碕」は、もともと地元を意識した造りになっており、代わりに農産物の直売所がある。
次はレイアウトと車中泊についてだが、まず「道の駅 琴の浦」の駐車場は大きく3つに分かれている。
もともと、山陰自動車道の上下線共用のパーキングエリアとして作られているので、AとBは山陰自動車道から流入する場合の駐車場になる。
それに対してCは、道の駅として整備された時に造成された駐車場で、一般道路からの流入者用になる。
ABCともに路面はほぼ平坦だが、トイレまでの距離はCが一番遠い。
またCからはABの駐車場は行くことができず、そのまま山陰自動車道に進むか、来た道を戻らなければならない。
ということは、ABの駐車場から温泉やコンビニに出かけ、一般道から戻ってくると、今度はCにしか駐められなくなり、Cが満車になっている場合は、たとえAとBに空きがあったとしても、もはや車中泊はできなくなる。
それを回避するには、帰りは山陰自動車道を利用することだ。
ここでの車中泊で、もっとも気をつけるべき点はそこだろう。
次は情報休憩室と24時間トイレについてだが、建物は売店のある「物産館ことうら」とは別棟になっている。
もちろんトイレはウォシュレット。
館内には有人の観光案内所もある。
最後は、「道の駅 琴の浦」の利用法をアドバイスをしておこう。
前述したように、ここは流入後に温泉や買い出しには行きにくい欠点がある。
ゆえに山陰自動車道に乗る前にそれらを済ませ、砂丘のある「鳥取エリア」の観光後、境港や松江・出雲方面に行く、あるいはその逆のための「旅の宿」として利用するには悪くない。
ただペットを散歩させたり、子供を遊具で遊ばせたい旅人には、公園が隣接する「道の駅 ポート赤碕」のほうがお勧めだろう。
しかし、こういう選択肢がたった2キロの間に必要なのかどうか…
我々は、知らないうちにその無駄遣いの費用を払わされており、考えてみればそれは、1リットルの値段が1円2円違うことに一喜一憂しながら入れている、ガソリン代よりも高いかもしれない。
筆者はそういうことが感じられる若い旅人に、後を委ねたいと思っている。
「道の駅 琴の浦」の車中泊好適度
「道の駅 琴の浦」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:屋外にあり、24時間利用可能
缶・ビン・ペットボトル:同上
島根・鳥取両県の道の駅には、可燃物のゴミ箱を用意していないところが多く、サービスエリアを兼ねた「道の駅 琴の浦」のゴミ箱が溢れかえる理由には、それが無関係ではないと思う。
だがこうなるのは旅人に罪があるのではなく、結果をよく考えもせず、旅人の需要を供給側が無視していることに尽きるわけで、その意味からすると「道の駅 琴の浦」は”被害者”とも云える。
ただ2023年5月には、「道の駅ポート赤碕」に可燃物のゴミ箱が復元されていた。
ちなみに、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 琴の浦」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
なかやま温泉 ゆーゆー倶楽部naspal
道の駅から約9キロ・10分
☎0858-49-3330
おとな500円
10時~21時
第2月曜 定休
コンビニ
ローソン・ポプラ(道の駅 ポート赤碕)が約2キロのところにある。なお24時間営業の「ローソン 琴浦丸尾店」までは約4キロ。
スーパーマーケット
約3キロのところに「MARUI(マルイ) アプト店」がある。
「道の駅 琴の浦」のアクセスマップ
鳥取県の道の駅
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